善行章
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善行章(ぜんこうしょう、英:Good Conduct Medal、Good conduct strip)とは、善行を表彰するために授与する勲章、記章(表彰記章または臂章)のことをいう。
[編集] 軍隊における善行章
勲章としての善行章は世界各国の陸軍・海軍・空軍等、軍隊において軍人の勤務年数とその成績により授与される。アメリカ軍における善行章は勲章の一種であり、名誉除隊した軍人などが受章対象となっている。
臂章としての善行章は、勤務成績に応じ制服や軍服に佩用が許される布製の記章である。日本では、太平洋戦争以前の大日本帝国陸軍及び海軍において定められ、入営より三年間、大過なく任務を遂行した者に山型の形をした善行章一線が授与され、さらに三年ごとに一線ずつ授与された。さらに、戦功を挙げた者には特別善行章も授与された。善行章は最高で5本佩用することができ、軍服の右腕部分、階級章の上に縫いつけられた。善行章は階級社会である軍隊において畏怖される権威を有するものであり、受章本数により俸給にも相違があった。授与本数の多い下士官兵は部下の者の畏敬を集めたという。なお、善行章を受章する際、その受章を証する善行証書を附典(授与)された。
今日、日本では自衛隊や消防本部、消防団等において精勤章または優良章として授与されている例がある。
[編集] 表彰記章としての善行章
市町村や消防団などの公的機関或いは公益法人が市民や消防団員などの奉仕活動或いは勤務態度等を表彰するために定めている例がある。特に代表的な例としては社団法人日本善行会の表彰事業があり、主にボランティア活動にて功績ある人物に対して同会の定める善行金章、善行銀章、善行銅章、善行章が授与されるなど毎年表彰がなされている。