ヴィオール属
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ヴィオール属は、弦楽器の系統のひとつ。現在では、古楽器としてヴィオラ・ダ・ガンバが知られる。
弦楽器としての発祥は、15世紀スペインといわれ、16世紀初頭にはほぼ形が定まった。イタリアでヴァイオリン属が発達するにつれて、それに押されるようにイギリス、そしてドイツ・フランス圏に広がっていった。バロック音楽の時代まではヴァイオリン属と共存していたが、古典派の時代となり、クラシック音楽が王侯貴族のサロンから大衆向けのコンサートホールへと大規模化していくのにしたがって、ヴァイオリン属に取って代わられ、18世紀にはほとんど使われなくなった。
[編集] ヴィオール属の特徴とヴァイオリン属との違い
概ね以下のような特徴と違いがある。
- 各弦の調弦 ヴィオール属は通常4度のところギターのように3度をはさむ。リラ・ヴァイオルやヴィオラ・バスタルダの場合は、多様で、この限りにあらず。ヴァイオリン属では完全5度調弦。
- 弦の数 特に定まっていないが基本的にはヴィオール属が6本、但しトレブルやパルデゥシュでは5弦、バスでは7弦のことがある。また、共鳴弦を持つ楽器も存在する。ヴァイオリン属は4本。
- 指板のフレット ヴィオール属はガット(羊の腸)製の紐などを巻いた、従って移動により音程調整可能なフレットがあるが、ヴァイオリン属にはない。
- 胴の形 ヴィオール属は「なで肩」で中央のくびれが小さい。
- 表板の穴 ヴィオール属はC型が多い。オーストリアの製作家Stainer などはf型。ヴァイオリン属はf型。
- 裏板の形状 ヴィオール属は平面。ヴァイオリン属は曲面で中央が膨らんでいる。
- 駒の形状 ヴァイオリン属の駒の、弦が乗る部位の湾曲よりもヴィオール属のそれは緩やかで、重音奏法が容易。
- 音質 渋く甘く軟らかい、繊細な響きが特徴。反面、音量が乏しく、華やかな技巧や多彩な表現には向かないと言われるが、音色の微細な変化は奏者の良しとするイメージによるところが大きく、ここは奏者の感性が問われるところである。
[編集] コントラバス
コントラバスは、ヴィオール属のヴィオローネ(大きなヴィオラの意)という楽器が原形となっているが、ヴァイオリン属との融合がすすみ、現在では分類が曖昧になっている。ヴァイオリン属だと主張する人もいればヴィオール属だと言う人もおり、さらにはその中間に位置づける人もいる。4度の調弦や「なで肩」の形状、弓の形状や持ち方(ジャーマン式)、5弦の楽器もあることなどに、ヴィオール属の面影をとどめている。