刑事ドラマ
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刑事ドラマ(けいじドラマ)は、刑事が犯罪と戦う姿・活躍を描くテレビドラマの一ジャンル。刑事ドラマはアクションシーンが多いためか、1990年代後半までVTR収録ではなくフィルム撮影が主流だった。同様の傾向は時代劇にも見られた。
目次 |
[編集] 刑事ドラマの種類
一口に刑事ドラマと言ってもその内容は多岐に渡っており、内容面では次の各種が挙げられる。尚分類は便宜上のものであり、必ずしもひとつのドラマがひとつの種類に分類されるという訳ではない。
- チーム物
- 『太陽にほえろ!』『大都会』『西部警察』『大都会25時』等。事件捜査の描写を通して刑事や事件関係者の人間関係、あるいは社会の明暗部などを描く。娯楽性を重んじ、カースタントや犯人との格闘、あるいは銃撃戦、爆破等のシーンも多用されている。
- 推理物
- 『刑事コロンボ』『古畑任三郎』等。犯行シーンを冒頭に見せ視聴者に犯人を知らせた上でその犯行トリックを推理させる、いわゆる倒叙物といわれる作品と、2時間ドラマ等で多く見られる犯人が誰かを推理させる作品とがある。
- 人情物
- 職業物
- コメディー物
- 『あぶない刑事』のように放映開始当初はハードボイルドを狙っていたものがいつの間にかコメディータッチの作品に変化した物、『君の瞳をタイホする!』のようにトレンディードラマの走りとなった物、『西村京太郎トラベルミステリー』のように小説を映像(ドラマ)化した物もある。一風変わった所では『犯人デカ』の様に主人公自ら殺人を行い他人に罪をなすりつけると言うブラックコメディタッチの物、『時空警察捜査一課』の様に警視庁刑事部捜査第一課の刑事が過去へタイムスリップし歴史上の真実を明らかにすると言う様な歴史推理ドラマ仕立ての形態もある。また『時効警察』のように既に時効が成立した事件を趣味で捜査するといったものもある。
[編集] ストーリー進行
ストーリー進行の面からは、取り扱う事件その物も一話の中で事件発生から解決までを描いた作品と、ドラマ全話を通して一つの事件の真相へと徐々に迫ってゆく作品(『ジャングル』など)とに分ける事が出来る。前者は1980年代までの、後者は1990年代以降の主流といえよう。
[編集] 登場人物・世界観
キャラクター・世界観の設定においては、『スケバン刑事 (実写版)』や『ケータイ刑事』のように現役女子高生が刑事であったり、『富豪刑事』のように大富豪の孫娘が刑事であるなど、現実社会では有り得ないような設定の物や、『宇宙刑事ギャバン』からはじまる宇宙刑事シリーズや『ロボット刑事』、『特捜戦隊デカレンジャー』などの様に特撮ドラマでなおかつ刑事ドラマであるというものもある。
『金田一少年の事件簿』の様に主人公が探偵等の場合、あるいは『サイコメトラーEIJI』の様に特殊能力の持ち主の場合、そのストーリー展開の都合上殺人事件などを取り扱うことが多く、また刑事と行動を共にし、事件解決までの過程を描いていることから広義には刑事ものあるいは刑事ドラマとして扱うこともあり、ミステリードラマとの境界が曖昧である。例えば、『TRICK』では、刑事・殺人・謎解きと刑事ドラマの要素が多く含まれるが通常は刑事ドラマとは呼ばない。更にこれらのミステリードラマには、事件の関係者が刑事ではないのに「まるで刑事のように」捜査を行うので比喩として番組タイトルやドラマ内等で「刑事」と言う呼称を用いる作品がある上(例:大家族デカ、スチュワーデス刑事、OLポリスなど)、「刑事」とは呼ばれない警察組織の人間(鑑識や科学捜査研究所等の後方支援部門、あるいは交通部門の制服警官、警備部門の護衛専門警察官、管理職たる署長や警察事務職員である会計課員等)が主役の場合でも、刑事ドラマと呼ぶことが多い事が、線引きを複雑化している。
