三菱重工業
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 東京都港区港南2-16-5 |
設立 | 1950年(昭和25年)1月11日 |
業種 | 機械 |
事業内容 | 建設機械・航空機・船舶 |
代表者 | 佃和夫(代表取締役社長) |
資本金 | 2,656億08百万円 |
売上高 | 単体:2兆2,067億円 連結:2兆7,921億円 (2006年3月期) |
従業員数 | 32,627名(2006年4月1日現在) |
外部リンク | www.mhi.co.jp/fla.html |
三菱重工業株式會社(みつびしじゅうこうぎょう、Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)は、日本の企業。
目次 |
[編集] 概要
三菱グループの中でも三菱東京UFJ銀行・三菱商事と並んで「三菱グループ御三家」と呼ばれる中核企業である。
創業者は、三菱財閥の二代目である岩崎弥之助。1884年(明治17年)に工部省長崎造船局の払い下げを受け、これを長崎造船所としたことから始まった。以後造船の他に、重機・自動車(のちの三菱自動車工業となる)・航空機などの分野に進出。また、日本における兵器製造の中心として発展、有名な日本海軍の超弩級戦艦武蔵の建造や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を設計・製造したのも三菱重工業である。
このような企業であるため戦後GHQによって3社に分割されたが、1964年(昭和39年)に再統合。三菱グループは重工業分野に強かったために高度経済成長期に大きく発展したと言われているが、戦後の三菱重工業はその中核を担い、日本最大規模の重工業メーカーとして復興した。いまや世界を代表する重工企業にまで成長している。
現在は、造船・原子力・ガスタービン・産業機械などのほか航空機やロケットエンジンを製造。また伝統ともいえる兵器製造でも、防衛庁(現在は防衛省)への納入実績第一位の企業であり、戦闘機・ヘリコプター・イージス艦を含む護衛艦・戦車などを製造している。又、鉄道車両として電機機関車、懸垂型モノレールや新交通システム、LRVなど鉄道車両の製造、さらにはビーバーエアコンや事業所向け大型冷凍機、ETCシステムの製造元としても知られる。
過去には「シルバーピジョン」というスクーターも製造していた。
[編集] 本社とおもな事業所
- 本社
- 技術センター-横浜市西区みなとみらい3-3-1
- 研究所-先進技術研究センター(横浜市)、長崎研究所、高砂研究所、広島研究所、横浜研究所、名古屋研究所
- 事業本部-汎用機・特車事業本部(神奈川県相模原市)、冷熱事業本部(愛知県清須市)、紙・印刷機械事業部(広島県三原市)、工作機械事業部(滋賀県栗東市)
- 工場-長崎造船所、下関造船所、神戸造船所、横浜製作所、広島製作所、高砂製作所、名古屋航空宇宙システム製作所、名古屋誘導推進システム製作所、プラント・交通システム事業センター(広島県三原市、横浜市)
[編集] おもな関連会社
[編集] 国内
- 株式会社東洋製作所 - 本社:東京都品川区、冷凍・空調設備機器製造販売、東京証券取引所第二部上場、証券コード6443。
- 新キャタピラー三菱株式会社 - 本社:東京都世田谷区、建設機械の製造販売・リース。アメリカキャタピラー社との共同出資企業。
- 三菱重工空調システム株式会社 - 本社:東京都品川区、空調機器販売。
- 三菱農機株式会社 - 本社:島根県八束郡東出雲町、農業機械・汎用機の製造販売。
- 三菱自動車工業株式会社 - 本社:東京都港区、1970年に分社独立。現在は、三菱重工の会長が三菱自動車の会長を兼務。2005年に持分法連結会社とした。
- 三菱ふそうトラック・バス株式会社 - 本社:東京都港区、2003年1月に三菱自動車工業から分離・独立。三菱ふそうバス製造・菱和車体工業を子会社に持つ。ダイムラー・クライスラー傘下でもある。
[編集] 海外
- 米国三菱重工業株式会社(本社:アメリカ・ニューヨーク)
- 欧州三菱重工業株式会社(本社:イギリス・ロンドン)
- 三菱重工業(香港)有限公司(本社:香港)
- 泰国三菱重工業株式会社(本社:タイ・バンコク)
- 三菱重工業(上海)有限公司(本社:中国・上海)
- 韓国三菱重工業株式会社(本社:韓国・ソウル)
[編集] 沿革
- 1884年(明治17年) 創業
- 1917年(大正6年) 社名変更。三菱造船(株)となる
- 1921年(大正11年) 三菱電機分離
- 1934年(昭和9年) 社名変更。三菱重工業(株)に
- 1950年(昭和25年)東日本重工業・中日本重工業・西日本重工業へ分割
- 1952年(昭和27年)3社が、それぞれ三菱日本重工業・新三菱重工業・三菱造船へ改称
- 1964年(昭和39年)3社が合併し、新生三菱重工業株式会社が誕生
- 1970年(昭和45年)自動車部門が三菱自動車工業として独立
- 1986年(昭和61年)基盤技術研究所設立
- 2003年(平成15年)本社を東京・丸の内から東京・品川に移転
- 2005年(平成17年)三菱自動車工業を持分法連結会社とした。
- 2007年(平成19年)国土交通省と旧日本道路公団の橋梁(きょうりょう)工事をめぐる談合事件をうけ、国土交通省より建設業法に基づき45日間の業務停止命令を受ける
[編集] 航空宇宙関連
[編集] 宇宙機器
- N-Iロケット
- N-IIロケット
- H-Iロケット
