修羅の門
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『修羅の門』(しゅらのもん)は、川原正敏の格闘漫画。月刊少年マガジンに連載されていた。
目次 |
[編集] 概要
時代の影に隠れ、殺法を極限まで極め、無手による戦いで無敗を誇る一子相伝の武術「陸奥圓明流」の継承者陸奥九十九の活躍を描く。テーマの1つに「活人拳」に対するアンチテーゼを作者はあげている。単行本は2007年4月時点で、31巻まで刊行されている。31巻の巻末後書きによれば作者に送られた手紙で第4部の結末を批判され、読者からの予想だにしない反応に相当こたえたらしく、伏線として示唆されていた九十九の実父との対決を見ることはなくその物語を中断してしまった。
九十九に連なる陸奥圓明流の祖先達を描いた作品として、『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』があり、こちらは後継連載の『海皇紀』と時々交代する形で現在も新作が発表されている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 第一部
[編集] あらすじ
実戦空手の総本山ともいうべき神武館を「ぶったおしてこい」と祖父に言い含められて東京に送り出された陸奥九十九は、神武館道場を見つけられず迷っていた折に、一人の学生と思しき少女に道を尋ねる。
二人が神武館道場に到着すると、一人の男の前に館長代理・大原が血を吐いて倒れていた。毅波秀明と名乗る道場破りは館長代理を斃したのだから看板を貰っていくという。少女に事の成り行きを説明する道場の女性。少女は武神として名高い神武館館長・龍造寺徹心の孫娘・舞子であった。徹心が不在の中、看板を守るために舞子がその相手に気丈にも名乗り出る。だがそれを阻んで九十九が毅波と戦う。舞子の予想に反して終始圧倒する九十九。そこに徹心が帰宅し毅波は退散する。九十九の祖父、陸奥真玄からの手紙を読んだ徹心は九十九の居候を認める。
一連の話を聞いて面白く思わない神武館指導員・木村の挑発に百人組み手を買って出る九十九。百人全てを倒した九十九は続けて木村と対戦。木村の腕を極めた九十九は躊躇なくその腕を折り、返り討ちにする。その後九十九は、木村は全日本選手権の五位だったこと、その上に四鬼竜と呼ばれる上位四人がいることを聞き、四鬼竜・徹心の五人に照準を絞る。
木村の敗北を聞き各支部に散っていた四鬼竜が続々と九十九のいる本部に集結。そのまま対戦することと相成る。
増畑、泉と順調に四鬼竜のうち二人を倒すが三人目の陣雷戦で不意をつかれ目を負傷する。目の見えない中、万策尽きて玉砕覚悟で間合いのない状態に持ち込んだかに見えた九十九だったが、倒れたのは陣雷だった。その原因を奥義・無空波だと察知する徹心。陣雷を倒した勢いのままに最後の一人である海堂に挑もうとする傷だらけの九十九を、その死を恐れた舞子が止めに入る。必死の制止に二人の戦いは一時水入りとなった。
『徹心が以前に九十九の祖父の陸奥真玄と戦い、無空波をくらって敗れたこと』『無空波をやぶる方法は無く、くらえば必ず負けること』を徹心から聞いた海堂は「どうする?」という徹心の問いかけにこう答える。 「ならばくらいません。かわします」そして体に密着したボウガンの矢をかわす訓練を始めるのだった。天才はついに矢鏃のついたボウガンの矢をかわすことに成功し、海堂の無空波対策はここに完成をみる。
対決の刻。果して海堂は無空波をかわせるのか。そして九十九は勝利できるのか。
[編集] 登場人物
- 陸奥九十九(むつ つくも)
- 本編の主人公。陸奥圓明流伝承者。自分の代で陸奥圓明流を終わらせるべく圓明流千年の夢『最強の証明』のために表に出てきた。一見、明るくて爽やかな好男子のように見えるがその実、飄々として雲のように掴み所がない少年。
- 龍造寺舞子(りゅうぞうじ まいこ)
- 本編のヒロイン。徹心の孫娘。九十九に惹かれていく。
- 龍造寺徹心(りゅうぞうじ てっしん)
- 神武館の館長。"生ける武神"と呼ばれる。モデルは大山倍達だが、その髪型は『鉄腕アトム』に登場するお茶の水博士である。陸奥真玄と戦って敗れたことから神武館を作り、陸奥を破るために戦ってきた。
- 海堂晃(かいどう あきら)
- 神武館・四鬼竜の一人。神武館全国大会優勝。全編を通して九十九の最大のライバルの一人。
- 陣雷浩一(じんらい こういち)
- 神武館・四鬼竜の一人。神武館全国大会準優勝。"ハリケーンソルジャー"の異名通りなりふり構わないファイトスタイルを特徴とし、九十九との戦いでもその名に恥じぬ闘いを見せる。
- 泉敏彦(いずみ としひこ)
- 神武館・四鬼竜の一人。神武館全国大会四位。"鳥人泉"と呼ばれて身の軽さを生かした蹴り技を得意とする。ただし、パワーはあまりない。
- 増畑大志(ますはた だいし)
- 神武館・四鬼竜の一人。神武館全国大会三位。"北の重戦車"と呼ばれていて体格とパワーを生かした攻撃を得意とする。
- 木村(きむら)