更に、刑事ドラマであってもすべてが刑事側から描いたものではなく容疑者(必ずしも犯人ではない)や被害者の側から描かれるものもあり、どこまでを刑事ドラマに含めるかの線引きが曖昧である。たとえば『逃亡者 RUNAWAY』は、刑事ドラマと呼んでも問題はなさそうであるが、『Mの悲劇』は刑事ドラマには含めないのが通常である。
[編集] 事件発生場所等
刑事ドラマにおいては、制作テレビ局や制作会社のほとんどが在京であると言う事もあり、警視庁あるいは神奈川県警察の管内を舞台とすることが多い(関東圏以外で一番多いのは京都府警察。これは京都に撮影所が存在するため)。主人公を一人の刑事、もしくは特定の警察署刑事課員とする事が多い為、こと連続ものに於いては一警察署の管轄内でばかり短期間に凶悪犯罪が多発してしまう。この為、事件その物は東京近郊で発生させ、逃走を図った容疑者を追跡する、あるいは事件の真相解明の為に地方に出向く等して、物語の舞台に幅を持たせる事がある。又、同様に多く使われる手法としては、他県警からの協力要請に基づき地方に出向く、休暇中に訪れた先で事件が発生する等がある。特に後者の場合は、その舞台が海外となる事も少なくない。舞台を所轄警察署とせずに警察本部の捜査第一課や架空の広域捜査専門部署などに設定されることも多い。2時間ドラマにおいては地方の警察を主な舞台にしていることが多くなってきている(代表例:信濃のコロンボシリーズ…長野県警察)。人口規模でもトップ3に入る大阪府警察や愛知県警察が舞台になることは近年ではほとんどないのが意外。
劇中に登場する警察署は実在しないケースが多い("西"新宿署など)が、最近では実在の警察署が用いられることもある。なお都道府県警レベルでは通常は実在の名称が使われるが、稀に県及び県警本部ぐるみの犯罪を扱う場合、架空の県名が用いられる場合もある(代表例:Gメン'75スペシャルにおける甲南県警察(劇中の位置からして山梨か静岡))。
[編集] 刑事ドラマを巡る背景と問題
刑事ドラマはその性格上、殺人事件等の凶悪な事件を取り扱うことが多く、犯罪、特に少年犯罪(『TEAM』は少年犯罪を題材にした刑事ドラマ)等の増加は刑事ドラマの流行に影響されているとする説もある。
また、捜査の過程で警察官が暴力を振るうシーンなどが頻繁に描かれる。最近ではそのような演出は少なくなったが、かつてヒットした「非情のライセンス」「大都会」「太陽にほえろ!」などのドラマでは長期間に渡ってそのような暴力描写が頻繁に描かれた為、「警察は暴力的である」というイメージを植え付ける根源ともなった。これらの作品はいわゆる刑事ドラマのエポックメイキング的存在で、これ以降殆どの刑事ドラマに影響を与えている。これらのドラマの警察描写は世間市民にかなり大きな誤解を与え、相当な警察のダーティイメージの原因にもなっている。その為、警視庁はこれらの番組をあまり良い形で受け取っておらず、警察広報も難色を示したり抗議したこともあるといわれる。反面、両番組を見たことで憧れを持ち実際に警察官となった者も少なくはなく、「現実的でない分、却って割り切って見ることができる」と好意的な警察官も存在し、視聴者の大多数も刑事ドラマをあくまでフィクションに過ぎないと認識しているのだが、実態に即した物と受け止める視聴者も少なくなく、警察のイメージダウンにも繋がっている側面は否めない。ドラマで警察官が暴力を振るう場面は自白を強要されたといった冤罪を題材にした作品・シーンでよく見られる。多くの刑事ドラマでの警察描写は実態とはかけ離れたものが多く、「取調べでは暴力を振るって自供させるのが当たり前」といった誤解を生じさせたため、快く思わない警察関係者も少なからず存在するという。
