ヴァンフォーレ甲府の2005年シーズン
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この項は2005年にヴァンフォーレ甲府がJリーグディビジョン1へ昇格が決まるまでの流れを記載したページである。
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[編集] 第41節まで
[編集] 第42節
4位につけていたヴァンフォーレ甲府は5位・コンサドーレ札幌と11月23日に札幌ドームにて対戦。試合は前半19分に札幌のFW清野智秋が先制点を挙げる。しかし甲府も前半39分にFW長谷川太郎のゴールで追いつき1-1で前半を折り返す。
後半に入り早々の48分、札幌のMF砂川誠がゴールを決め1-2と逆転。その後甲府も攻めるものの疲れからか思うように得点を挙げられず後半ロスタイムに突入する。一方仙台スタジアムでは3位を走っていたベガルタ仙台が水戸ホーリーホックに3-0で勝利。この時点で札幌のJ1昇格の可能性が消滅。また甲府もこのまま負けると仙台との勝ち点差が残り2試合で4に広がり、昇格の可能性が絶望視されていた。
しかしロスタイム早々、パスを受けた甲府FW長谷川太郎がDFをかわし右側から押し込み2-2の同点とする。勝利を目前として追いつかれ、また昇格の可能性が消えたことを知った札幌守備陣がここで落胆。それから間もなくして、右側から甲府MF藤田健がゴールめがけてロングパスを送る。そこへ後半途中から入ったFW須藤大輔が頭で押し込み3-2と逆転。更にクリアボールを処理ようとした札幌GK林卓人がゴールキックをDFに当ててしまい、流れたボールを須藤が押し込み4-2とする。そしてホイッスルが吹かれ、甲府が勝利し、3位仙台との勝ち点差1のまま残り2試合を戦うことになった。
[編集] 第43節
ホーム山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場で行われた第43節アビスパ福岡戦。0-5で大敗を喫す。しかし、ベガルタ仙台も敗れたため、入れ替え戦への出場権は最終節に持ち越しとなった。試合後大木武監督はサポーターに対し、「まだ1試合残っています。もっと言えばあと3試合残っていると思います。」と入れ替え戦への意欲を口にした。
[編集] 第44節
アウェイ京都・西京極陸上競技場で行われたリーグ最終節京都パープルサンガ(現サンガFC)戦。この年、圧倒的強さでリーグを制した京都はコーナーキックからFW田原豊のヘディングシュートで先制。しかし、甲府も前半40分長谷川太郎が相手DFのパスミスからのドリブルシュートを決め、同点に追いつく。長谷川はこのゴールでJ2日本人得点王となった。 一方、アウェイでアビスパ福岡と対戦したベガルタ仙台は後半開始直後、福岡に先制点を許すものの、村上のゴールで同点に追いつき、そのまま引き分けに終わる。 甲府は後半40分、藤田健のFKをアライールが頭で合わせてシーズン初ゴールを決め、逆転に成功。(なお、アライールは翌2006年はJ1で無得点に終わり、2007年シーズン前に退団したため、Jリーグでの最後の得点となった。) しかし、後半ロスタイムに杉山新が抜け出した相手選手を自陣ペナルティエリア付近で倒し、一発レッドカードで退場、ペナルティエリア付近からのFKを与えてしまう(PKかFKか微妙な位置だった)。杉山が責任を感じ、ベンチで涙する中、このFKがポストに当たりピンチを脱すると、そのまま勝利。勝ち点1差で仙台を逆転し、入れ替え戦出場権を得た。この試合がこの年、京都戦初勝利であった。
[編集] 入れ替え戦第1戦
ホーム小瀬スポーツ公園陸上競技場で行われたJ1・J2入れ替え戦、相手はこの年のJ1・16位、柏レイソル。柏は2年連続での入れ替え戦となった。リーグ最終節での退場により杉山新は出場停止。 悪天候のなか、先制したのは柏。セットプレーからFWレイナウドがゴールを決める。甲府はDFアライールのフィードをFWバレーが折り返し、最後はキャプテン・MF倉貫一毅が決めて同点に追いつく。 後半開始直後、甲府は藤田健のロングスローから相手ゴールにたたみかけ、最後はバレーが決め、逆転に成功。その後は柏ペースで試合が進むが、最後まで守りきり甲府が先勝した。なお、試合終了直前、競技場が停電するというハプニングがあった。
[編集] 入れ替え戦第2戦
日立柏サッカー場で行われた第2戦。先制したのは甲府。杉山新のシュート気味のクロスからバレーが決めた。さらにMF石原克哉の突破からPKを獲得し、バレーが決め2-0で前半を折り返した。 後半、FWレイナウドに1点を返されるものの、バレーが3点を追加。FW宇野沢祐次に1点を返されるが、さらにバレーがこの試合6点目を決めて勝利。ダブルハットトリックはJ史上初の快挙。 2戦合計8-3で甲府がJ2初の入れ替え戦によるJ1昇格を果たした。 終了間際には、この年限りで退団が決まっていた甲府DF青葉幸洋が投入された。 試合後、レイソルの早野宏史監督は数時間にわたってサポーターからのブーイングを受けた。