- 神武館本部指導員。神武館の実力者であり神武館全国大会五位。神武館の人間として最初に九十九と闘うが、腕を折られる。このキャラのみ名前が無いのは、元はあったが作者が忘れてしまったという事である。
[編集] 第二部
[編集] あらすじ
九十九の道場破りをきっかけにして始まった、全日本異種格闘技選手権における話。この話で九十九の兄殺しのエピソードが語られる。またここで存在が明らかになる不破圓明流の起源は『修羅の刻』で明かされた。
[編集] 登場人物
- 陸奥九十九(むつ つくも)
- 主人公。四鬼龍を倒した後、徹心を中心に始まった全日本異種格闘技選手権に出場。ほとんどの選手のターゲットとなり選手権の台風の目となる。
- 龍造寺舞子(りゅうぞうじ まいこ)
- 苛烈な連戦に苦戦する九十九を必死に応援する。
- 不破北斗(ふわ ほくと)
- 九十九の遠縁にあたり、陸奥圓明流の分家、不破圓明流伝承者。第二部の最強のライバル。
- そして、九十九の中に眠る獣(竜)を目覚めさせた人物。
- 全日本異種格闘技選手権に参加。一回戦から準々決勝までは、不戦勝や相手の負傷欠場によって準決勝まで勝ちあがったため、さして注目されることはなかったが、準決勝で優勝候補であった龍造寺徹心を倒してからは俄然注目されるようになる。決勝戦では陸奥九十九を圧倒し、一時は殺す寸前までに行くが最終的には四門・朱雀で倒されて死亡。
- 二回戦で戦った相手を一瞬でしとめたり、龍造寺徹心との戦いではファーストショットでいきなり圓明流の技を使用し瀕死の重傷を負わせたり、相手が死ぬことを承知で殺し業を仕掛けたりと人を人と思わない冷酷非情な人物。徹心の弟子である海堂晃からは「九十九は日本刀のように清冽で感動させるが不破はマシンガンのようにただ人を殺すだけで感動がない」と評されていた。
- しかし、その一方で九十九に選手権に参加したを理由を問われると「不破圓明流が格闘界を支配するため」と答えたり(それは陸奥真玄によって否定されている)、奥義・神威で一旦は九十九を殺しかけた時、とどめを刺さずに勝利を確信して立ち上がり、九十九からとどめを刺さない詰めの甘さを指摘されるなど、そこはかとない未熟さを露呈していた。兄を殺した過去を持つ九十九の事を「人を殺せぬ男」と言っていたが、北斗自身は人を殺した事は無かった。
- 片山右京(かたやま うきょう)
- 鬼道館のNo.1。全日本鬼道杯大会一位。"氷の貴公子"の異名を取る天才。抜群のセンスと驚異的な見切りを持ち、見ただけでその技を使いこなしてしまう天才ぶりで、九十九との戦いでは牙斬を模倣し、龍破でさえも迎撃することに成功するが必殺技の菩薩掌を破られたその時、生まれて初めての恐怖を味わうこととなった。
- 龍造寺徹心(りゅうぞうじ てっしん)
- 全日本異種格闘技選手権を主催。九十九と対戦すべく自身の出場を決める。圧倒的な格の違いで連勝し準決勝進出を決めるが・・・。
- 飛田高明(ひだ たかあき)
- プロレスラー。超過激プロレスを提唱し、対戦相手に怪我をさせ謹慎処分中。プロレス界最強の男。"新格闘王"の異名をとる。前田日明がモデルとされるが確証はない。28歳、195cm、120kg。プロレスの地上最強の証明の為に参戦。キック・パンチは当然ながらサブミッションは超一流。以前にマーシャルアーツのチャンピオンとの異種格闘技戦の経験あり。準々決勝で九十九と対戦。圧倒的なパワーとフランク・クラウザー直伝のサブミッションで九十九を追い詰める。
- 羽山悟(はやま さとる)
- シュートボクサー。次代のシュートの星。19歳。既に師匠のライガー剛よりも強いと噂される。第二回戦で九十九と対戦。大恩あるライガー剛率いるシュートボクシングの発展のために負けられない戦いにグローブをはずして戦いに臨む。モデルは佐山聡。
- 竹海直人(たけみ なおと)
- キックボクサー。"キックボクシング界の宮本武蔵"。ストイックな性格。初戦で九十九と対戦。キックボクサーとしての誇りを胸にグローブをつけたまま戦う。
- 海堂晃(かいどう あきら)
- 第一部の九十九との対戦で負傷。病院から退院許可が下りるも全日本異種格闘技選手権への出場は見送り、第二部では舞子とともに九十九の戦いを見守る。
- 陣雷浩一(じんらい こういち)
- 第一部の九十九との対戦で胸が陥没する重傷を負うが、九十九の戦いを見る為に病院を自主退院して武道館に駆けつける。
- 木村(きむら)
- 第一部で九十九に敗れて後、完全に九十九の応援に回る。
- フランク・クラウザー (Frank Crowther)
- "プロレスの神様"。飛田高明の師匠。以前に徹心と対戦し敗れている。九十九をミラクルボーイと呼ぶ。モデルはやはり"プロレスの神様"の異名で知られるカール・ゴッチで、ネーミングの由来はカール・ゴッチのリングネームの元になったフランク・ゴッチと、カール・ゴッチ初来日時のリングネーム「カール・クラウザー」の合成と思われる。
- 谷山(たにやま)
- 格闘マガジンの記者。九十九の強さに惹かれ、以後応援団長を自認する。
- 鬼頭撻馬(きとう たつま)
- 鬼道館の館長。九十九に敗れた神武館をバカにするが後にそれが間違いだったことを思い知らされる。
- ライガー剛(Liger つよし)
