木村幹
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木村 幹(きむら かん、1966年4月7日 - )は、神戸大学大学院国際協力研究科教授。専門は、比較政治学、朝鮮半島地域研究。
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[編集] 略歴
大阪府河内市(現・東大阪市)生まれ。生駒市立生駒東小学校、同緑ヶ丘中学校、私立東大寺学園高等学校、京都大学法学部を経て、1992年京都大学大学院法学研究科修士課程修了(比較政治学専攻)。愛媛大学法文学部助手、講師、神戸大学大学院国際協力研究科助教授を経て、2005年より現職。この間、韓国国際交流財団研究フェロー、ハーバード大学フェアバンク東アジア研究センター客員研究員、高麗大学校亜細亜問題研究所客員研究員、世宗研究所客員研究員、関西大学法学研究所研究員等を勤める。2001年、法学博士号取得(京都大学)。
[編集] 著作
[編集] 単著
- 『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識――朝貢国から国民国家へ』(ミネルヴァ書房、2000年)、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞
- 『韓国における「権威主義的」体制の成立――李承晩政権の崩壊まで』(ミネルヴァ書房、2003年)、第25回サントリー学芸賞受賞
- 『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書、2004年)
[編集] 共編著
- 小林弘二・佐々木信彰・唐亮)『東アジアにおける政府と企業』(関西大学法学研究所研究叢書第26冊、関西大学法学研究所、2002年)
- (玉田芳史)『民主化とナショナリズムの現地点』(ミネルヴァ書房、2006年)
[編集] 論文
[編集] 雑誌論文
- 「『儒教的レッセフェール』と朝貢体制――近代朝鮮における『上からの改革』を巡る一考察(1)」『法学論叢』(京都大学法学会)第131巻第6号、1992年9月、34-66頁
- 「『儒教的レッセフェール』と朝貢体制――近代朝鮮における『上からの改革』を巡る一考察(2・完)」『法学論叢』(京都大学法学会)第133巻第4号、1993年7月、21-43頁
- 「産業社会における分業と政治――アーネスト・ゲルナーからの考察」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第20巻第2号、1993年10月、141-188頁
- 「『徳治』の論理と『法治』の論理――儒教文化圏における国家と政治に関する一考察」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第20巻第3・4合併号、1994年3月、343-396頁
- 「近代朝鮮の自国認識と小国論――金允植に見る朝鮮ナショナリズム形成の一前提(1)」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第21巻第2号、1994年10月、111-145頁
- 「近代朝鮮の自国認識と小国論――金允植に見る朝鮮ナショナリズム形成の一前提(2)」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第21巻第3号、1995年1月、127-164頁
- 「平和主義から親日派へ――李光洙・朱耀翰に見る日本統治下の韓国知識人の一断面」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第22巻第2号、1995年9月、139-193頁
- 「李完用に見る韓国併合の一側面(I)」『政治経済史学』(政治経済史学会)第351号、1995年9月、1-18頁
- 「李完用に見る韓国併合の一側面(II)」『政治経済史学』(政治経済史学会)第352号、1995年10月、24-42頁
- 「『小国意識』とナショナリズム――李承晩に見る韓国ナショナリズムの一帰結」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第22巻第3・4合併号、1996年3月、161-190頁
- 「国家の『強さ』と社会 の『強さ』――韓国近代化における国家と社会」『文明装置としての国家・比較法史研究――思想・制度・社会(5)』比較法史学会、1996年6月、100-124頁
- 「『臣民』からネーションへ――韓国におけるネーション意識形成への一考察」『愛媛法学会雑誌』(愛媛大学法学会)第23巻第2号、1996年8月、103-137頁
- 「日本統治期における韓国民族運動と経済の論理――東亜日報グループ研究(1)」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第5巻第2号、1997年12月、1-29頁
- 「米軍政期における『正統保守野党』の形成と特質――『東亜日報グループ』研究(2)」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第6巻第1号、1998年3月、1-28頁
- 「サッカー日韓戦を通じて見た韓国ナショナリズム」『体育の科学』(日本体育学会)48巻3月号、1998年3月、213-218頁
- 「備辺司謄録『座目』に見る朝鮮王朝末期官僚制の一研究――大院君政権から高宗=閔氏政権へ」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第7巻第2号、1999年10月、33-65頁
- 「朝鮮/韓国における近代と民族の相克――『親日派』を通じて」『政治経済史学』(政治経済史学会)第403号、2000年10月、10-30頁
- 「脱植民地化と『政府党』――第二次世界大戦後新興独立国の民主化への一試論」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第9巻第1号、2001年6月、137-167頁
- 「『正統保守野党』の変質と『東亜日報グループ』の政治的解体――韓国における『権威主義的』体制成立を巡る一考察」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第9巻第2号、2001年10月、1-31頁
- 「韓国ナショナリズムから見た日米韓関係」『政治経済史学』(政治経済史学会)第421号、2001年10月、1-14頁
- 「自由党体制の成立と崩壊(1)――韓国における最初の『権威主義的』体制」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第10巻第1号、2002年6月、147-166頁
- 「自由党体制の成立と崩壊(2)――韓国における最初の『権威主義的』体制」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第10巻第2号、2002年10月、87-107頁
- 「『高宗』から見た韓国併合――韓国近代史に位置づける」The Journal of Pacific Asia, vol. 9, March 2003, pp. 27-60.
