ベルンハルト・ランダウアー
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ベルンハルト・ランダウアー(オーストリア人による発音は《ベルンハルド・ランダワ》が近いという。Bernhard Landauer, 1970年7月20日生まれ)は、オーストリア共和国チロル州 インスブルック市出身のカウンターテナー(声楽家、男声アルト)である。
インスブルック市のヴィルテン修道院にはヴィルテン少年合唱団があるが、少年時代のベルンハルト・ランダウアーはこの合唱団に所属し、数々のコンサートや音楽劇でボーイソプラノのソロ・パートを歌って舞台経験を積んだ。その後、ウィーンの国立音楽大学で声楽を専攻し、ヘレネ・カルッソ Helene Karusso とクルト・エクヴィルツ Kurt Equiluzに師事した。さらにまた、ドイツ、フランクフルトでカール・ハインツ・ヤリウス Karl-Heinz Jarius の教えを受けた。
古楽(アーリー・ミュージック)を歌うことはもちろんであるが、カウンターテナーのレパートリーには珍しい文学もの(歌曲や歌劇)を研究し、歌唱表現するということにも熱意を持って取り組んでいる。これまでに歌ってきたこの種類のレパートリーには、シューベルトの歌曲集「冬の旅」や、リヒャルト・シュトラウス の歌曲集「商人の鑑(かがみ)」、ムソルグスキーの歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」(フョードル役)、また、ベンジャミン・ブリテンの歌劇「夏の夜の夢」(オベロン役)などがある。アルフレット・シュニトケ Alfred Schnittke 作品の初演など、現代音楽もまた、彼の活動において常に重要な部分を占めている。
ランダウアーはヨーロッパ中のコンサートハウスや歌劇場で歌い、数々の著名なオーケストラや、また、トーマス・ヘンゲルブロック Thomas Hengelbrock、ルネ・ヤーコプス René Jacobs、ロバート・キング Robert King、トン・コープマン Ton Koopmanといった音楽家たちと共演してきた。60枚以上のCD録音がある。
1998年、ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮ドイツ・バッハ・ゾリステンによるバッハ『ロ短調ミサ曲』のツアーにソリストとして参加、初来日。仙台、盛岡、東京、岡山の公演で好評を博す。
ランダウアーは2000年よりオーストリアのザルツブルク市を居住地とし、ヨーロッパ中で活動を続けている。