- 現シュートボクシングチャンピオン。羽山の師匠。モデルはシーザー武志。
- 陸奥真玄(むつ しんげん)
- 陸奥圓明流先代伝承者。九十九の祖父。
- 陸奥冬弥(むつ とうや)
- 九十九の実兄。真玄の後に陸奥圓明流の名を継ぐ予定であったが、陸奥の名を懸けた九十九との仕合で死亡。その死は、その後の九十九の人生に大きく影を落とす。
- 陸奥静流(むつ しずる)
- 九十九と冬弥の母。冬弥の死後、病死。
- 不破幻斎(ふわ げんさい)
- 不破圓明流先代伝承者。北斗の父。
- 伊達光院(だて こういん)
- 桜華流拳術拳士。初戦で徹心と対戦。
- 秋山虎二郎(あきやま こじろう)
- 戦闘空手・無道塾の空手家。"九州の虎"。
- 泰山大悟(たいざん だいご)
- 柔道家。
- 奥寺鉄二(おくでら てつじ)
- 鬼道館のNo.2。全日本鬼道杯大会二位。"鬼道館の狂い獅子"。柔道も三段を持つ筋肉隆々のパワーファイターで打撃と投げを連携させた技を得意とする。
- 日向高文(ひゅうが たかふみ)
- 鬼道館のNo.3。全日本鬼道杯大会三位。"超爆"の異名を持つ気性の荒い男。
- 久嶋孝(くしま たかし)
- 鬼道館のNo.4。全日本鬼道杯大会四位。"足技の魔術師"の異名を持つ。長身で足技が得意。蛇連脚という必殺技を持つ。
- 五十嵐利和(いがらし としかず)
- スポーツノンフィクションライターで格闘技評論家。全日本異種格闘技選手権の解説を務める。格闘技観戦歴20年。マガジンの五十嵐隆夫元編集長がモデルでこれ以降、類似キャラが手を変え品を変え登場する。
[編集] 第三部
[編集] あらすじ
全日本異種格闘技選手権で勝利した九十九は、アリオス・キルレインと戦うためにアメリカへと渡り、結果的に世界ヘヴィ級王座統一トーナメントに挑戦することになる。『修羅の刻』とつながるエピソード、そして舞子の成長が語られる。
[編集] 登場人物
(戦歴等は初登場時のもの)
- 陸奥九十九(むつ つくも)
- 主人公。全日本異種格闘技選手権優勝の後、更なる「最強」を求めて海を渡る。不破戦で吹っ切れたのか随所で割り切ったような科白を云うようになる。「シューレス・ニンジャボーイ」と称される。
- アリオス・キルレイン (Arios Kilrein)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。第三部最大のライバル。ヘヴィ級世界2位。"ブラックライトニング"または"ザ・マシーン"の異名を持つ。エザード・ロスの最後の秘蔵っ子。190cm、95kg、19歳、戦歴13戦全勝、全KO。決勝戦で九十九と対戦することとなる。貧民階級の出身で母親からは捨てられ、仲間たちからは邪険にされていたがエザード・ロスと出会い、愛されたことによって彼の志を継いで世界最強を目指すようになる。最初のうちはエザードの夢を叶えるためだけに戦っていたが、ムガビや九十九と戦っているうちに鬼としての本性に目覚めていく。多彩なコンビネーションブロー、驚異のスピードと威力を誇るライトニングストレートなどを武器とする。後述のエザード・ロスとボブ・キングの存在から、理想化されたマイク・タイソンだと考えられる。
- マイケル・アーロン (Michale Arron)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。WBCヘヴィ級世界チャンピオン。"鉄人"の異名を取る。スマッシュを得意とする。戦歴35戦無敗、KO率97%。ホセ・カルネラにKO勝ちして20歳3ヶ月の最年少記録でチャンピオンベルトを奪取。エザード・ロスを一時引退させた。二回戦(準決勝)にて九十九と対戦。そのテクニックやパワーは王者と呼ぶにふさわしいものではあったがあくまでも生活の手段としてリングに立っているのであって、九十九やローマンのように戦うためにリングに立っているのではなかった。モデルは同じく"鉄人"の異名を持つマイク・タイソンであり、同じくタイソンをモデルとするアリオス・キルレインのアンチテーゼ・キャラクターとして描かれているのではないかと思われる。
- ジャージィ・ローマン (Jersey Rawman)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。ヘヴィ級世界4位。"ザ・ロードバック"。トーナメントの一回戦に九十九と対戦。一時引退していたが、交通事故によって神の声を聞いたとリングに復帰。スピードは遅いがタフネスと相手の攻撃を読み切る目で九十九を苦戦させる。ちなみに相手の攻撃を読む時に誰かの声が聞こえていたという。黒人層からの人気が高く、後にアメリカのマスコミが九十九がローマンをバカにしたという発言を捏造したことが一因になって暴動が起きるほどであった。モデルはジョージ・フォアマン。
- リック・ガンフォード (Rick Gunford)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。"ホワイトホープ"。ノーランカーながら戦歴10戦10KO。九十九がトーナメントに突如参加することが決まったために一回戦の前に特別予選として九十九と対戦することになる。白人で人種差別主義者。父親がベトナム戦争に出征していてベトコンに殺されたことからアジア人(九十九)に強い逆恨みを抱いていた。
