李代桃僵
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李代桃僵(りだいとうきょう、李(すもも)が桃の代わりに僵(たお)れる)は兵法三十六計の第十一計にあたる戦術。
苦難を共にする友人や兄弟が、一方の身代わりになる。肉を斬らせて骨を絶つ。
孫臏が斉の田忌に仕えたとき、威王が主催する競馬大会が開かれていた。田忌と威王にはそれぞれ上・中・下の三種類の馬がいたが、それぞれの実力は伯仲し、勝負の行方は知れない状態だった。そこで孫臏は威王の上・中・下の馬に対して下・上・中の順番で当てるように献策し、その結果最初の一頭は負けたが後の二頭は勝ったので勝負は田忌の勝ちとなった。田忌は大いに面目をほどこし、以後孫臏の知略を信頼するようになった。
このように、あえて一部を犠牲にすることで全体の被害を少なく抑える戦術を李代桃僵の計と呼ぶ。
出典は『戦国策』。
日本では徳川家康が幼少の頃よりの腹心である鳥居元忠を少数の兵と共に伏見城に残し、石田三成による先制攻撃を誘った。伏見城は落ち、鳥居元忠は討ち死にしたが、徳川軍は攻撃を受けたことに対する正当防衛という大義名分を得るとともに世間の同情をも集め、関ヶ原の戦いで勝利を収めることができた。
兵法三十六計 |
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