仮面ライダースナック
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仮面ライダースナック(かめんライダースナック)とは、菓子メーカー・カルビー製菓(現・カルビー)が仮面ライダーを題材としたカードをおまけとしてつけたスナック菓子のことである。後に「カルビースナック 仮面ライダー」と改名された。
初めて発売したのは、仮面ライダー放映開始の年1971年のこと。 1袋(20円)に1枚のカードが付いており、カードには仮面ライダー・怪人、劇中の場面などが印刷されており裏にはナンバーと表の写真に関するデータが印刷されている(例えば表が怪人の写真ならばその怪人の出身地などが書かれている)。
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[編集] 仮面ライダーというブームの中
1971年の年末、仮面ライダーが世の子供達の中でブームになっている頃、関東・関西の大都市圏のみで「仮面ライダー スナック」として売り出された。 発売してすぐに店では品切れ状態となりすぐさま人気商品となった。 そしてその翌年の1972年4月に全国で販売を開始。これも的中し、日本中の男の子を虜にした。
[編集] ライダーカードがもたらした新しい要素
この商品が発売される前からブロマイドと呼ばれる「5円引きブロマイド」が子供達の中で流行っていた。 このブロマイドには当時放映されていたウルトラマンなどのヒーロー・アニメのキャラクターが印刷されていた。 ライダーカードとの大きな違いは、裏にある。ライダーカードの裏にデータが書かれているのに対しブロマイドの裏にはなにも書かれていない真っ白の状態であり表をみて楽しむことしかできない。ライダーカードは、裏に様々なデータが印刷されており「図鑑要素」が盛り込まれていることになり仮面ライダーのことをもっと知りたくなりまた欲しくなる。そんな子供心をつかんだ画期的なアイデアであった、また「コレクション要素」というものも人気の秘密にある。上記に記したようにライダーカードには、データの他にナンバーが印刷されている。子供は、カードをコンプリートするために抜けているナンバーのカードを手に入れようと買う、このような要素が人気の裏にあったといえる。
[編集] ラッキーカードの存在
ライダーカードの魅力として「ラッキーカード」の存在がある。 このカードが当たり、裏に書かれたカルビー製菓ライダー係の住所(宇都宮市と広島市の住所が書かれている)宛にラッキーカードを送るとライダーカードを収納できる「ライダーカードアルバム」が送られてくるシステムである。 (住所の下には、カードの有効期限も書かれていた) このカードは、店側に届いた際は、通常カードとは別にされている為になかなかラッキーカードが当たらない子供をみかねた店主がラッキーカードの入ったパックをあげたということがしばしばあったようだ(もちろん子供は通常カードとラッキーカードが別々になっていることは知らない)
[編集] エラーカードと事態の原因
ライダーカードには「エラーカード」と呼ばれる制作上のミスの為に印刷にそのまま、まわされたり印刷上のミスのあるカードがある。 No,200前後までのカードに見受けられるもので、エラーカードの特徴としてカード表の写真が左右逆に印刷されていること、裏の情報が表とは違うナンバーと解説になっていることなどがあり、裏表が違うカードならすぐにわかるが表の写真が左右逆の場合は、パッと見わからないようにみえるが、これは怪人であればベルトのショッカーマークが左右逆であったり(カニバブラーなど左右非対称だと見分けやすい)ライダーバイクのマークの「R」が逆になっているなど小さな部分に目を付けるとエラーカードかだいたい見分けられる(風景や地面の草・岩なども手がかりになる) 上記のエラーの他にも裏に書かれた文字が異常に下に印刷されていたりズレているエラーカードなど何種類かミスが確認されている。 なお現在このエラーカードは、ラッキーカード同様ネットオークションなどで高値で取引されておりファンの中では大変貴重な資料として注目されている。
この様な「エラーカード」が世に出回ってしまった原因として「新カード制作に追わていた」ということが挙げられる。 これは「仮面ライダースナック」の予想以上の売上げでカルビー側での新カード制作が慌しくなり印刷まで目が届かないままエラーカードがそのままパック詰めされ出荷されてしまったということである。 しかし「仮面ライダー」の撮影が2週間で2本撮りというスケジュールに合わせ現場にカメラマンを派遣し半月で2話分の構成がなされたカードを追加するシステムをとるなど工夫をこらした結果、体勢が整い「子供が新しい情報を欲しがっている」ことに重視した結果ゲルショッカー出現~壊滅までを放映前にどこよりも早く子供達に報道したのである。
[編集] 社会現象と問題
この「仮面ライダー スナック」の予想外の売上げはカルビー側にとって手放しでは喜べない問題が起こった。スナックを買った子供がカードだけをとり菓子を捨ててしまうということが全国で報告され始めたのである。これはマスコミで報道され、社会問題となり全国の主に小学校を中心に朝礼などで校長が「ライダースナックの菓子は買ったらきちんと食べなさい」と全校生徒の前で注意・呼びかけをする事態となってしまった。さらにこの捨てられた菓子を回収し子供の親などに転売(もちろんカードなし)する小売店も出てきた。この問題の原因は、スナックをまとめ買いした子供が全て食べきれず捨ててしまったりと理由は数あるが、このスナックは「まずい」と評判で子供も受け付けない甘口だった為に捨てられたという理由もある(パッケージには「かっぱえびせん姉妹品」と書かれていた)
この問題と同じことが1980年代でも起こっている(ビックリマン#ビックリマンチョコと社会問題を参照)
[編集] 最終的な売上げ
販売終了は「仮面ライダー」終了ほぼ1ヶ月前の昭和48年1月まで(放送が遅れていた地域ではこの時期より後まで販売されていた)であり様々なアイデアと戦略で爆発的な売上げを記録した「仮面ライダー スナック」は、最終的な売上げは、4億袋とも6億袋ともいわれている。 つまり単価20円のお菓子が2年たらずで80~120億円以上の売上げを記録したことになる。 また、その後放送された「仮面ライダーV3」もカード化されたが「仮面ライダー スナック」の売上げには程遠いものだった。
[編集] ライダーカードの復刻
1999年にライダーカードを復刻した「仮面ライダー チップス」が発売されその後も2003年(No,217~No,546)が復刻された。カードの大きさは、当時のカードより大きくなっている。 なお上記に記した「エラーカード」や「ラッキーカード」も復刻され「ラッキーカードを送るとアルバムがもらえる」というシステムもなされた(「新カードコレクション」という市販のチップス内で復刻できなかったカードや新たに発見されたエラーカードを復刻したカードなどがセットにされたBOXがもらえるキャンペーンも実施された)。