- アナクレト・ムガビ (Anaqurlet Mugabi)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。ヘヴィ級世界10位。"アフリカの星"。二回戦(準決勝)でアリオスと対戦。脅威のリーチと変則的なパンチで試合運びも精神的にも終始優位に立つが……。
- ベニー・ロビンソン (Benny Robinson)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。WBAヘヴィ級世界チャンピオン。"クラッシャー"の異名をとる。一回戦でアリオスと対戦。
- チャールズ・マッコイ (Charles McCoy)
- 『世界ヘヴィ級王座統一トーナメント』出場選手に選ばれた8人のうちの一人。IBFヘヴィ級世界チャンピオン。"ヒットマン"の異名をとる。一回戦でムガビと対戦。
- テディ・ビンセント (Teddy Vincent)
- 「何も教えないトレーナー」と呼ばれる名トレーナー。九十九のトレーナーを務める。モデルはエディ・タウンゼント。
- フランク・クラウザー (Frank Crowther)
- 九十九にテディ・ビンセントを紹介する。また九十九のセコンドも務めた。
- 龍造寺巌(りゅうぞうじ いわお)
- 旧姓宍戸、17年前に徹心の娘と結婚して婿入り。徹心の一番弟子で"神武館の鬼"と呼ばれた。神武館最高師範。現アメリカニューヨーク支部長。モデルは全日本少林寺流空手道連盟の二代目宗家 保 巌といわれている。
- 舞子の母
- 徹心の娘であり、巌の妻でもある。巌をサポートするために一緒に渡米していた。糸目がチャームポイント。躊躇いがちな娘をそれとなくけしかけたり、決勝前に起こった夫と九十九との決闘をとめもせずに平然と見守っていたり徹心の娘らしい大物ぶりを発揮するが、なぜか作中では彼女の名前は出てこない。
- エザード・ロス (Edzard Ross)
- 3人の偉大なチャンピオンを世に送り出した伝説のトレーナー。最高の素材・アリオスと出会い、史上最年少・無敗で引退する史上最強のチャンピオンに育てるべくアリオスを自分の養子とするが、夢半ばで病に倒れる。モデルはカス・ダマト。
- ボブ・キング (Bob King)
- プロボクシング界の大物プロモーターで統一ヘビー級王座選手権の仕掛け人。ただし強引なやり口と悪辣さで評判は悪い。大会を開催した理由もアリオスを売り出すためである。ドン・キングがモデル。
- ホセ・カルネラ (Jose Carnera)
- エザード・ロスが育てたチャンピオンの1人。決勝においてボブ・キングとの確執で一時疎遠だったアリオスのセコンドをつとめる。
- エドワード・ヒューズ (Edward Hughes)
- アメリカの大富豪。
- フローレンス・ヒューズ (Florence Hughes)
- 大富豪、エドワード・ヒューズの孫娘で、溺愛されて育ったためか我侭で生意気な性格に育つ。心臓に手術で完治する程度の障害を負っていたが身体に傷がつくと受けてこなかった。だが、ひょんなことで九十九に助けられてホットドッグをおごってもらったことから変わっていく。第二部における舞子の恋敵。
- 谷山(たにやま)
- 『格闘マガジン』雑誌記者。九十九の戦いを追ってアメリカへ飛ぶ。取材はほぼそっちのけである。
- 猪熊(いのくま)
- 谷山の助手(立場は同じなのだが)。九十九の戦いを見るあまり肝心の写真を撮っていない。
- 編集長
- 『格闘マガジン』の編集長。九十九の躍進、格闘ブームに乗り部数拡大をねらう。
- フレディ・メイスン (Freddie Mason)
- 九十九の一回戦の対戦相手。凶暴な性格。
- トニー・ウィラード (Tony Willard)
- 九十九の六回戦の相手。38戦をこなしたベテラン。
- ラルフ・ドールマン (Ralph Doorman)
- ジェームズ・ガーナー (James Garner)
- トム (Tom)
- テディ・ビンセントの古い友人。飲食店を営んでいる。ボクシングを愛し、ボクシングファンのみならずボクサーも集う店となっている。九十九のファイティングスタイルを認めていなかったが、店の常連であるローマンと九十九の腕相撲を見て以来九十九をファイターとして認める。
- ロッキー・マントル (Rocky Mantle)
- 戦歴49勝無敗。
- フロイド・アームストロング (Floyd Armstrong)
- 戦歴48勝2敗。
- ジェームズ (James)
- ジョージ・フレージャー (George Frazier)
- 元ヘヴィ級王者。にこやかな表情で九十九に辛辣な言葉を浴びせる。モデルはジョー・フレージャー。
- ジョー・五十嵐(Joe いがらし)
- 世界ヘヴィ級王座統一トーナメントの解説を務める。全日本異種格闘技選手権の解説を務めた五十嵐利和の兄。
- ダニー・マクガード(Danny McGard)
