愛しの刑事
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愛しの刑事(いとしのでか)は、テレビ朝日系列で日曜20時~の刑事ドラマ枠で放送されたドラマ。1992年10月18日から1993年3月21日までの全20話放送。
「西部警察シリーズ」や「ゴリラ・警視庁捜査第8班」「代表取締役刑事」と同じく石原プロモーション制作。
西部警察から続く日曜20時枠での石原プロモーション製作ドラマは今作が最後である。 後番組は「ララバイ刑事'93」。
目次 |
[編集] 概要
- このドラマでは、刑事部屋、課長部屋、取調室や廊下といった、城西署の内部のシーンが石原プロの事務所内で撮影されている。(城西署の外景は別の場所のもの)「自然光のリアルさを生かす」という狙いがあった。この頃、石原プロは事務所を現在地に移転したばかりであった。
バブル崩壊後の製作とあって、予算削減の影響があちこちに出ていた。 石原プロの事務所内での撮影も、スタジオレンタルの費用節約のためであり、音楽も「俺たちルーキーコップ」からの流用が目立った。
10話~16話くらいの間、舘ひろしが日本テレビの年末時代劇「風林火山」に出演するため、羽山刑事の出番が少なくなり、川村刑事の出番が増えている。
[編集] 主な登場人物
- 羽山リョウ刑事・・・舘ひろし
- 階級は不明(ポジション的に警部補と推測される)。呼称は「羽山君、羽山さん、リョウさん」。城西署の刑事防犯課・捜査係の現場を任される刑事。上司である高倉、中野も彼の捜査方法には信頼を置いている。第10話でシンガポールへ海外研修を受けている。第7話では前の署にいた時代、お宮入り寸前の殺人犯を逮捕した際の手柄を、もうすぐ結婚する同僚刑事に譲っている(同僚刑事は警視総監賞で、彼は始末書)。スポーツは好きなようで、角筈署に勤務していた頃、ラグビー好きの警官を集めて、チームを作った事がある。城西署に移ってからは、少年野球チームのコーチをしている。さらに、第10話では、ゴルフも好きなことが判明。子供の頃から、ナイフやモデルガンに興味がある(桜井には、「それで刑事になったのでは」と言われている)。家族は、母がいる。父親は彼が3歳の頃に亡くなっている。
- 川村丈彦刑事・・・宅麻伸
- 階級は警部補。父である泰吉(藤木悠)は城西署の鑑識課員だったが、第1話で過去の事件を独自で捜査している最中、当時の事件の共犯者に射殺されてしまう。本庁の刑事であった彼は、事件の犯人を逮捕するために羽山たちと協力。事件解決後、城西署に転属となる。父親譲りの優しい性格だと本庁でも評判なのだが、その優しい性格が、第2話では事件を大きくしてしまう事も。7年前に、関係のあった情報屋を殺された事から、現在は情報屋を使っていない。
- 中野慶一係長・・・井上順
- 階級は警部補。優柔不断な性格であるが、羽山いわく「人一倍責任感の強い人」らしい。それは、第4話で自分の名刺を犯行に利用されてしまった時、神経性の胃潰瘍で入院していたが、責任を感じて病院を抜け出し、捜査をしたという事からも分かる。高倉とは気が合わないこともあるが、高倉は彼を嫌っているわけではない。山手署に勤務したことがある。山手署に勤務時代から、小泉明子という女性と文通している。家族は妻と、子供がいるらしい。妻は最初の子を流産していると自身が述べている事から、2番目に授かった子がいると推測される。
- 桜井弓子刑事・・・高樹澪
- 階級は巡査。年齢は30歳(第6話で判明)。南青山署に勤務していた事がある。高校時代からの親友に事件の容疑がかけられた事がある。愛車はC83Aミラージュハッチバックサイボーグ(第6話で判明)。
- 岡本シュン作刑事・・・坂上忍
- 呼称は「シュン」。アバウト(いい加減な)性格らしく、いつもヘマをするイメージと周囲に思われているのを本人は気にしているらしい。警視総監賞を常に狙っているらしく、理由は入院中の母が見た夢を正夢にしたいらしい。家族は、心臓が悪く入院中の母と姉がいる。第9話まで情報屋に丸山丈という男を使っていた。辰巳署に勤務したことがある。
