極真館
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極真館(きょくしんかん)は、2003年1月13日に発足したフルコンタクト空手の団体。正式名称は『財団法人極真奨学会 極真空手道連盟 極真館』。
時代の風潮に流されることなく、極真空手創始者、大山倍達の武道空手の理念と古流極真精神をあくまでも正しく継承し、広く普及して、発展させていくことを使命として発足された団体。
極真会館の前身であった大山道場時代からの古参で、元・極真会館(松井派)の最高顧問・主席師範を務めていた盧山初雄が発足させた空手団体である。そして、極真会館時代には、緑健児、八巻健志、数見肇、塚本徳臣など、多数の世界王者、全日本王者など、極真史に残る名選手を育て上げ、名伯楽と謳われた東京・城南川崎支部長で関東本部長も務めていた廣重毅が副館長に就任している。発足以来、毎年11月には、さいたまスパーアリーナで全日本空手道選手権大会を開催している。また、2005年9月10日、11日の2日間に渡り、極真館主催による第1回全世界ウエイト制空手道選手権大会が、モスクワのルジュンキーオリンピック記念体育館に於いて開催された。そして、2006年4月29日の第4回全日本ウエイト制大会において、極真史上初となる手技による顔面攻撃有りのルールに先駆けた「エキシビジョンマッチ」2試合が特別披露された。(2007年の全日本ウエイト制大会から導入予定)。
発足から僅かな期間ではあるが、現在(2007年2月)、日本国内に約52支部179道場と世界40ヶ国に30万人以上の会員へと急成長を続けているようだ。特にロシアを中心としたヨーロッパ地域の海外支部の伸びが著しい。この急成長の大きな要因として考えられることは、創始者、大山倍達(故人)の遺言に基づき、休眠中であった財団法人極真奨学会を、元・極真会館審議委員長を務めていた梅田嘉明および廬山初雄らが中心となって再興させたことに他ならない。今後、正式な形として財団の運営が始まり、財団が中心になって活動が始まった場合は、更なる成長が予想される。
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[編集] 試合特徴
極真館の全日本大会は、毎年4月に開催されているウエイト制大会と毎年11月に開催される無差別の全日本選手権の2大大会からなっている。2007年の第5回ウエイト制からはウエイト制のみルールが変更されることになり、極真空手界初となる手技による顔面攻撃フリーとなるルールが導入される。尚、毎年11月開催の無差別の全日本選手権大会は従来の極真館ルールが適用される。
[編集] ルール
極真館の試合ルールは、あくまで武道としての空手のあり方を尊重して構成されている。そのため、他の極真カラテ団体の試合で見られるような手技による顔面攻撃が無いが上の、顔面攻撃に対する間合いを全く無視した接近しての突き合い、押し合い。また、技を出さずに無防備に接近するといった、ただ単に後ろに下がらず前に出ていれば印象的にポイントが稼げるといった戦い方をした場合は全て反則とみなされる。 このルールの確立によって、手技による顔面攻撃を想定した間合いをしっかりと持って戦うことを要求されるため、選手一人一人の個性が生かされるようになった。その結果、間合いを巧みに操作しながら華麗な蹴り技によっての技あり、一本勝ちをする試合が多く見られるようになった。また、このルールによって体力、体重差に関係なく、技を磨き上げた者が平等に勝ち上がるチャンスがめぐってくるのも特徴の一つと言える。
[編集] 稽古体系
極真館の稽古体系は、創始者である大山倍達が築いた本来の実践空手の復興を目指すと共に、型は勿論、棒術、サイ、トンファなどの武器術や部位鍛錬(巻き藁・砂袋などをもちいて拳足の鍛錬を行うこと)そして、中国武術の意拳などから這・練などの鍛錬法を行ったり、空手界の鬼才、倉本成春による実践術も重視して、普段の稽古に取り入れられているようだ。
[編集] 役員
- 館 長・盧山初雄(第1回全世界大会準優勝)
- 副館長・廣重毅
- 本部長・湖山彰夫
- 副本部長・岡崎寛人
- 相談役・横溝玄象
- 国際相談役・ジャック・サンダレスク
- 名誉顧問、特別師範・孫立(中国武術、国際意拳会 大成館館長)
- 名誉顧問、特別師範・倉本成春(脩己會・最高師範、倉本塾塾長)
[編集] 全日本選手権大会歴代入賞者
年 | 回 | 優勝 | 準優勝 | 3位 | 4位 |
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2003年 | 第1回 | 市川雅也 | 古賀裕和 | 小林 正臣 | 船先雄 |
2004年 | 第2回 | 東海林亮介 | S・アブドゥラシドフ | 藤井脩祐 | T・ガスタシェフ |
2005年 | 第3回 | 船先雄 | 市川雅也 | 藤井脩祐 | 水谷玄 |
2006年 | 第4回 | 藤井脩祐 | 夏原望 | 市川雅也 | 岩田学 |