- 三流紙の捏造記事によって暴徒と化し、九十九を包囲した群衆の中で、ただ一人九十九側に立った少年。ローマンのファンだったが、ローマンに正面から挑み勝った九十九を応援するようになる。
- ジルコォー・マッイイツォ
- ネイティブアメリカンの部族、ネズ・パース族の生き残り。百年以上前に祖先を救ってくれた「ムツ」との約束のために九十九の前に現れる。以降第四部でも九十九に付いていく事になる。
- 龍造寺徹心(りゅうぞうじ てっしん)
- 全日本異種格闘技選手権で北斗に敗れた後正式に引退。神武館の一部の上級者に投げや関節技を学ばせる一方で海堂と合宿に入る。
- 海堂晃(かいどう あきら)
- 九十九との再戦に向けて徹心と合宿に入る。
- 陣雷浩一(じんらい こういち)
- 第二部以降完全に解説兼九十九の応援団の一員となる。
- 木村(きむら)
- 同上。九十九を心配する舞子の後押しをする。
- 片山右京(かたやま うきょう)
- 海堂たちの合宿所に現れ、共に携帯テレビで最終戦を観戦する。
- 飛田高明(ひだ たかあき)
- 全日本異種格闘技選手権で九十九に敗れた後、本物を標榜して新団体RWF(リアルレスリングフェデレーション)を結成。六名と小団体ながら着実な一歩を踏み出した。
- 竹海直人(たけみ なおと)
- 全日本異種格闘技選手権で九十九に敗れた後まさかの引退。トレーナーとして後進の指導にあたっている。谷山にカムバックの有無を問われると、満足げな笑顔とともにそれを否定した。
- 羽山悟(はやま さとる)
- ハワイで行われた世界ミドル級スーパーファイトの前座としてアリオスと対戦。第3ラウンドでTKO負けを喫し、無名のノーランカーだったアリオスの名を売る為のかませ犬の扱いを受ける。
- 九十九は試合後に羽山をモンキーと呼ぶアリオスを試合会場で見ていた。
[編集] 第四部
[編集] あらすじ
九十九は、アメリカに渡る前の祖父のコンデ・コマ(前田光世)の柔術を受け継いでいる者と決着をつけろとの言葉に従い、ブラジルに渡る。そこでレオン・グラシエーロと出会い、ヴァーリ・トゥードの大会で戦う。
[編集] 登場人物
- レオン・グラシエーロ (Leon Gracielo)
- グラシエーロ家の長男でグラシエーロ柔術の継承者。ヴァーリ・トゥードの舞台で活躍していたが、試合中に人を殺してしまったことによって引退し、孤児院の神父としての生活を送る。しかし、孤児院の経営のためと九十九との戦いのために祖父から促されて大会に出場した。
- 準々決勝までの試合を実践練習のつもりで戦って勝利してきたという恐るべき実力者で、一度馬乗りにされたら逃れられない寝技のテクニックと20手先までの展開を見通す力、そして彼の中に眠る「悪魔」としての本能で九十九を死の淵まで追い詰めた。九十九と似通っている部分はあるが違うのは「悪魔」の部分を簡単に出すことができること。「嘘つき」というのが彼を語る上では欠かせないキーワードであるが、それは彼が色々なことから逃げてきたからだろう。
- イグナシオ・ダ・シルバ (Ignacio da Silva)
- 神武館ブラジル支部のエース。元はサッカー選手だったがその当時は痩せていたためその実力を認められることがなく、審判の贔屓判定で負けたことに泣いてたところを徳光将にスカウトされて転向する。もしも、サッカーを続けていたらロナウドも真っ青なエースストライカーになっていただろう。その巨体と、初戦でボクサーを単純なパンチ一発で沈めたことから"重戦車"と呼ばれ単純なパワーファイターと思われていたが、それは擬態で準決勝の九十九戦で実はパワーに加えてスピードとテクニックが同居している片山右京とは違う意味での天才であることが明らかにされた。特に足腰のバランス能力はものすごく、九十九が本気で投げにいっても投げられなかったほどである。しかし、その性格は関西人である師匠の影響を受けてかツッコミとボケをかます剽軽で明るいブラジリアンであり、九十九やレオンのような「修羅」や「悪魔」のような部分はもたない恐るべき一般人であった。
- ジョニー・ハリス (Johnny Harris)
- プロレスラー。身長はさほどでもないがボディビルダーも真っ青な筋肉を持ち、最初の試合ではアマレスラーのロブ・クーマンを腕ひしぎ十字固めにされた状態から強引に投げ、パワーボムであっさりとしとめた。最初は相手に攻撃させ危機に陥ったところで一発逆転をすることが最も客にうけると考える、ある意味最もプロフェッショナルなプロレスラーだったが、やりすぎて相手を壊してしまうためにマットから追放された。通称"破壊王" (king of Destroy)。若い頃にフランク・クラウザーと戦ったことがあり、パワーをテクニックで封じられてもさらになおパワーを追求することを目指した。
- ラモン・グラシエーロ (Ramon Gracielo)
- グラシエーロ家の次男。兄のレオンが隠遁を決め込んだため、グラシエーロのエースとして将来を期待され、ヴァーリ・トゥードの優勝候補の一人と目された。寝技のテクニックとその10手先まで読む力によって危なげなく準々決勝に進出。準々決勝でのイグナシオ戦では思惑通りに試合を進めるもののその思惑が破壊された時、その恐怖に耐えるうる精神力をもたなかった。