- 「近代と文化に関する仮説的考察――比較文化研究への一視座として」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第11巻第1号、2003年6月、83-105頁
- 「クーデタと民主化を『説明』する――1960年代韓国における『民主化』とイデオロギー環境を巡る一考察(一)」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第12巻第2号、2004年10月、45-68頁
- 「クーデタと民主化を『説明』する――1960年代韓国における『民主化』とイデオロギー環境を巡る一考察(二)」『国際協力論集』(神戸大学大学院国際協力研究科)第12巻第3号、2005年3月、85-112頁
- 「グローバル化の中の隣国関係 - 日韓関係を中心に」『東アジアへの視点』(国際東アジア研究センター)第17巻4号、2006年12月、33-40頁
- 'Why Did the Chosun Dynstasty Fail to Modernize ?: "Modernization from above" in Korea Political Science in Asia Vol.2 No.1, Winter, 2006, pp.115-134
[編集] 本所収論文
- 「『不潔』と『恐れ』――文学作品に見る日本人の韓国イメージに関する一試論」岡本幸治編『近代日本のアジア観』(ミネルヴァ書房 103-120頁)
- 「韓国大統領の政治的リーダーシップとその政治的基盤」五百籏頭真編『「アジア型リーダーシップ」と国家形成』(TBSブリタニカ 43-70頁)
- 「朝鮮における近代と国家」木村雅昭・廣岡正久編『国家と民族を問いなおす』(ミネルヴァ書房 187-210頁)
- 「大韓民国の成立」伊藤之雄・川田稔編『環太平洋の国際秩序の模索と日本』(山川出版社 95-124頁)
- 「韓国における民主化と『政府党』――『与村野都』から『地域感情』へ」西村成雄・片山裕編『東アジア史像の新構築』(青木書店 211-248頁)
- 「強大な国家と不安定な支配――東アジアにおける脱植民地化とその影響」日本比較政治学会編『比較のなかの中国政治』(早稲田大学出版部 131-156頁)
- 「王宮が消滅する日――近代における朝鮮の王権」伊藤之雄・川田稔編著『20世紀日本の天皇と君主制』(吉川弘文館 303-334頁)
- 「総力戦体制期の朝鮮半島に関する一考察 ――人的動員を中心にして」日韓歴史共同研究委員会編『日韓歴史共同研究報告書』第3分科篇 下巻(日韓歴史共同研究委員会 321-344頁)
- 「大韓民国の『現実』とその喪失――李承晩と朴正煕をめぐって」選書出版部編『別冊「本」RATIO 01号(ラチオ)』(講談社 86-108頁)
- 「在日韓国・朝鮮人問題と外国人参政権――錯綜する理論的根拠とその原因」河原祐馬・植村和秀編著『外国人参政権問題の国際比較』(昭和堂 253-283頁)
- 「グローバル化とナショナリズムの中の東アジア」竹内宏・村松岐夫・渡辺利夫編『徹底検証東アジア』(勁草書房 16-24頁)
[編集] 研究報告書
- 「戸籍から住民登録へ――解放前朝鮮半島における住民把握形態の変化」研究代表者・村松岐夫『途上国の地方行政システムと開発』平成9~10年度科学研究費補助金基盤研究(B)(2)研究成果報告書、1999年3月、29-42頁
- 「韓国ナショナリズムにおける『統一』とプライド」研究代表者・木村幹『ナショナリズムの「プライド」と「アイデンティティ」―― 冷戦後民族紛争からの考察』平成13~14年度科学研究費補助金基盤研究(C)(1)研究成果報告書、2003年3月、31-45頁
- 「民主化をいかに『説明』するか――韓国における民主主義を巡る議論への一考察」研究代表者・玉田芳史『東・東南アジア地域諸国の民主化過程に関する比較史的研究:地域研究と理論研究の架橋』平成13~14年度科学研究費補助金基盤研究(C)(1)研究成果報告書、2003年3月、45-68頁
- 「6.3運動を通して見る第三共和国の学生運動」研究代表者・玉田芳史『東・東南アジア諸国における政治の民主化と安定』平成15~16年度科学研究費補助金基盤研究(B)(1)研究成果報告書、2005年3月、5-32頁
- 「在日韓国/朝鮮人問題と外国人参政権」研究代表者・河原祐馬『外国人参政権問題の国際比較研究 - グローバル化に伴う国民国家の鍵「変容」の中で』平成15~16年度科学研究費補助金基盤研究(B)(1)研究成果報告書、2005年3月、3-20頁