希望 (旅客船)
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希望(きぼう)は静岡県所管の財団法人静岡県総合管理公社が運行していたテクノスーパーライナー(カーフェリー)で東海地震などの非常時に備えた防災船。2005年に県での運用を廃止、2007年に横浜市の不動産会社に落札された。
伊豆半島は観光シーズンに渋滞が激しく道路事情も良くないので、静岡市以西から伊豆へ観光に訪れる場合、このフェリーは有用であった。現在は民間運営による清水港~土肥港を結ぶエスパルスドリームフェリー(駿河湾フェリー)などがある。
2005年9月まで、平常時には1日1往復の清水港-下田港を結ぶカーフェリーとして利用されていたが、2005年10月以降は原油価格高騰のため、運航が休止されていた。
災害時の海上自衛隊による輸送体制が確保されたことにより、多額の経費を投入して維持していく必要がなくなったことから、2005年度に廃止された。(11月14日記者会見にて石川嘉延知事)
2006年3月24日、横浜港に向かい清水港から旅立った。しばらくの間は横浜港に係留され売り出しにかかるが、今後買い手がなければ解体される。
2006年8月5日付け読売新聞によると、石川知事は建造と保守を行っていた三菱重工業と結んでいたエンジンのリース契約を解除することで合意、「希望」の廃船が決定した。
静岡新聞社の報道によると、2007年2月19日に静岡県庁で売却先を決める入札が行われたが、参加した2者とも入札金額が予定価格の4000万円に満たず、落札されなかった。その後同年3月12日に落札予定価格を2000万円に引き下げた上で再度入札が行われ、横浜市中区の不動産会社が2000万1円で落札。しかし同29日、県がアメリカの会社と売却契約を詰めていた同船のガスタービンエンジンについて、買い戻しが確認できるまで契約を延期したい旨の申し入れがこの不動産会社からあり、県の財務規則や入札参加心得書の基準に基づいて協議した結果、契約の延期は認められないとして落札を無効とした。県は2007年度以降、廃船を前提として処理を行う方針。
2007年04月4日、TBS系「みのもんたの朝ズバッ!]」で、解体費9億円として、無駄遣いとして「スーパーライナー・オガサワラ」等他のテクノスーパーライナーとともに揶揄された。ちなみに、みのもんたは「(私が)買おうか!」と結んだ。
[編集] 船舶
テクノスーパーライナーの実験船「飛翔」を実験終了後静岡県が防災用に購入し「希望」と名づけた。東海地震などの非常時は防災船としての活用が期待される。平時はカーフェリーとして使用されていた。
速さは時速74kmで船としては速い。定員260人、普通車30台(または大型バス5台、普通車10台)
燃費は軽油1リットルで8メートル。 TBS 朝ズバッ!2007年4月4日放送より。
[編集] 航路
清水港(静岡市清水区) - 下田港(下田市)(休止中、運航時は1日1往復、所要時間1時間40分)