- ブラッド・ウェガリー (Brad Wegerle)
- 傭兵でヴァーリ・トゥード参加者の中で数少ない非格闘家の一人(というより彼と九十九しかいない)。最初の抽選会で波乱を巻き起こし、名を上げるために九十九との戦いを望んでいた。二回戦では対戦相手の目に指先を突っ込んで投げてギブアップを誘うなどのえげつないファイトスタイルが特徴で、準々決勝での九十九戦ではハイレベルで正々堂々な戦いをする……と思わせながら隠し持った暗器で九十九の片目を切るなど中々に魅せてくれた。しかしながらその後に傭兵の戦いを上回る陸奥のえげつなさを思い知らされる羽目になる。ただし、卑怯な戦いをする割には明るくくえない憎めないキャラである。
- 南洋竜(なんようりゅう)
- 本名サレバ・ペニタニ (Salevaa Penitani) 。サモア系人種の元大相撲力士。現在のように総合格闘技が発展していなかった時代に語られた「相撲最強論」を具現化した格闘家。名はKONISHIKIと武蔵丸の旧名からそれぞれ取られている。
- リカルド・マジーニョ (Ricardo Mazinho)
- 地元ブラジル出身。最強のカポエイラ使い。180cm、80kg。初戦で九十九と対戦。
- ヤン・グーリッド (Jan Gullit)
- ペーター・ベルカンプ (Peter Bergkamp)
- オランダ人の柔道家だが空手も習っていて打撃もこなせる。優勝候補の一人で飛田をもうならしたほどの相手だったが、結局はレオンの実力を証明するためのかませ犬になってしまう。
- エリック・メオラ (Eric Meola)
- 徳光将(とくみつ まさる)
- 神武館ブラジル支部長。魔術師と呼ばれたテクニシャン。相手の力量を見抜く目は超一流で勝てると確信できた戦いしかしない主義。見た目は信楽焼のタヌキ。イグナシオ・ダ・シルバを見いだし、育てた。関西人らしく金にちょっと汚くて阪神ファン。モデルは漫画家の徳光康之。
- アニータ
- ファベーラに住む少女。レオンを慕っている。柔術の腕はかなりのものであるらしい。
[編集] 陸奥(不破)圓明流の秘技
「投げる」「極める」「折る」を同時にやると本編中で何度も記述があるように単純に殴る蹴るのではなく、殴ることや折ることが連動して行われるのが最大の特徴であり、交差法(攻防一体の技)も多い。飛燕十字蔓や牙斬といった技は徹心や片山右京に真似されたが、奥義及び四門・四神は陸奥の血を継ぐ者しか使うことができない。
[編集] 投げ技
- 雷(いかずち)
- 逆関節を極めた一本背負いで相手の腕を折りつつ頭から落とし、逆さになった相手の頭部に蹴りを入れる技。
- 巌颪(いわおろし)
- 相手の顔面に掌打を叩きつけ、その勢いで倒れた相手の頭に膝を落とす。地面と落ちてくる膝に頭がサンドイッチされる形になり、まともに食らえば死につながる。事実、陸奥冬弥が九十九に敗れ、死亡した時にくらった技が巌颪。後に不破北斗が九十九に対してこの技を使ったことにより九十九の中の修羅を覚醒させることになった。
- 訃ノ蔓 狼牙(ふのかずら ろうが)
- 立っている状態でアームロックしながら相手を倒し、その際に肘を相手の頭部に落とす。まともにくらったら死ぬほどの威力があるらしい。このため「修羅の門」ではまとも決まったことがない。
[編集] 蹴り技
- 弧月(こげつ)
- 逆立ち状態から相手を蹴り上げる技。相手をふきとばすほどの威力を持つ。『旋』からの連携技として使われることが多い
- 裏弧月(うらこげつ)
- 弧月から踵落しへ移行する技
- 紫電(しでん)
- 上段への後ろ回し蹴りとみせ、ヒットする直前に蹴り足の軌道を変えて金的を攻撃する技。
- 旋(つむじ)
- 後ろ回し蹴りから回し蹴りへの連続蹴り
- 軽く跳躍してから、頭を下げて踵落し気味に、などバリエーションは多い
- 「修羅の門」よりも「刻」で使われることが多い。
- 『弧月』へと派生する。
- 斧鉞(ふえつ)
- 前方宙返りから二段踵落としを決める技。時間差で落ちてくるためかわすのは難しいとされる。当たってみて、痛かったほうが鉞らしい。
[編集] 関節技
- 蔓落とし(かずらおとし)
- 相手の攻撃を受け流ししつつ、その攻撃してきた腕の肘辺りに腕を巻きつけ関節を極めて投げる。このときに極められた関節も折れる。
- 上腕蔓ひねり(かみうでかずらひねり)
- 蔓落としの変化技。
- 飛燕裏十字(ひえんうらじゅうじ)
- 飛燕十字蔓(ひえんじゅうじかずら)
- 相手の腕に飛びついて腕ひしぎ十字固めを極める技。サンボにも同じような技があるが、違うのは飛びついて相手の肘関節を極めるの同時に相手の顔面を刈るように蹴りを入れているということである。
- 羽車(はねぐるま)
- 転がした相手の片腕を十字固めに極め、それを返そうと相手が腕を持ち上げるのに合わせて体を回転させ、同じ腕を裏十字固めに極める技。
- 獅子吼(ししこう)
- 一見するとクロスカウンターだが、実は前腕で相手の内肘を瞬時に極めて折るという関節技。アーロン戦で使われたのが最初。ボクシングなので問題になったがラッキーパンチとして黙認された。ただし、アリオス戦ではアリオスのストレートの速さゆえに極まらず、イグナシオ戦ではイグナシオの豪腕ゆえに腕を折るには至らなかった。