- 山下ひろし刑事・・・谷川竜
- 呼称は「シモ、シモさん」。高知県出身。高倉いわく、書く字がきたないらしい。家族は、母と結婚して家庭を持つ姉がいる。
- 松原あや子婦警・・・細川ふみえ
- 毎朝、課長室に昨夜の事件速報簿を持って、報告するのが日課。特技は歌が上手いらしい(第7話)。
- 高倉課長・・・渡哲也
- 階級は警部。時に、部下にアドバイスをする事も。辰巳署に勤務していたことがある。特技は魚をさばく事(第11話で、その腕を披露している)。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主なゲスト登場人物・放映リスト
- 第1話「名コンビ誕生!友情の捜査」峯尾基三・小澤啓一
- 第2話「外された手錠!信頼の賭け」宮下隼一・江崎実生
- 式根淳史・・・久保田篤 事件の容疑をかけられた男。元暴走族メンバー。川村と山下が2度身柄確保するも、また逃走されてしまう。何かの事実を隠しているも、川村は彼を信用してしまう・・・。
- 乾・・・武藤章生 元警察官。式根の過去の事件に関わっていた。
- 第3話「死にたい気分!新米デカとAVギャル」折戸伸弘・小澤啓一
- 第4話「息子よ!襲われた母さんが・・・」大川タケシ・江崎実生
- 田中みき・・・水原ゆう紀:被害にあった時計貴金属店の店主。息子の裕也は、羽山がコーチを務める少年野球チームの選手。事件にあったショックから自殺未遂を起こしてしまい、羽山らに助けられる。
- 第5話「母親探し!赤ん坊抱えて汗だく捜査」大塚孝典・澤田幸弘
- あけみ・・・若林志穂:刑事防犯課・捜査係が出前を取るラーメン屋「来々軒」に、最近バイトで入った女性。冒頭のシーンで、署に置き去りにされた赤ちゃんとも関わりが・・・。
- 第6話「墓前の花!妹を誤殺した銀行強盗」谷口聡・澤田幸弘
- 番場つよし・・・市川好郎 5年前に羽山が逮捕した男。元・組員で強盗犯だった。右頬には、逮捕時に羽山の撃った傷痕がある。羽山が当時の逮捕の際に番場は妹・陽子と会っており、逃走しようとする彼の撃った弾が陽子に当たり、即死させてしまう。故に、逮捕に来た羽山を逆恨みしている。模範囚で刑が短縮され、出所後、羽山への復讐を企てる。
- 第7話「美談!警視総監賞を辞退した男」香取俊介・吉田啓一郎
- 第8話「奪還!女刑事が拳銃を奪われて・・」大野武雄・吉田啓一郎
- 第9話「功名心!捨て身捜査の名演技?!」峯尾基三・村田忍
- 丸山丈・・・大村浩之 元暴走族で、現在はスタントマン。そして、岡本の情報屋でもある。昔、自動車窃盗罪の疑いをかけられたのを、辰巳署時代の岡本が無実を証明したため、それ以来の知り合いである。
- 今回の強盗殺人事件で、警視総監賞狙いの岡本は丸山を使って犯人の沢口(金子研三)を逮捕したが、丸山の身に危険が及ぶことになる。
- 第10話「花嫁の母は海外逃亡犯・6年目の帰国の謎!?」峯尾基三・江崎実生
- 第11話「轢き逃げ!2人の母の闘い!!」折戸伸弘+加藤章一・村田忍
- 山下刑事の母・・・春川ますみ 山下の母親で、名前は不明。高知県に住んでいる。飛行機や船が嫌いらしく、瀬戸大橋が完成して、やっと息子の住む東京に、様子を見にやって来たらしい。夫は漁師だったが、遭難事故で早くに亡くしている。
- 山下刑事の母がひき逃げ事件に巻き込まれる。
- 第12話「結婚したい症候群・貢いで待つ女!」国友弘子・江崎実生
- 樋口かおる・・・小野さやか 桜井の高校時代からの親友。横領事件の容疑がかけられるが・・・。
- 第13話「更生を夢見た女!恋人は宝石強奪犯」宮下隼一・吉田啓一郎
- 宇佐美かおる・・・福家美峰 元暴走族で、現在は喫茶店のママ。刑事になりたての頃の川村が捕まえた過去がある。同じ元暴走族の和也と結婚。更生したかに思えたのだが・・・。
- 第14話「夫の誘拐を隠す妻!愛に揺れて・・・・」日暮裕一・吉田啓一郎
- 宇田川明子・・・南條玲子 川村の元・恋人。今は夫と息子がいる。川村と、誘拐事件捜査の過程で再会する。今の夫は、川村と正反対のタイプである。
