夜空ノムコウ
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夜空ノムコウ | ||
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SMAP の シングル | ||
リリース | 1998年1月14日 | |
ジャンル | J-POP | |
レーベル | ビクターエンタテインメント | |
チャート順位 | ||
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売上枚数 | ||
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SMAP 年表 | ||
Peace! (1997年) |
夜空ノムコウ (1998年) |
たいせつ (1998年) |
『夜空ノムコウ』(よぞら-)は、SMAPの27枚目のシングル。1998年1月14日発売。発売元はビクターエンタテインメント。
[編集] 概要
SMAP初のミリオンセラー作品。この後『らいおんハート』『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』の2作がミリオンを達成するが、1990年代ではSMAP最大のセールスとなっている。
ジャニーズ事務所所属のグループでは2組目のミリオンセラー達成組となっている(1組目はKinKi Kids、ソロでは近藤真彦)。現在でもカラオケなどでの人気が高く、吹奏楽の演奏曲として使われることも多い。日本テレビのオーディション番組「歌スタ!!」でもスタジオでの歌唱にこの曲を選択する応募者が散見され、その内の一人美月はメジャーデビューを果たしている。初期の楽曲はアイドルらしいサウンドの曲が多かったが、本作発売までは普通のポップス寄りの楽曲が目立つようになってきており、セールスも上昇していた。そんな中発売された本格派のバラードソングが本作である。スローテンポなシングル曲はこれまで『胸さわぎを頼むよ』程度であったため、本格的なスローバラードとしてはシングルでは初の作風と言える。
プラネットチャートでの年間シングルチャートでは堂々1位を記録し、オリコンの同チャートでも2位を記録する大ヒット作品となった。
奇しくも次作『たいせつ』のセールスは40万枚程度まで落ち込んだが、これまでのSMAPのシングルセールスに比べれば比較的安定している。しかし、本作が160万枚を超える大ヒットであったことや、次のミリオンセラーシングル『らいおんハート』(156万枚)に次ぐシングル『Smac』は22万枚、更に250万枚を超える大ヒット作品『世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)』に次ぐ『友だちへ ~Say What You Will~』は36万枚とかなりの格差が開いてしまっているため、『SMAPがヒット曲の次に出すシングルは売れない』と揶揄されることが多い。ただ、実際シングルのセールスは何年も安定しており、何年かに1度顕著に突出したセールスの作品が出るというのは事実である。
なお、本作のタイトルは『夜空の向こう』や『夜空のムコウ』などと間違われることも多い。これは『夜空』が漢字、『ノムコウ』はカタカナという特徴的なタイトルであるため、一般的な用語で誤用されることが多いためだと言える。
本作のPVは、歩道橋の上でメンバーが寒空の中歌う印象的なものだが、実は撮影時木村拓哉がカキにあたり酷い下痢と腹痛に襲われていたという逸話がある。木村も含め全員哀愁の漂う険しい表情で写っているが、これも演技ではなく実際の寒さに耐えかねたことから出た「素」の姿であると語っている。シングルの発売が1月であるため、PVの撮影は11月~12月に行われたとみられる。
「夜空ノムコウ」とは逆にカップリングの「リンゴジュース」はSMAP×SMAPでは愚か、ライブでも歌われていない。しかし、スガシカオのセルフカバーバージョンは夜空よりも早くにリリースされている。
[編集] スガシカオとの関係
『夜空ノムコウ』の作詞を依頼されたスガシカオは、〆切当日までその依頼をすっかり忘れており、〆切日に札幌での仕事に向かう途中の羽田空港のロビーにてマネージャーに指摘されて初めてその依頼に気づいたという。そのためスガシカオは札幌に向かう飛行機の機内とホテルの部屋で慌てて作詞を行う羽目になったことから、後に『SMAP×SMAP』(フジテレビ)にゲスト出演した際、同曲の歌詞をもじって「『夜空ノムコウ』に待っていたのは実は〆切だった」と語っている。
スガシカオがSMAPのリリースから3年もセルフカヴァーを拒んだのには、SMAPに義理立てがあり、頼まれたから作っただけということで、3年もの間ファンの高い要望にもかかわらずライブですら一切歌わなかった。しかし、教科書掲載や卒業式での楽曲使用、はたまたさまざまなカヴァーバージョンが出てきたことで「スタンダード」となった事を受けて自ら歌うことを決意。スガシカオ自身はもはや「自分の曲」という印象はさらさらなく、国民的名曲となってしまった本作については他人の曲をアレンジするスタンスで挑んだという。また、現在においても、SMAPのこの曲を愛して誰かに伝えようとする心意気には敵わないと認めている。
[編集] 収録曲
- 夜空ノムコウ (作詞:スガシカオ 作曲:川村結花 編曲:CHOKKAKU)
- 作詞者のスガシカオは本作のヒットで急激に知名度を上げた。後に作曲者の川村結花がセルフカバーをしており、同年9月9日にシングルとしてリリースされている。更に2001年にはスガが自身のアルバム『Sugarless』でセルフカバーしている。また、2007年には「MUSIC FAIR21」(フジテレビ)で、スガシカオとCHAGE and ASKAのセッションで歌われた。現在では関西テレビのFNNスーパーニュースANCHORの天気予報のBGMとしても使用されている。ちなみにスガシカオは、2006年にも同じジャニーズ事務所所属であるKAT-TUNの『Real Face』の作詞を手がけており、こちらも100万枚を超えるヒットになっている。
- リンゴジュース (作詞・作曲:スガシカオ 編曲:CHOKKAKU)
- 意外に知られていないが、本作のc/wもスガシカオによる提供作品である。こちらは作曲も担当。SMAPサイドでは殆ど黙殺された楽曲であるが、スガシカオ本人のアルバム「FAMILY」ではセルフカバーしている。
- 夜空ノムコウ (Instrumental) (作曲:川村結花 編曲:CHOKKAKU)
- リンゴジュース (Instrumental) (作曲:スガシカオ 編曲:CHOKKAKU)
オリコン週間シングルチャート第1位 1998年1月26日付 |
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前作: Every Little Thing 『Face the change』 |
SMAP 『夜空ノムコウ』 |
次作: J-FRIENDS 『明日が聴こえる/Children's holiday』 |