- 斗浪(不破圓明流)(となみ)
- 頭部を狙う横蹴りをかわされたとき、後頭部に抜けた蹴りを膝から折り返して踵で延髄を刈り、そのまま跳んで反対の足(軸足だった足)を前から首にからめて首を極めつつ身体全体を捻って投げ、首から落とす技。
[編集] 打撃技
- 蛇破山(じゃはざん)
- 右正拳を敵の肘にたたきつけたあと、ひねりこむようにカウンターで胸部に肘をたたきつける。
- 裏蛇破山 朔光(うらじゃはざん さくこう)
- 蛇破山の変形。相手の攻撃を上方に受け流して鳩尾に肘を叩きつける。
- 牙斬(がざん)
- 相手のパンチにカウンターで、相手の拳の小指に向かってえぐりこむようにパンチを叩きつける。パンチの威力は小指が核になっているので小指を壊された拳は破壊力をなくす。片山右京にも真似された。
- 浮嶽(ふがく)
- 相手の懐にもぐりこみ、頭の上に拳を置き、頭突きの勢いを利用しながらアッパーを叩き込む。虎砲並みの威力があり、これをまともに食らった相手は顎を粉砕される。ガンフォード戦ではこれでKOしたもののレフリーがバッティングの反則を取って問題になった。実際、これをボクシングのルールで許されるのか許されないのかは微妙である。
[編集] 防御技
- 浮身(ふしん)
- 自らの体を綿のように柔軟にし、力の方向にあわせてとぶことにより受けた攻撃の衝撃をにがす。
- 金剛(こんごう)
- 筋肉を収縮することによって、肉体に突き刺さる針や弾丸を筋肉で止めて、それ以上の浸透を防ぐという技。硬気法の一種かと思われる。
- 指穿(しせん)
- 指を徹底的にきたえあげ、相手の急所につきいれる。相手に組まれたときに使用する補助的な技。それを極めし者は瓦をわることなく穴のみを穿つという。
- 無刀金的破(むとうきんてきは)
- 相手の武器を無刀取りで受け止めつつ、股間に蹴りを入れるという技。九十九は「名前ほどたいした技じゃない」といっていた。そのためか本作中では一回しか使われていない。
[編集] 特殊
- 訃霞(ふがすみ)
- 唾をつぶてにして飛ばし、目を狙う技。訃という字には死を告げるという意味がある。目に直撃すれば試合中は失明する。試合の流れを変えるのに極めて有効な技である。唾では目に当たらなければ効果が無いため、不破圓明流では本来は針または鉛玉を飛ばす。
- 雹(ひょう)
- 近くにある小石を物凄い高速で投げる技。無手が原則の陸奥の技の中でも唯一の武器を使う技で(本来は飛び道具の代用、練習台として編み出された)それゆえに実戦で使われることはない。ただし、修羅の刻のアメリカ編では、この技でワイアット・アープとの早撃ち勝負をやってのけた。
[編集] 奥義
- 無空波(むくうは)
- 全身のパワーを拳にため、振動波として一気に相手に叩き込む。瞬間的に振動が伝播されるので回避不可能。不敗を誇る技であるが全身の筋肉を酷使する為、一度使うとその体は当分使い物にならなくなってしまう。海堂やアリオス、「刻」では宮本武蔵などシリーズ中、最も重要な人物へのフィニッシュブローとして使われることが多い。しかし、レオン戦では腕を押さえつけられて振動を抑制させられることによってダメージが半減してしまった。
- 虎砲(こほう)
- 全身のパワーを拳にためて、一気に相手に叩き込む技。無空波との違いは無空波は振動なのに対し、虎砲は単純に打撃として打ち込むことである。見た目には判別しづらいので陣雷が虎砲を食らった時に徹心は無空波だと勘違いした。
- 無空波同様出した後には動きが止まる、地面をしっかり踏んでいないと本来のダメージが出せないという欠点はあるものの、密着した状態から出せることから作中における使用頻度は高い。
- その衝撃は1トンに近いもので当たった箇所は陥没する。無空波ほどではないがかわすのが極めて難しく、大抵の敵はこの一撃で倒せるほど。「刻」の土方歳三も一撃で致命傷を負っている。九十九いわく「陸奥の歴史の中で虎砲を受けて立っていられたのはほんの数人」とのことだが、その数人が九十九の代で大幅に増えている(片山、飛田、イグナシオ)海堂はかわすことによって、ダメージを回避している。また一人の相手に虎砲を三発以上打った例はない。
- 龍破(りゅうは)
- 両足を物凄い速さで交差させ、そこからカマイタチを発生させて相手の頚動脈を切り裂くという技。対飛田用にわざわざ練習までした技ではあるが、片山戦で菩薩掌で迎撃されたのを最後に使用されていない。
- 神威(かむい)
- 陸奥圓明流には無い不破圓明流独自の奥義。柔道の巴投げををかけ、それを防ぐべく敵が足を絡め密着したところでフリーになっている片足に全身のパワーをためて一気に相手に叩き込む技。足から放たれる虎砲。第二部・対九十九戦で不破北斗が使用した。
[編集] 四門