一方、刑事ドラマがヒットしていた'70年代当時は、映画制作の現場に'60年代安保や全共闘の影響が色濃く残っており、いわゆる「反体制映画」の全盛期であった。刑事ドラマも当然それらの作品の影響を強く受けており、警察官を主人公としながらも、警察や社会全体に対するアンチテーゼ的な側面も持っていた。それらを踏まえると、当時の刑事ドラマを席捲していた過激な暴力描写や重苦しいテーマ性は、極論を言ってしまえば元々から警察のイメージダウンを意図して挿入されていたとも言えるだろう(良し悪しは別として)。 時代が'80年代に移ると、「あぶない刑事」のような若年向けアクションコメディと「はぐれ刑事純情派」のような中高年向けの人情劇への二極化傾向が強まるが、いずれの作品も'70年代のそれが持ち合わせていたアナーキー性やテーマ性は影を潜めてしまっており、結果として刑事ドラマ全体のマンネリ化を加速させてしまったという批判は根強い。バブル崩壊以降はアクション物はほぼ絶滅状態に陥り、前述の人情劇がカテゴリとして細々と生き残る中で、新たに「踊る大捜査線」のような職業路線や「ケイゾク」などのサイコホラータッチの作品(いずれもアニメーションの影響を色濃く受けている)が隆盛を見せるが、そんな中で「刑事追う!」(テレビ東京)、「ショカツ」(フジテレビ)など、'70年代刑事ドラマのテイストを現代に蘇らせた社会派ハードボイルドの佳作として一部でコアな支持を獲得した作品もある。
近年のドラマは暗いドラマは流行らず、よりコミカルなもののほうが好まれるという傾向がある為、刑事ドラマもコミカルな描写が増やされる傾向にある。「踊る大捜査線」も捜査描写はいわゆる"刑事ドラマ的”であるが、警察官の姿は現実の警察に則した描かれ方をしており、警察官も派手な仕事ばかりではない、会社員のように組織の中で仕事をするという側面を色濃く描いた作風は、現実の警察を逸脱しないイメージであるとして警察にも好感をもたれているという。とはいえ、不祥事や杜撰な捜査によるとされる冤罪事件が毎日のように報道され、フィクション以上にダーティであるとも言える警察の実態に非難が強まる昨今、「権力批判」から「権力機構のプロパガンダ」へとシフトしてしまった刑事ドラマの存在意義そのものを疑問視する声も上がっている。
なお、近年では刑事が常に拳銃を携帯しているといった演出が「現実に則さない描写」として指摘されることも多く、昨今の刑事ドラマにおいてもリアリティを追及する余り「上司が部下に対し、拳銃携帯の許可・命令・指示を発する」といった誤った描写が氾濫しているが、実際の「警察官等けん銃使用及び取扱い規範」においては、本来警察官の拳銃携帯は「義務」として位置づけられており、拳銃携帯に特別な許可や命令といった概念は存在しないのが事実である。また元警視庁巡査部長である古賀一馬によるドキュメンタリー「警察官の掟」(三笠書房刊)においても、「拳銃を持たない刑事もいれば、常に拳銃を持ち歩いている刑事もいる(要約)」との記述がある。詳しくは拳銃携帯命令の項を参照。
[編集] 現在放送されている刑事ドラマ(2006年11月現在)
[編集] 一時間枠
[編集] 二時間枠
※月曜ゴールデン,ドラマ・コンプレックス,金曜エンタテイメントに関しては、刑事ドラマ以外のドラマを放送する事もある。
[編集] その他
- ケータイ刑事銭形雷(BS-i・30分枠)
[編集] 過去に存在した刑事ドラマ
[編集] 扱ったことがある2時間枠
- 月曜ミステリー劇場(TBS)
- 月曜ドラマスペシャル(TBS)
- 火曜サスペンス劇場(日本テレビ)
- 女と愛とミステリー(テレビ東京)
- 金曜ドラマシアター(フジテレビ)
- 男と女のミステリー(フジテレビ)
