公文俊平
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公文 俊平(くもん しゅんぺい、1935年1月20日 - )は、多摩大学教授。専門は、社会システム論。
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[編集] 人物
高知県出身。土佐中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。インディアナ大学大学院より博士号取得。東京大学教養学部教授、国際大学教授、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター所長を経て、2004年より多摩大学情報社会学研究所所長。
当初は経済学者として研究活動をスタートしたが、その後は社会科学の諸分野の統合を試み、情報・メディア・コミュニケーション研究を研究テーマとする。財団法人ハイパーネットワーク社会研究所理事長も務める。また、神戸情報大学院大学情報技術研究科 にて、講師も兼任している。
東京大学教授在任中は、臨時教育審議会の専門委員に就任。東京大学においても同僚の村上泰亮、佐藤誠三郎らとともに教養部の改革を進めていたが、1988年(昭和63)に、教養部の教員人事に端を発したいわゆる東大駒場騒動(中沢事件)が起こり頓挫。西部邁、村上泰亮らとともに辞職した。また同年に発生したいわゆるリクルート事件では、1万株のリクルート・コスモス社未公開株の譲渡を受けていたことが発覚。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『一般システムの諸類型――社会システム論のために』(学習研究社, 1974年)
- 『社会システム論』(日本経済新聞社, 1978年)
- 『転換期の世界』(講談社[講談社学術文庫]、1978年)
- 『ネットワーク社会』(中央公論社, 1988年)
- 『アメリカの情報革命』(NECクリエイティブ, 1994年)
- 『情報文明論』(NTT出版, 1994年)
- 『文明の進化と情報化――IT革命の世界史的意味』(NTT出版, 2001年)
- 『情報社会学序説――ラストモダンの時代を生きる』(NTT出版, 2004年)
[編集] 共著
- (村上泰亮・熊谷尚夫)『現代経済学(10)経済体制』(岩波書店, 1973年)
- (村上泰亮・佐藤誠三郎)『文明としてのイエ社会』(中央公論社, 1979年)
- (衞藤瀋吉・平野健一郎・渡辺昭夫)『国際関係論[第2版]』(東京大学出版会, 1989年)
[編集] 編著
- 『ネティズンの時代』(NTT出版, 1996年)
- 『2005年日本浮上――長期波動で読む再生のダイナミズム』(NTT出版, 1998年)
- 『「リーディングズ」情報社会』(NTT出版, 2003年)
[編集] 共編著
- (竹内靖雄・村上泰亮)『講座現代経済思潮(3)社会・経済システム』(東洋経済新報社, 1978年)
- (衛藤瀋吉ほか)『日本の安全・世界の平和――猪木正道先生退官記念論文集』(原書房, 1980年)
- (濱口恵俊)『日本的集団主義』(有斐閣, 1982年)
- (高坂正堯)『国際政治経済の基礎知識』(有斐閣, 1983年)
- Cultural and Social Dynamics, co-edited with Henry Rosovsky, (Stanford University Press, 1992).
- (丸田一・國領二郎)『地域情報化――認識と設計』(NTT出版, 2006年)
[編集] 訳書
- アレク・ノーヴ『ソ連経済』(日評社, 1967年)
- イマニュエル・ウォーラーステイン『大学闘争の戦略と戦術』(日本評論社, 1969年)
- リチャ-ド・アティエ, キース・ラムズデン, ジョ-ジ・リランド・バック『プログラム学習によるマクロ経済学』(学習研究社, 1971年)
- E・S・クェイド, W・I・ブッチァー編『システム分析(1・2)』(竹内書店, 1972年)
- ウイレム・L・オルトマンズ編『明日の地球世代のために――「成長の限界」をめぐる世界知識人71人の証言』(日貿出版社, 1973年)
- フィリップス・W・フォスター『環境科学入門――プログラム学習による』(学習研究社, 1973年)
- アンドリュー・M・コヒル, アンドレア・L・カバノー編『エレクトロニックビレッジ――情報ネットワークがひらくコミュニティーの新世界』(くまざさ社, 1999年)
- ハワード・ラインゴールド『スマートモブズ――「群がる」モバイル族の挑戦』(NTT出版, 2003年)共訳
- エリ・ノーム, ローレンス・レッシグ, トーマス・W・ヘイズレット, リチャード・A・エプスタイン『テレコム・メルトダウン――アメリカの情報通信政策は失敗だったのか』(NTT出版, 2005年)