ドラゴンモデルズ
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ドラゴンモデルズ(Dragon Models Limited)は、香港の大手模型店、Universal Models Ltd.の関連企業で、プラモデルの開発と製造を行っている。創設者はフレデリック・リャンで、2006年5月の時点で同社の社長を務める。1/35スケールの戦車模型を主力製品としている。
[編集] 略歴
1987年に会社設立、この頃の主力製品は1/144の航空機の模型であった。このスケールでの航空機はエルエスの独壇場であったが、当時の視点からでも表現上の追加加工が必要などの問題が有ったため、好意的に受け止められた。
1990年の秋に戦車模型への参入を表明、最初に発売された製品は1/35スケールの旧ソビエトの主力戦車T-72で日本への入荷は翌年になってからあった。スケールモデルとしての再現度には難はあったが、当時は旧ソビエト製兵器の実物の詳細な資料そのものが存在しなかったのでクレームは少なく、この戦車を保有していたイラク・フセイン政権が隣国のクウェートに侵攻した事により湾岸戦争が発生する等の話題性にも恵まれた。湾岸戦争終結後の1992年、初の巨大AFVとしてスカッドミサイルを搭載したTELを発売。また他の模型メーカーとの競合を避けるために回避していた第二次世界大戦アイテムの開発も行われ、これまで1/35でキットの存在しなかったナースホルンなどが発売された。しかし当時の同社のスキルでは目の肥えた大戦物モデラーを満足させるには至らなかった。
1993年に設計に2名の日本人が一部のキットの設計に参加した事によりプラモデル製品としてレベルが向上したが、ミリタリーマニアとプラモデルマニアの知識量の差から考証面でトラブルが発生、戦車模型専門誌の記事に対して日本人監修者が抗議、専門誌側が訂正・陳謝する事件があった。
近年は、細かな部品分割やスライド金型の多用による徹底した形状再現と、従来は別売りが当たり前だった金属製砲身やエッチングパーツなどを標準付属して「アフターパーツ要らず」と言われる商品内容によりモデラーの高い支持を得ている。特にフィギュアは「Gen2(ジェネレーション2)」と呼ばれる、顔や袖口まで徹底的に分割してモールドの再現度を高めたシリーズを展開している。さらに2006年には、ディテール表現のクオリティは維持しつつ部品点数や金属パーツ使用を抑えて組み立て易さを向上させた新シリーズ「スマートキット」を開始した。また1/72や1/144の軍用車輌のキットや完成品、1/400の旅客機完成品も精力的に開発している。 1999年より1/6のミリタリーアクションフィギュアに参入、それまでおもちゃ的に扱われていたジャンルにスケールモデル的アプローチで挑み、一気にトップブランドに躍り出た。リアルなフィギュアヘッド、細部まで再現された装備品などで人気を集めている。
オンライン販売専門ブランドサイバーホビーを持ち、一般販売ルートでは販売が難しいマイナーな車輌やパーツなども積極的にリリースしている。
日本での輸入代理店は、サブブランド毎に扱う会社が異なっている。プラモデル/ドラゴンアーマー/ドラゴンウイングス ウォーバードはハセガワ、CAN DO/マイクロテックは童友社、アクションフィギュアはプラッツ、ドラゴンウイングス(旅客機)はガリバーがそれぞれ輸入・販売を担当し、いずれも一般模型店で入手可能である。
なお、外箱側面や説明書の実車説明・注意事項などは数カ国語が併記されているが、日本語は「フや消し(つや消し)」「ろっ(3つ)」「しーダー(レーダー)」などのパチモノ中国製品ぽい誤植が多く見られ、マニアから「ドラゴソ語」と呼ばれている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Dragon Models Limited 公式HP
- DRAGON MODELS USA 子会社のDRAGON MODELS USA公式HP
- cyber-hobby.com サイバーホビー公式HP
- アーマーモデリング誌に抗議します 2001年に発売されたキットにまつわる騒動について、設計に関わった日本人外注スタッフによる説明と経過報告