ナンバーディスプレイ
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ナンバー・ディスプレイは、固定電話やISDN回線に接続された対応電話機で、着信した際の相手の電話番号を電話機に表示するNTT東日本・西日本のオプションサービス(付加機能)。アナログ回線・デジタル回線ともに有料オプション。1997年10月より横浜・名古屋・福岡で開始された後、1998年2月1日より全国的にサービスされた。
同様のサービスは携帯電話、PHSや一部のIP電話でも無料で行われている。また、直収電話を提供するソフトバンクテレコムやKDDIも有料オプションサービスとして行っており、それぞれ番号表示サービス(ばんごうひょうじ-)、発信番号表示(はっしんばんごうひょうじ)と呼んでいる。
ナンバー・ディスプレイは「番号表示サービス」についてのNTT東西の商標であるが、一般名詞としても浸透している。
電話を取る前に、どこからかかってきた電話かを知ることが可能となるため、いたずら電話やセールス電話などの迷惑な電話に対してメッセージを流すなどの対処をすることが可能となる。
また、コールセンターなどでは、発信された電話番号とデータベースを連動して、顧客管理などの用途に利用することが多い。(Computer Telephony Integration)
電話を発信する場合、初期状態では相手に対して自分の電話番号を伝えてしまうため、何らかの事情で電話番号を伝えたくない場合には、頭に "184" (イヤヨの語呂合わせといわれる)をつけることによって、この通話については非通知設定となる。
電話機や回線の設定により、初期状態では相手に番号を通知しないこともできるが(通常非通知)、その場合、何らかの事情で電話番号を伝えたい場合には、頭に "186" (イーヤロの語呂合わせといわれる)をつけることによって、その通話については番号を通知することができる。
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[編集] 表示内容
内容は一例。機器によって多少異なることがある。
- 加入電話、ISDN、携帯電話、PHS、通知対応IP電話からの発信 - 電話番号(0334567890)
- 公衆電話からの発信 - 「公衆電話」、「コウシュウデンワ」または「C」
- 非通知設定の発信 - 「非通知」、「ヒツウチ」または「P」 (発信者番号非通知)
- 国際電話、インターネット電話、番号通知に非対応のIP電話、ボイスワープ等の着信転送などの、発信電話番号を通知できない通話 - 「表示圏外」「ヒョウジケンガイ」または「O」「S」 (通知不可能)
なお、IP電話(050)では現状、非通知理由の通知が仕様上不可能なため、公衆電話・発信者番号非通知・通知不可能の区別はできず、一律に発信者番号非通知扱いとなっていたとのことであったが、2006年には発信者番号通知扱いのものが現認されている。
[編集] 利用
ナンバーディスプレイ機能を利用するには、非対応機より少し高価であるが対応した電話機を用いれば良い。 サービス開始直後には非対応機でもサービスを利用出来るようにと、電話機とモジュラージャックの間につなげるアダプターが発売されていたが、安価な対応電話機が出回るようになると急速に製造中止となっていった。
[編集] 応用
受話器を取る前に発信者の電話番号が判明する事から、受話器を上げる前に目的の人を大声で呼び寄せておいたり、逆に居留守を使う事も可能。また多くの迷惑電話が発信番号非通知である為、迷惑電話対策としてかつては有効であったが、2006年には迷惑電話業者が着電出来ない発信専用電話番号を使うことで対応することが増えたため、以前程は有効でなくなった。しかし、特定の電話番号からの着信を拒否するサービスや電話の機能を利用することにより、ある程度の対策は可能である。
対応機種によっては発信者番号と事前登録された電話帳を関連付ける事によって、呼び出し時に番号でなく登録した名前で表示させる事で、誰からの電話なのか一瞬で識別する事が可能となっている対応電話機もある。より高機能な対応電話機では発信者番号ごとに呼び出し音を設定する事が可能であり、電話機に辿り着く前に誰からの電話なのか知る事が出来る。