山口貯水池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
山口貯水池(やまぐちちょすいち、英称Yamaguchi Reservoir)は狭山湖(さやまこ、英称Sayama Lake)の通称でよばれる、埼玉県所沢市・入間市にある1934年(昭和9年)完成の東京都水道局水源管理事務所村山・山口貯水池管理事務所が管理する人造湖である。
北岸には根古屋城の城跡が存在する。
阪神淡路大震災の経験を踏まえ、平成11~14年に掛けて耐震強化工事を実施し、堤体の上流側と下流側に腹付け盛土を行い堤体の断面規模を大きくすることにより耐震性の向上を図った。
目次 |
[編集] 概要
施設名 | 山口貯水池 Murayama-Kami Reservoir |
所在地 | 埼玉県所沢市勝楽寺25番地2 |
竣工 | 1934年3月 |
ダム頂標高 | A.P122.820m |
ダムの頂幅 | 7.90m |
ダムの敷幅 | 184.55m |
ダムの高さ | 34.98m |
ダム頂長さ | 690.91m |
満水位 | 20.00m |
有効貯水量 | 19,528,000m³ |
出水期制限水位 | 19.35m |
出水期制限貯水量 | 18,309,000m³ |
最大取水量 | 31.8m³/s |
流域面積 | 7.180km² |
[編集] 歴史・経緯
- 増大する東京の人口に対応するため、大量の水源を確保するために作られた湖である。
- 狭山丘陵にあった当時の勝楽寺村と山口村(ともに現在の所沢市内)を流れていた柳瀬川の深い浸食谷を、7年の歳月をかけ堰堤を築き川の流れを堰き止めて、1934年(昭和9年)に完成した人造湖。
- 多摩川(羽村市の小作取水堰、羽村取水堰)のほか、利根川(埼玉県行田市の利根大堰から武蔵水路で荒川を経由し、さいたま市の秋ヶ瀬取水堰からの導水)も水源としている。
- 湖の水は東村山市の東村山浄水場、武蔵野市の境浄水場へと導かれる。また埼玉県の朝霞浄水場への供給経路もある(原水連絡管、後述)。これらを通して東京都の上水道として供給される。
- 総面積6,995km²、水面面積1,893km²、貯水量19,528,000m²。
- 隣接する東京都東大和市の村山貯水池(多摩湖)も同じ理由で作られた人造湖。1928年(昭和3年)完成。
- 上記の人造湖と東村山浄水場、朝霞浄水場とは原水連絡管とよばれる地下水路で結ばれており、渇水など水資源の状況に応じて貯留や浄水処理する水の「水系」を変更し、施設能力が相互に補完されている。
[編集] 自然
- 湖畔は松やクヌギの雑木林で、豊かな武蔵野の情景を醸し出している。
- 春には、ソメイヨシノとツツジが咲き誇る名所でもある。2万本にも及ぶ桜が開花すると、湖周辺は花見を楽しむ家族連れなどで非常ににぎわう。
- 狭山丘陵には「狭山丘陵いきものふれあいの里」と「さいたま緑の森博物館」が整備され、狭山丘陵の自然について学ぶことができる。
- 周辺は県立狭山自然公園となっており、その美しさは埼玉の自然100選にも選出されている。