- 火曜ミステリー劇場(テレビ朝日)
[編集] 国内
- 太陽にほえろ!シリーズ
- 刑事物語'85
- 誇りの報酬
- あぶない刑事シリーズ
- あぶない刑事
- もっとあぶない刑事
- あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル'98
- あきれた刑事
- はぐれ刑事純情派
- 刑事貴族
- はだかの刑事
- ハロー!グッバイ
- ジャングルシリーズ
- ジャングル
- NEWジャングル
- 七人の刑事
- ケイゾク
- 刑事犬カール
- 噂の刑事トミーとマツ
- Gメン'75
- 熱中時代・刑事編
- 夜明けの刑事
- 西部警察シリーズ
- 大捜査線
- 大非常線
- 燃える捜査網
- 大追跡
- 大激闘マッドポリス'80/特命刑事
- 大都会シリーズ
- 私鉄沿線97分署
- ニュータウン仮分署
- ゴリラ・警視庁捜査第8班
- ザ・刑事
- 代表取締役刑事
- ララバイ刑事シリーズ
- ララバイ刑事'91・'92
- ララバイ刑事'93
- 真夏の刑事
- 愛しの刑事
- 華麗なる刑事
- 大空港
- 刑事追う!
- 部長刑事
- 特別機動捜査隊
- 特捜最前線
- 非情のライセンス
- 大都会25時
- ベイシティ刑事
- あいつがトラブル
- さすらい刑事旅情編
- 風の刑事・東京発!
- はみだし刑事情熱系
- 人間の証明
- 古畑任三郎シリーズ
- 警部補・古畑任三郎
- 古畑任三郎 2nd SEASON
- 古畑任三郎 3rd SEASON
- 巡査・今泉慎太郎
- 踊る大捜査線シリーズ
- スケバン刑事 (実写版)シリーズ
- スケバン刑事
- スケバン刑事II 少女鉄火面伝説
- スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇
- ケータイ刑事 銭形シリーズ
- QUIZ
- ルーキー!
- ショカツ
- 富豪刑事シリーズ
- 富豪刑事
- 富豪刑事デラックス
- 犯人デカ
- TEAM
- リモート
- 顔
- 京都鴨川東署迷宮課おみやさん
- こちら本池上署
- 相棒
- 沙粧妙子 最後の事件
- 刑事☆イチロー
- 特命!刑事どん亀
- 女刑事みずき
- 逮捕しちゃうぞ
- アンフェア
[編集] 海外
- 刑事コロンボ
- 刑事コジャック
- 警部マクロード
- 鬼警部アイアンサイド
- 特捜刑事マイアミヴァイス
- 刑事スタスキー&ハッチ
- 刑事ナッシュ・ブリッジス
- 白バイ野郎ジョン&パンチ
- NYPDブルー
- NY市警緊急出動部隊 トゥルー・ブルー
- ホミサイド/殺人捜査課
- アンダーカバー 特殊捜査班
- 女刑事キャグニー&レイシー
- パトカー・アダム30
- FBI失踪者を追え
- フロスト警部
- 第一容疑者
- 刑事ハンター
- ヒルストリート・ブルース
- ヒューストンナイツ
- 女刑事ペパー
[編集] 漫画・小説等
- こちら葛飾区亀有公園前派出所
- 東京刑事
- 警視正大門寺さくら子
- グレートホース
- SP
- PS羅生門
- 女刑事ペルソナ
- 警視総監アサミ
- おっとり捜査
- 逮捕しちゃうぞ
- タロット日美子と二階堂警部シリーズ
- 三毛猫ホームズ
- マザコン刑事
- 十津川警部シリーズ
[編集] アニメ・特撮
[編集] 関連項目
- テレビ番組
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- 警察24時 - 番組改編期に特番として作られることの多い、外勤警察官の活動を追ったドキュメンタリー
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