ハンドブレーキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]()
ハンドブレーキレバー(日産・キューブZ10用)
|
![]()
ブレーキ警告灯 ハンドブレーキ使用中やブレーキフルードの液面低下時に点灯する
|
ハンドブレーキとは、
- 機械の動作や移動をとめるための手動式の制動機構。または、その機構で止める行為。
- 鉄道車両に備わるブレーキのひとつ。
直通ブレーキ、自動空気ブレーキに対する手動操作式の呼び名として、または留置時の転動防止用のブレーキを指して使われる。手(て)ブレーキとも呼ばれる。 - 自動車のブレーキ機構のひとつ。
サイドブレーキ、パーキングブレーキ(駐車ブレーキ)などと同義とされる。
自動車が馬車に取って代わるようになっても手動式ブレーキは使われ続けたが、主ブレーキが足踏み式になってから、「フットブレーキ」と区別する意味で「ハンドブレーキ」と呼ばれるようになった。また、「サイドブレーキ」の名称は、ブレーキ「てこ」がもともと車体側面に位置していたことによるとされている。
いずれも止めるための仕組みは摩擦ブレーキで、多くの場合、動作はてこ、ねじ、カムなどによって倍力される。
また、操作の伝達もロッドやケーブル、歯車やチェーンによる機械式となっている。
[編集] 自動車用
自動車の駐車ブレーキは、従来はブレーキレバーを手で上に引き上げたり、手前に引っ張り出したりしていたことから、「ハンドブレーキ」と呼ばれているが、最近はミニバンや高級セダンを中心に足踏み式が増えており、「ハンド」、「サイド」ともに実情にそぐわなくなってきたことから、カタログの表記などでは「パーキングブレーキ」・「駐車ブレーキ」という呼称に統一されている。
なお、厳冬期、特に降雪時の駐車の際には、凍結によってブレーキ解除が不可能になる恐れがあることから、駐車ブレーキを使わないことが推奨されている。(オートマチックトランスミッションではP位置にレバーをセットし、マニュアルトランスミッションではエンジン停止後、1速あるいは後退位置にセットする)
[編集] 鉄道車両用
鉄道創生時から各種鉄道車両には、圧力式ブレーキのほかに手でハンドルを巻き上げたり、貨車の一部では車両の側面にあるレバーを足で踏むタイプの手(手動)ブレーキが装備されている。しかし、1980年代頃から構造についての規制が緩和され、以降の車両では物理的なハンドブレーキは装備されていない。 E231系電車などはブレーキ管の空気圧が無くなった時にバネで作動させ、緩解に圧縮空気を込める。