バトル・ロワイアルII 鎮魂歌
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『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』(ばとるろわいあるツー レクイエム、略称BRII) は、深作欣二・深作健太の監督による133分の日本映画である。『バトル・ロワイアル (映画)』の続編にあたり、2003年7月5日から公開された。映倫により、前作同様R-15に指定されている。
これは前作の映画版の続編であり、前作の原作とは設定が異なっている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 |
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監督 | 深作欣二、深作健太 |
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脚本 | 深作健太、木田紀生 |
出演者 | 藤原竜也 前田愛 忍成修吾 酒井彩名 ビートたけし 末永遥 加藤夏希 前田亜季 竹内力 |
音楽 | 天野正道 |
撮影 | 藤沢順一 |
編集 | 阿部亙英 |
配給 | 東映 |
公開 | 2003年 |
上映時間 | 133分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 18.5億円 |
前作 | バトル・ロワイアル |
目次 |
[編集] 概要
製作発表時、深作欣二監督は前立腺がんの脊椎転移を告白、命ある限り、と完全燃焼を誓った。この様な状況の中、撮影は2002年12月16日から開始されたが、12月21日には深作欣二が遂に力尽き入院。翌2003年1月7日からは当面の監督代行として息子の深作健太が起用された。
しかし、2003年1月12日に深作欣二が死去。1月18日の撮影再開後は深作健太が正式に監督となり、同年4月11日に本編撮影を終了した。全編の中で深作欣二が担当したのは僅か1シーンである為、実質的には深作健太の単独作品となった。
この様な経緯の後に7月5日に公開された本作だったが、評判は観客・批評家共に決して芳しくなかった。又、公開当初、東映の岡田裕介社長によって40億円、50億円を狙うと豪語された興行収入は最終的に18億5000万円となり、目標を達成する事は出来なかった。続いて東映はデビルマン (映画)と最悪映画ランキングを更新してしまっている。
2004年の早い時期には前作に倣った再編集版『バトル・ロワイアルII 【特別篇】 REVENGE』が製作され、同年9月にDVDとして発売が予定されていた。しかし、同年6月に長崎小6女児同級生殺害事件が発生し、同事件の加害者女児が前作『バトル・ロワイアル』に熱中していた事が報道された為、東映ビデオは発売延期を決定。2005年2月21日に発売された。
因みに、出演している役者には平成仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズその他の特撮作品のOB・OGが多い他、この作品の公開後に特撮作品に出演した者も非常に多い。特にスーパー戦隊シリーズでは特捜戦隊デカレンジャーから轟轟戦隊ボウケンジャー迄3年連続でこの作品の出演者がレギュラー出演している。
[編集] ストーリー
「BR法」による殺人ゲームで勝ち残った七原秋也と中川典子があの島を脱出してから3年が経過し、世界はテロの時代に突入した。
七原は「BR法」が施行された後のBR優勝者や反BR法活動家により結成されたテロ組織「ワイルドセブン」のリーダーとなり、「首都庁舎爆破テロ」を実行、その犯行声明に於いて「全ての大人達に宣戦布告する」と宣言。子供達の「報復」を恐れた大人達は、正義の名の下に、「BRII」と呼ばれる新世紀テロ対策特別法を開始した。一方、3年前に七原に父を殺されたキタノシオリは、復讐を心に誓い、「BRII」への参加を志願。全国からの問題児が集まる、全寮制の鹿之砦中学校に編入する。
その冬のクリスマス、シオリを含めた3年B組の42名の生徒達は、スキー合宿へと向かうバスの中で軍に拉致されてしまう。軍服に着替えさせられ、担任である教師RIKIから「孤島に立て篭もった七原秋也を3日以内に見つけて殺害せよ!」との命を下され、強制的に戦争に参加させられてしまう。大人達の手によって再び子供達の戦いに巻き込まれた七原秋也と、”大人達に見捨てられた”生徒達の運命の火蓋が切って落とされた…。
[編集] 主なスタッフ
[編集] キャスト
[編集] 主要キャスト
- 七原秋也: 藤原竜也
- キタノシオリ: 前田愛
- 青井拓馬: 忍成修吾
- 浅倉なお: 酒井彩名
- 教師キタノ: ビートたけし
