嫉妬
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嫉妬(しっと、jealousy)とは、自分と異なるものや、自分から見て良く見えるもの、自分が欲しい(欲しかった)ものなどを持っている相手を快く思わない感情。妬み(ねたみ)、嫉み(そねみ)、動詞化して「妬(や)く」、などともいう。
男女間の愛憎について用いられる場合は、ある人の愛情が自分以外の誰かに向けられることを憎む感情を示す。
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[編集] 嫉妬状態にある人の特徴
- 下に見える人(もの)を見て悦に入る
- 上に見える人(もの)を見て反感を抱く
上に見えるものへの反感が向上心と結びついた場合はもはや嫉妬と呼ばれないことが多い。
[編集] 嫉妬についての考察
- 劇作家山崎正和は筑紫哲也との対談集『若者たちの大神』のなかでこう言う。「大衆社会で一番怖いのは、平等化からくるねたみだと思う。ねたみというのはね、上下の差が小さくなったときに起きるものです。それに、ねたみはいわゆる公の憤りと非常にくっきりとした違いをもっていますね。これは、たとえ自分のほうに落ち度があると知っていても起こる感情なんです。しかも、これは、ほうっておくと無限に自己増殖するんですね。大衆社会が退廃していく最初のきっかけはねたみなんです。この感情だけは、どうしたらいいのか私には分かりません」。
- 斎藤美奈子(1956年-)の著書『文壇アイドル論』(2002年、岩波書店)によれば、1980年代以降において、「ねたみ・そねみ・しっとを解放」したのが林真理子(1954年4月1日-)の「功績」のひとつ、なのだという。
- インターネット上の2ちゃんねるなど21世紀初頭に始まる匿名掲示板における誹謗中傷の氾濫は、現社会で鬱屈している嫉妬心の表出であるとする見方がある。嫉妬に基づく行動は一般に好ましくないものとされるため、現実社会では丸めた形で現れることが多いが、匿名社会においては剥き出しのままぶつけられるとされる。
- 小池百合子は2007年3月5日のビートたけしのTVタックルにおいて、「永田町は嫉妬の世界であり、日本では政治家の大多数が男性という観点からは嫉妬は女偏ではなく男偏にすべきですね」と発言した。
- 嫉妬という感情を覚えはじめるのは思春期である。この時期は「まわりから愛されたい」という気持ちが爆発する。よって、スポーツ万能で周りからちやほやされている人などをみて、「気に食わない」(=嫉妬)という感情が生まれる。