小夜の中山
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小夜の中山(さよのなかやま。佐夜の中山とも)とは、掛川市の北東端で、佐夜鹿(さよしか)に位置する峠。最高点の標高は252m。
[編集] 概要
遠江国の東部に属し、宿場では金谷宿(かなやしゅく)と日坂宿(にっさかしゅく)の間に当たる。
古くから、箱根峠や鈴鹿峠と列んで、東海道の三大難所として知られる。頂上には久延寺(きゅうえんじ、真言宗)、西側の麓の日坂宿の入口には事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)があり、多くの人々が旅の安全を願って立ち寄ったとされる。
又、遠州七不思議の一つで、赤ん坊の泣き声を発したとの伝説を持つ夜泣き石や、新古今和歌集にあり、鎌倉時代初期に西行法師が詠んだ「年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけり小夜の中山」の歌碑などがある。
明治に入り、東海道本線は小夜の中山を越えるルートではなく、その南側を菊川伝いに下って迂回する経路で建設された。それでも尚、急曲線と勾配が連続しており、難所となっている。
旧東海道に当たる国道1号は、日坂を通って、小夜の中山の北側の沢伝いを開削してある程度登った所にトンネルを建設して、ここを通過するようになった。