ミルトン・フリードマン
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ミルトン・フリードマン(Milton Friedman, 1912年7月31日 - 2006年11月16日 )はニューヨーク生まれの経済学者。20世紀後半の主要な保守派経済学者の代表的存在で、戦後、貨幣数量説であるマネタリズムを蘇らせ反ケインジアンの宗主として今日の経済に多大な影響を与えた経済学会の巨匠。レーガノミックス(レーガン政権)や英国のサッチャー政権の経済政策の理論的支柱を提供した。 奨学金を得て15歳の若さで高校を卒業、ラトガーズ大学で学士、シカゴ大学で修士、コロンビア大学でサイモン・クズネッツ (1971年ノーベル経済学賞受賞)の指導を受け博士号を取得。コロンビア大学と連邦政府で働き、後にシカゴ大学の教授となる。シカゴ学派のリーダーとしてノーベル賞受賞者を含め多くの経済学者を育てた。マネタリストの代表者と見なされ、政府の財政政策に反対する。政府の財政政策によってではなく通貨供給量と利子率によって景気循環が決定されると考えた。1951年ジョン・ベーツ・クラーク賞、1973年米経済学会会長、1976年にノーベル経済学賞を受賞。1988年にはアメリカ国家科学賞と大統領自由勲章を授与されている。頭の回転が速く議論好きで討論に長けていたことで知られる。主著は『資本主義と自由』。
2006年11月16日 、心臓疾患のため自宅のあるサンフランシスコにて死去。
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[編集] 邦訳著作
[編集] 単著
- 『消費の経済理論』(巌松堂, 1961年)
- 『貨幣の安定をめざして』(ダイヤモンド社, 1963年)
- 『インフレーションとドル危機』(日本経済新聞社, 1970年)
- 『価格理論』(好学社, 1972年)
- 『資本主義と自由』(マグロウヒル好学社, 1975年)
- 『実証的経済学の方法と展開』(富士書房, 1977年)
- 『インフレーションと失業』(マグロウヒル好学社, 1978年)
- 『政府からの自由』(中央公論社, 1984年/中公文庫, 1991年)
- 『貨幣の悪戯』(三田出版会, 1993年)
[編集] 共著
- (W・W・ヘラー)『インフレなき繁栄――フリードマンとヘラーの対話』(日本経済新聞社, 1970年)
- (N・カルドア, R・M・ソロー)『インフレーションと金融政策』(日本経済新聞社, 1972年)
- (ローズ・フリードマン)『選択の自由――自立社会への挑戦』(日本経済新聞社, 1980年/講談社[講談社文庫], 1983年/日経ビジネス人文庫, 2002年)
- (ポール・A・サミュエルソン)『フリードマンとサミュエルソンの英文経済コラムを読みとる』(グロビュー社, 1981年)
- (ローズ・フリードマン)『奇跡の選択』(三笠書房, 1984年)
- (ジェームズ・M・ブキャナン)『国際化時代の自由秩序――モンペルラン・ソサエティの提言』(春秋社, 1991年)
[編集] 関連項目
[編集] 外部へのリンク
カテゴリ: アメリカ合衆国の経済学者 | ノーベル経済学賞受賞者 | ユダヤ系アメリカ人 | シカゴ学派 | 1912年生 | 2006年没