- H-IIロケット
- H-IIAロケット
- H-IIBロケット
- きぼう(JEM)
- セントリフュージ(重力発生装置搭載モジュール - CAM):計画中止
- HTV(無人宇宙輸送船)
[編集] 自衛隊
- T-2高等練習機
- F-1支援戦闘機
- F-2A/B支援戦闘機(ロッキード・マーティン共同開発)
- OH-1観測ヘリコプター(川崎重工業、分担生産)
- P-X対潜哨戒機(川崎重工業、分担生産)
- C-X輸送機(川崎重工業、分担生産)
- ライセンス生産
- F-86F戦闘機(ノースアメリカン、ノックダウン生産あり)
- F-104J/DJ要撃戦闘機(ロッキード、DJ型はノックダウン生産のみ)
- F-4EJ/EJ改要撃戦闘機(マクドネル・ダグラス、EJ改型は国内で改造)
- F-15J/DJ要撃戦闘機(マクドネル・ダグラス、電子機器は国内開発)
- S-51(H-5)輸送ヘリコプター(シコルスキー、ノックダウン生産)
- S-55(H-19)輸送ヘリコプター(シコルスキー)
- S-58輸送ヘリコプター/HSS-1哨戒ヘリコプター(シコルスキー、ノックダウン生産のみ)
- S-62J輸送ヘリコプター(シコルスキー、ノックダウン生産のみ)
- S-61L輸送ヘリコプター/HSS-2/2A/2B哨戒ヘリコプター(シコルスキー)
- MH-53E掃海ヘリコプター(シコルスキーから輸入・国内再組み立てのみ)
- UH-60J救難ヘリコプター(シコルスキー)
- UH-60JA汎用ヘリコプター(ライセンスで改造開発)
- SH-60J哨戒ヘリコプター(シコルスキー、電子機器は国産)
- SH-60K哨戒ヘリコプター(ライセンスで国内開発、開発名はSH-60J改)
- 研究機
[編集] 民間
- YS-11(分担生産。整備点検・修理も日本航空機製造から継続して行っている)
- MU-2
- MU-300(レイセオンに製造権売却、ビーチジェット400)
- MH2000
- MJ:環境適応型高性能小型航空機(開発中)
- ボーイング製品(共同開発・分担生産)
- エアバス製品(分担生産)
- ボンバルディア製品(共同開発)
- グローバルエクスプレス(主翼・中胴の設計・製造、プロダクトサポート)
- DASH8Q-400(リスクシェアリングパートナー:中胴、後胴、垂直尾翼、水平尾翼、エレベーター/ラダー、ドアなど全体の半分近くの設計・製造)
- CRJ-700/900(後胴の設計・製造、プロダクトサポート)
- チャレンジャー300(主翼の設計・製造、概念設計JCDPから参加)
- チャレンジャー5000(主翼の設計・製造)
- シコルスキー製品
- S-92ヘリコプター(共同開発、胴体キャビン担当)
[編集] エンジン
- LE-7Aロケットエンジン(H-IIAロケット搭載)
- LE-5Bロケットエンジン(H-IIAロケット搭載)
- MB-XXロケットエンジン(ボーイング共同開発)
- TS-1ターボシャフトエンジン(OH-1搭載)
- MG-5ターボシャフトエンジン(MH2000搭載)
- PW4000ターボファンエンジン(共同開発)
- V2500ターボファンエンジン(共同開発)
[編集] 誘導機器
- 地対空誘導弾ナイキJ MIM-14(ウェスタン・エレクトリックからライセンス生産)
- 地対空誘導弾ペトリオット MIM-104:PAC-2(レイセオンからライセンス生産)
- サイドワインダーミサイル AIM-9L(レイセオンからライセンス生産)
- 69式空対空誘導弾 AAM-1(殆ど量産せず)
- 90式空対空誘導弾 AAM-3
- 04式空対空誘導弾 AAM-5
- 97式魚雷
- 89式魚雷
- その他
- VLS:ミサイル垂直発射装置(ロッキード・マーチンからライセンス生産)
- PAP-104 MARK5:遠隔制御式機雷処分具(フランスECAからライセンス生産)
[編集] 第二次世界大戦前
[編集] 大日本帝国陸軍
- 己式一型練習機
- 九二式偵察機
- 九三式重爆撃機
- 九七式重爆撃機
- 九七式司令部偵察機
- 九九式襲撃機
- 九九式軍偵察機
- 一〇〇式司令部偵察機
- 四式重爆撃機「飛龍」
- キ-八三式試作遠距離戦闘機
[編集] 大日本帝国海軍
- 一〇式艦上戦闘機
- 一〇式艦上雷撃機
- 九六式艦上戦闘機
- 九六式艦上攻撃機
- 九六式陸上攻撃機
- 零式艦上戦闘機
- 一式陸上攻撃機
- 局地戦闘機「雷電」
- 十七試艦上戦闘機「烈風」
- 十九試局地戦闘機「秋水」(陸海軍共同開発)
[編集] 民間機
[編集] 原動機関連
[編集] 原子力プラント
[編集] 自然エネルギープラント
[編集] ガスタービン
- M501G/M701G
- M501F/M701F
[編集] 紙・印刷機械事業部
- オフセット枚葉機 New DAIYAなど
- オフセット輪転機 LITHOPIA MAXシリーズなど
- 新聞用オフセット輪転機 DIAMONDSTARシリーズなど
- 製紙機械
- 紙工機械
- プラスチック押出形成機
[編集] 船舶・海洋事業本部
[編集] 機械・鉄構事業本部
[編集] 出身著名人
[編集] 関連項目
- 三菱重工業サッカー部(浦和レッドダイヤモンズの前身)
- 三菱財閥
- 三菱グループ
- 三菱重工爆破事件
- 新菱冷熱工業(同社が第二位株主)
- テクノ菱和(同社の主力代理店)
- 神戸発動機
[編集] 外部リンク
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