トキワ荘
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トキワ荘(ときわそう)は、東京都豊島区南長崎3-16-6(当時は豊島区椎名町5-2253)に1952年から1982年にかけて存在したアパート。
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[編集] 概要
1952年12月6日に上棟式。当時の漫画雑誌社、「学童社」が、自社の雑誌で連載を持つ漫画家を多くこのアパートに入居させた。それらの漫画家の多くがその後著名となったため、漫画家、漫画ファンにとっては聖地的な扱いをされていた。
最初にこのアパートに入居した漫画家は1953年初めに入居した手塚治虫だった(手塚も学童社の編集者に勧められてここに入居した)。手塚の入居期間は約2年と短かったが、その間にも相次いで学童社が漫画家を入居させたため、漫画界の梁山泊の観を生じた時期がある。ただし、それらの漫画家の多くは比較的すぐに移転したため、漫画家が多く住んでいた時期は比較的短い。
かつてここに住んだ手塚治虫も、「漫画界の梁山泊」という表現を使っている。ただし、命名者は不明である。
その後も日本を代表する漫画家の「聖地」として見学観光ツアー(聖地巡礼)が組まれるほどの人気があったが、建物の老朽化が進んだために1981年に解体が決定。同年の1月13日に、手塚治虫を中心としたかつての居住者たち(寺田ヒロオは不参加)が集結して同窓会を開き、その時の模様がテレビで5月25日放映のNHK特集『わが青春のトキワ荘~現代マンガ家立志伝~』で放送され、10月3日にはフジテレビでアニメ『ぼくらマンガ家 トキワ荘物語』(脚本・辻真先、監修・小池一夫、監督・鈴木伸一、キャラクターデザイン・石森章太郎)が放映された。
トキワ荘は翌1982年11月29日に解体された。建物自体は同年12月に新築され、赤塚不二夫作画の看板が掲げられていたが、バブル景気の最中、地上げに巻き込まれて解体され、現在はちがう建物(日本加除出版の社屋)になっている。
[編集] 住んでいたことがある漫画家
[編集] グループに参加していた漫画家
[編集] 関連項目
[編集] 関連作品
[編集] 書籍・文献
- 手塚治虫 『トキワ荘青春物語― Playback Tokiwaso』 ISBN 4905579945
- 丸山昭 『トキワ荘実録―手塚治虫と漫画家たちの青春』(編集者の手記) ISBN 4094034412
- 『まんがのカンヅメ―手塚治虫とトキワ荘の仲間たち』 (ISBN 4593534275の増補改訂文庫化)。
- 梶井純 『トキワ荘の時代―寺田ヒロオのまんが道』 ISBN 4480051929
- 竹熊健太郎『マンガ原稿料はなぜ安いか?』 ISBN 4872574206
[編集] 映像作品
- アニメ『ぼくらマンガ家トキワ荘物語』(1981年)東映動画制作スペシャル
- 映画『トキワ荘の青春』(1995年) 市川準監督作品
- ドラマ『まんが道』(1986年11月17日~1986年12月5日 放映) NHK製作(銀河テレビ小説)
- ドラマ『まんが道 - 青春篇』(1987年7月27日~1987年8月14日 放映) NHK製作(銀河テレビ小説)
- ドキュメンタリー『わが青春の「トキワ荘」 ~現代マンガ家立志伝~』(1989年) NHK製作(NHK特集)