メタモルフォーゼン
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『メタモルフォーゼン~23の独奏弦楽器のための習作』(Metamorphosen Studie fur 23 Solostreicher)はリヒャルト・シュトラウス作曲による楽曲で、第二次世界大戦でドイツが敗れた1945年に作曲された。『変容』とも訳されることがある。
目次 |
[編集] 作曲の経緯
- ナチス・ドイツ崩壊直前の1945年3月13日から4月12日にかけて、ミュンヘン近郊のガルミッシュ=パルテンキルヒェンにあった作曲者の山荘で作曲された。
[編集] 初演
リヒャルト・シュトラウスはこの曲を自らの死後発表しようと考えていたようだが、パウル・ザッハーの手にゆだねて生前の初演を許した。
[編集] 音楽
- シュトラウスは第2次世界大戦によって祖国ドイツが崩壊する様を目の当たりにした。美しかったドイツの町並みや農村、歌劇場などが瓦礫と化す様、失われていくドイツの歴史やよき伝統への惜別を、ベートーヴェン作曲の交響曲第3番「英雄」の第2楽章「葬送行進曲」のテーマをモティーフに描いている。
- 楽器編成はヴァイオリンからコントラバスまでの弦5部であるが、それぞれが独立した23のパートで作曲されている。書法は緻密を極めている。
- 曲の終末9小節に『In Memorium』と書き込まれ、そこから前記ベートーヴェンの葬送行進曲の冒頭が表れ、この曲がドイツの死を悼む音楽であることが明かされる。若き日のシュトラウスが交響詩「死と変容」で描いた空想の死・個人の死ではなく、現実の死・一つの国家の死を描いた悲痛きわまりない死の音楽である。
- 曲中にはベートーヴェンの英雄交響曲の葬送行進曲の他に、自作の交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」や楽劇「ナクソス島のアリアドネ」、リヒャルト・ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」からのモティーフも引用されているといわれる。
[編集] 編成
23名の弦5部だが、通常の弦5部ではなく、各パート独立の23段スコアに書かれている。