- 第15話「身代わり自首!?かくまわれた母と子!」大野武雄・江崎実生
- 岩上富蔵・・・若林豪 元・辰巳署の刑事で、今は焼き鳥屋の大将。高倉が辰巳署時代に刑事のいろはを教わった先輩。剣道の腕もある。
- 第16話「裏窓の女秘書殺し!目撃者は怪盗203号」峯尾基三・江崎実生
- 第17話「殉職!先輩デカへの恩返し!!」峯尾基三・澤田幸弘
- 第18話「刑事防犯課を占拠する女!婦警が人質に!?」宮下隼一+鈴木康之・澤田幸弘
- ゆきえ・・・松田美由紀 半年前のサラ金強盗犯人の濡れ衣を着せられたまま、車の転落事故で死亡した弟・おさむの無実を信じている。警察にも信じてもらえず、大町への復讐を企てる。城西署に連行された大町を追撃すべく城西署に乗り込み、あや子を人質にとって刑事部屋を占拠する。
- 大町…半戸敬志 半年前のサラ金強盗の真犯人と思われる。おさむがグレていた時の兄貴分。パチンコ屋でけんか騒ぎを起こして城西署に連行されるも、その後釈放される。
- ゆきえの叫びを聞いた羽山らは再捜査に乗り出す。
- 第19話「行方不明の女子大生!血痕の叫び!!」柏原寛司・小澤啓一
- 第20話「失語症の少年!栄転へのラスト捜査!!」峯尾基三・小澤啓一
- 牧野おさむ…佐藤侑輝 6歳の幼稚園児。母親は事故死。父子家庭。工事現場で父親と自転車で遊んでいる最中、事務所内での、麻薬取締官・湯原の射殺現場を目撃してしまい、逃げる途中、目前で父親が射殺される。そのショックで失語症になる。
- 宇佐美…外山高士 麻薬取締官。コンビを組んでいた湯原の、麻薬密売グループとの癒着の汚名を晴らそうとしているが・・・
- 川村刑事に本庁栄転の内示が出た。羽山・川村コンビの最後の捜査が始まる
[編集] 登場した主な車両
三菱自動車は、メーカーとしての車両協力をしていない。新車提供はなく、ゴリラ・警視庁捜査第8班、代表取締役刑事で提供された車をそのまま使っている。
- 三菱S10系デボネアV・2000スーパーサルーン 黒(前期型)
- 羽山の専用車両ともいえる車。ナンバーは「品川54 と 94-97」。舘演じる刑事の特徴として、パトライトを車内にて点灯させる傾向があるが、この車では第6話からしている。
- 三菱ディアマンテ・30R 黒
- 川村、岡本、山下が運転する事が多い。また、羽山は助手席に乗る事が多い。第10話で右前ドアの窓ガラスを被弾により、割られている。ナンバーは「品川33 35-79」
- 岡本、山下が使用している事が多い。第10話で右前ドアの窓ガラスを被弾により、割られている。
- 三菱ギャランシグマ 白(第8話のみ使用)
- 岡本、桜井が使用。運転する岡本が逃走する犯人車に体当たりして、前が大破。ナンバーは、「56-23」
- この他、Y32セドリックの覆面パトカーが第15話の1シーンのみ、登場している。
[編集] スタッフ
- 企画・・・小林正彦
- プロデューサー・・・岩崎純、星裕夫(テレビ朝日)
- 脚本・・・峯尾基三、宮下隼一、折戸伸弘、柏原寛司 ほか
- 監督・・・小澤啓一、江崎実生、澤田幸弘、吉田啓一郎、村田忍
- 撮影・・・金宇満司、内田清美
- 照明・・・椎野茂
- 美術・・・渡辺平八郎
- 録音・・・佐藤泰博
- 整音・・・小峰信雄
- 音響効果・・・東洋音響カモメ
- 編集・・・鍋島惇
- 助監督・・・児玉宜久、梅澤利之
- 記録・・・水平富喜子、斉藤能子
- 製作担当・・・小林茂広、藪下隆
- 企画助手・・・谷口聡
- 音楽・・・埜色紀見男
- 音楽監督・・・鈴木清司
- 音楽協力・・・ファンハウス、テレビ朝日ミュージック、石原音楽出版
- 技斗・・・高倉英二
- 衣装・・・第一衣裳
- 装飾・・・ケイプランニング
- 制作者・・・渡哲也
- 制作・・・石原プロモーション、テレビ朝日
[編集] 前後番組の変遷
テレビ朝日系 日曜20時台刑事ドラマ枠(1992年10月 - 1993年3月) | ||
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