技名ではなく、奥義の上に存在するものの総称。技自体より「人間の限界を遥かに超える動き」のことを指す。自らを極限状態に置かれなければ出すことはできない。陸奥圓明流においては、己の能力100%を出し切ること(技)を「奥義」と呼ぶが「四門」は更にそれ以上の力を精神力で無理やり引き出すものである。相手の攻撃を驚異的な機動でかわし、その直後に相手の正面、右、左に三体の分身が現れ、タイムラグを置いて本体が思いがけない方向から「四神」と呼ばれる技を繰り出し相手を確実に死に誘う。「四神」には「青龍」、「白虎」、「朱雀」、「玄武」の4種類の技がある。死へと誘うので「死門」とも呼ばれる。実際、四門が使われた不破北斗戦とレオン戦の二回だけで両者とも死亡し、使用した九十九はいずれの場合も死にかけている。真玄の発言から推測すると、四門を使えた陸奥は九十九だけであると思われる。
- 青龍(せいりゅう)
- 東方を守護する。本編未登場
- 白虎(びゃっこ)
- 西方を守護する。本編未登場
- 朱雀(すざく)
- 南方を守護する。第2部・対不破北斗戦で使用。
- 相手の頭上に出現して、両足で相手の首関節を極めて回転しながら引き倒し(この時点で大抵の者は首の骨が折れて絶命すると思われる)、最後は顔面に肘を落とす。
- 玄武(げんぶ)
- 北方を守護する。第4部・対レオン・グラシエーロ戦で使用。
- 相手の足元にもぐりこみ、両足で相手の片足を絡めとって極めながら引き倒し、自身は起き上がり倒れた相手の延髄付近に頭突きを叩き込んで破壊する。両腕が使えなくてもだすことのできる技。(両腕を負傷していた為、この時の技は本来の玄武を変形したものなのかもしれない)
[編集] 各キャラクターの必殺技
注、カッコ付きの名称は作中にはなくPS版修羅の門、あるいはこのページで便宜上につけた名称である。
[編集] 神武館空手
創始者である龍造寺徹心が大山倍達をモデルとしているように極真空手がモデルになっている。そのため顔面攻撃が禁じられているので他派からは弱いと見られていることもある。ただし、龍造寺徹心は空手技以外に関節や投げも、そして一部の圓明流の技も使いこなし、徹心の引退以降は関節技も教えるようになった。相手を一撃で倒すことを目標にしている。
- 双竜脚
- 左右の回し蹴りを同時に叩き込む技。相手はどちらに対処するか戸惑って両方の蹴撃を食らう羽目になる。海堂以外には使えない技だといわれていたが九十九が後に流用、イグナシオに至ってはフィニッシュではなくつなぎとして使ってみせた。
- 徹心スペシャル
- 「腕一本捨てれば活路が見出せるだろう」と徹心が開発した技。陸奥に腕を折られた直後、その身体を抱え上げ、陸奥の胸に自らの膝を当てながら投げるという技。腕一本犠牲にする代わりに投げのダメージと押し当てた膝によって少なくても相手の肋骨を破壊することができる。陸奥でなかったら死んでいるという技。徹心や巌の他、対戦相手のクラウザーから飛田高明にも伝わっている。無論、作中での描写はないが海堂にも使えるだろう。
- (正拳突き)
- 不破戦で窮地に陥った徹心が最後に行った技。見た目には相手の胸めがけて打ち込む単純な正拳突きだが、その破壊力は凄まじく、この時に不破北斗が貫手ではなく正拳だったら死んでいただろうといわれている。PS版では海堂も使える。
- (拳砕き)
- 龍造寺巌が陸奥の戦いで最後に放った技。虎砲が放たれるタイミングを見計らって、その拳に肘を打ち下ろすという技でそれでも九十九には勝てなかったが、その拳を破壊した。
- 魔術
- 左右に注意を振り向き続けて正面から奇襲をする、回し蹴りをすると見せかけて相手の軸足を踏み折る、さっきと同じような攻撃と見せかけて違う攻撃をする、といった視覚のトリックで相手を幻惑して攻撃する技術の総称で、この技に一度かかったらフェイントを気にするあまりに正直に放たれた攻撃をまともに食らってしまい、虚と実の中で自滅する羽目になる。徳光将の得意技でイグナシオへと伝承された。
[編集] 鬼道館空手
日本空手界において神武館空手と双璧をなす。顔面への打撃もあり、その分、神武館空手より実践的であると喧伝している。片山右京(レーサーではない)と言うモデルと見まごう二枚目の天才を要し、女性ファンも多い。
- 菩薩掌
- 片山右京の九十九との仕合において使った、天才にしか出来ない一寸の見切りによってのみ可能な技。両の掌を相手の頭部に挟むように添えて、一定の間隔を保ちながら片方の掌で相手の頭蓋を叩き、一瞬のうちに両の掌の間で数千・数万回頭蓋を叩く技。コーラの瓶すら粉々にするほどの威力を持ち、掛けられた相手は一瞬でパンチドランカーになってしまう。
[編集] 関連商品
メガドライブのソフトと、アスク講談社からPSのソフトとしてゲームソフト化されている。メガドライブ版は第二部まで扱ったコマンドバトルがメインのソフトで、漫画がそのまま攻略法になったという。PS版はポリゴン格闘ゲームで、バーチャファイター1のような稚拙なポリゴンキャラとグラフィック、そして遅い処理速度によってクソゲー扱いされているが、マウントポジションをとれば死ぬまで相手を殴ることができる、相手の腕や足を折れる(それに伴って攻撃方法が制限される)、自らの腕と引き換えに必殺攻撃をしかけることができる、など、ある意味では原作に忠実だといえる。
[編集] 外部リンク
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