乳酸
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L-乳酸 | |
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一般情報 | |
IUPAC名 | 乳酸(許容慣用名) 2-ヒドロキシプロパン酸 |
別名 | α-ヒドロキシプロパン酸 |
分子式 | C3H6O3 |
分子量 | 90.08 g/mol |
組成式 | |
式量 | g/mol |
形状 | 無色固体 |
CAS登録番号 | [50-21-5] [79-33-4](L(S)体) |
SMILES | CC(O)C(=O)O |
性質 | |
密度と相 | g/cm3, |
相対蒸気密度 | (空気 = 1) |
水への溶解度 | |
への溶解度 | |
への溶解度 | |
融点 | 52.8 ℃(D体, L体) 16.8 ℃(DL体) |
沸点 | ℃ |
昇華点 | ℃ |
pKa | 3.86 |
pKb | |
比旋光度 [α]D | +2.6 (c = 2.5, 21-22 ℃) |
比旋光度 [α]D | |
粘度 | |
屈折率 | ( ℃) |
出典 |
乳酸(にゅうさん、lactic acid)は有機化合物で、ヒドロキシ酸の一種。IUPAC置換命名法では 2-ヒドロキシプロパン酸(2-Hydroxypropanoic acid) と表される。化学式 C3H6O3、示性式は CH3-CH(OH)-COOH で分子量 90.08。pKa 3.86。L-(+)-乳酸((S)-乳酸)のCAS登録番号は [79-33-4]。D-(−)-乳酸((R)-乳酸)は[10326-41-7]。ともに融点は 52.8 ºC、DL 型(ラセミ体)はCAS登録番号 [598-82-3]、融点は 16.8 ºC。天然にはD体が多く存在する。
L-乳酸は解糖系の最終生成物である。急激な運動などでは筋肉の細胞内でエネルギー源として糖が分解され乳酸が蓄積する。疲労物質と呼ばれることもあるが、乳酸だけでは疲労を説明できない。むしろエネルギー供給源であり、筋機能を高める役割があるという研究結果も報告されてきている。
炭水化物を分解して乳酸を合成(乳酸発酵)する微生物を総称して乳酸菌と呼ぶ。乳酸はヨーグルトやチーズ、バター、漬物、日本酒などさまざまな加工食品に含まれており、乳酸菌は食品工業に応用されている。
[編集] 誘導体
乳酸を加熱することで縮合・2量化し、ラクチドを形成する。また乳酸の水酸基とカルボキシル基がエステル結合を作って長くつながったものがポリ乳酸であり、生分解性プラスチックとして注目を集めている。
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