- 久瀬遙: 末永遥
- 桜井サキ: 加藤夏希
- 中川典子: 前田亜季
- 教師RIKI: 竹内力
[編集] 鹿之砦中学校3年B組 男子
- 男子01番 青井拓馬: 忍成修吾
- 男子02番 卜部秀悟: 柴木丈瑠
- 男子03番 葛西治虫: 坂本真
- 男子04番 黒澤凌: 伊藤友樹
- 男子05番 桜井晴哉: 勝地涼
- 男子06番 柴木雅実: 藤平涼二
- 男子07番 志村鉄也: 山田浩太
- 男子08番 城直輝: 原田健二
- 男子09番 田口正勝: 田中丈資
- 男子10番 名波順: 青木崇高
- 男子11番 長谷川達彦: 田村圭生
- 男子12番 日笠将太: 豊永利行
- 男子13番 保坂康昭: 池山孝明
- 男子14番 前薗健二: 上條公太朗
- 男子15番 槙村慎太郎: 黄川田将也
- 男子16番 皆本清: 遊木康剛
- 男子17番 宮台陽介: 山本一輝
- 男子18番 向井渉: 久保田武蔵
- 男子19番 森島達郎: 蛯名清一
[編集] 鹿之砦中学校3年B組 女子
- 女子01番 浅倉なお: 酒井彩名
- 女子02番 池田美希: 盛内愛子
- 女子03番 筧今日子: 神戸みゆき
- 女子04番 キタノシオリ: 前田愛
- 女子05番 久瀬遥: 末永遥
- 女子06番 鷺沢希: 佐藤翔子
- 女子07番 汐田早苗: 松本美千穂
- 女子08番 新藤理沙: 桂亜沙美
- 女子09番 戸塚保奈美: 中川愛海
- 女子10番 夏川結子: 金沢美波
- 女子11番 新見麗奈: 新舞りあす
- 女子12番 野坂真帆: 石井明日香
- 女子13番 蓮田麻由: 柳沢なな
- 女子14番 波多量子: 花田亜由美
- 女子15番 福田和美: あじゃ
- 女子16番 松木志穂: 松本真衣香
- 女子17番 三船夕佳: 坂口理香
- 女子18番 本村明日香: 長谷部瞳
- 女子19番 八木綾音: 菊地美香
- 女子20番 矢沢愛: 清水沙映
- 女子21番 谷野響: 宮尾知里
- 女子22番 夕城香菜: 森本ゆうこ
- 女子23番 善山絵里: 名雪佳代
[編集] ワイルドセブン
[編集] その他
[編集] ルール
- ワイルドセブン(=七原秋也率いるテロ集団)を壊滅させればその時に生き残っていた者全員が優勝者となり帰還できる。制限時間は3日間。この間に殲滅させなかった場合は全員の首輪を爆破させ、優勝者はなしとなる。
- 前作と最も異なるのが2人1組のチーム戦であるということである。基本的には男女出席番号の順によりチーム分けが行われる。
- 武器は「03式BR小銃」が全員に支給される。この銃はBRⅡ法の施行と同時に開発されたものであり、強化プラスチックを使用しているため中学生の体力で容易に取り回しが可能である。オプションとしてライフル・グレネードも用意された。装弾数30発、口径5.56mm、使用弾薬M885弾
- 弾薬は戦闘中にパラシュートで投下される。弾薬の箱には3種類存在する。
- あたり・・ライフル・グレネード(小銃に装備可能)40mm 6発、弾薬入りマガジン3つ(計90発)
- ガンバレ・・弾薬入りマガジン3つ(計90発)
- はずれ・・特製ティッシュペーパー3つ
- 参加者には強制的に首輪(正式名称:ソロモン2号)が装着される。前作で使用されていたカタルガナルシリーズは川田章吾にいとも簡単に解除されたため、ソロモンシリーズへと移行する。従来の機能は勿論、今回は2個で1組に設定されている。チームの片方の生徒が死亡、ないしは一定距離(50m)以上離れるともう片方の生徒の首輪も連動して爆発する。これらの機能はBR法改正に伴い、タッグ戦のために開発されたものと推測できる。殺傷力も従来のものに比べ強化されている。爆発の間隔はランダムであり、死亡感知、または爆破を指令する電波を感知してから1秒~255秒の間となる。
[編集] ノベライズ
本作品の杉江松恋によるノベライズが太田出版より出版されている。基本的には映画の脚本に準じた内容であるが、映画では為されなかった登場人物に関するエピソードが多く盛り込まれ、映画には全く無かった、ワイルドセブンの結成に至る迄の経緯等も追加されている。しかし逆に、映画では生き延びたメンバーがアフガニスタンで再会するシーンで終わるが、ノベライズでは七原と青井が崖っぷちで海に飛び込むシーンで終わっている。
- バトル・ロワイアルII 鎮魂歌(太田出版)ISBN 4-87233-775-1
- バトル・ロワイアルII 外伝 3-B 42 Students(太田出版)ISBN 4-87233-922-3
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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