水野晴郎
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水野 晴郎(みずの はるお、1931年7月19日 - )は、日本の映画評論家、映画監督。
倉敷芸術科学大学教授、大阪芸術大学客員教授。本名は水野和夫(みずのかずお)。マイク・ミズノ (Mike Mizno) の通称でも知られている。血液型はA型。独身。
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[編集] 経歴
[編集] 生い立ち
1931年、岡山県高梁市に生まれた水野は満州で育ち、戦後岡山に引き揚げる。青年期には岡山から大阪・神戸・姫路の映画館に通っていた。慶應義塾大学文学部(通信教育課程)を卒業。元郵便局職員で、紙幣さばきの名人と称されていた。両親が早くに亡くなり、年の離れた妹を男手一つで育てた。
[編集] 映画界へ
1956年、20世紀フォックス映画に入社し映画界へ。その後日本ユナイト映画にヘッドハンティングされ、宣伝総支配人となり、1972年に独立。ユナイト映画在籍時、ビートルズの主演映画「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」や「真夜中のカーボーイ」、意図的に誤字を使った「007/危機一発」などの歴史に残る邦題を考案したのも彼であるとされる。
独立後は日本テレビ系の映画番組『金曜ロードショー』(当初は『水曜ロードショー』)の解説を担当。名文句「いやぁ~、映画って本当に(「ほんっとうに」と発音)いいもんですねぇ!」と共に、お茶の間の人気を集める。番組プロデューサーによると「クルーカットに口髭という一目で覚えられる風貌だったことが採用の決め手になった」とのこと。そのため収録時は口髭をメークで強調。当初はカメラの前で極度に緊張するのでNG連発だったという。本番前にココアや豆乳を飲むことで気持ちを落ち着かせる等、慣れるまでは苦労の連続だった。また、番組開始時はフィルム撮影だったためNGを出すとフィルムを廃棄して頭から撮り直しになるので「いつか上手くなって一発で決めよう」と意気込んでいたが、そうなる前に撮り直しの利くビデオ撮影に切り替わったと当時を振り返っている。
映画評論の仕事以外にも海外名作映画の輸入配給、テレビ番組の製作を手がける。なお、1983年参院選で新自由クラブ民主連合(新自由クラブと社会民主連合とが結成していた統一会派)から出馬、落選。
近年、兵庫サンテレビの映画番組「ドリームシアター」で解説を担当したが、体調不良により降板している。
また、現在α-Stationで放送されている「CHUMMY TRAIN」という番組では、水野による「いやぁ~、チャミトレって本当にいい番組ですね」というジングルが使用されている。これは以前この番組のゲストに呼ばれたときに収録したものと思われる。
映画「下妻物語」では、「主人公の白百合イチゴがコンビニで「水野晴夫」を見かける」という設定で本人役で出演していた。が、かなりの脇役である。
[編集] 「シベ超」
1996年からは『シベリア超特急』シリーズで映画監督としてデビューした。監督名義は「マイク・ミズノ」となっている。同映画はその奇天烈な内容から、「シベ超」の愛称で、一部の映画ファンからカルト的な人気を得て大人気シリーズとなっている。
[編集] 邦題・宣伝担当作品
[編集] 警察マニアの一面
水野は警察マニアとしても有名で、アメリカで保安官補(実際に活動する執行官)の体験勤務をしたり、パトカーのサイレン音を集めたレコード『世界のパトカー』をプロデュースし発売したこともあった。警官の制服を着ているときの満面の笑みは有名。かつては警察学校で警官の昇進に関わる本格的な講義を受け持っていたほか、現在でも日本各地の警察、警察大学校、警察学校で講演しているという。本業の映画解説にも米国警察や司法制度に精通する一面が随所で発揮された。
また、アメリカのパシフィック・ウエスタン大学より「警察学博士」号を授与されているが、この大学は実態のないディプロマミルである。
なお、日本のパトカーにアメリカ式のパトランプ、つまりバーライトを採用するよう提案したのは水野だという(本人談)。従来日本のパトカーにはルーフの中央に水平回転式の赤色警光灯がぽつんと取り付けてあるだけだったが、水野はアメリカで目にした大型の警光灯をみてこれだと思い、これをかねてから交流のあった警視庁のトップに提案したところ採用に至ったという(アメリカのパトランプの色は赤・青・橙など各色あるが、日本は規定で赤と決められていたため、色だけが変えられた)。但し警視庁は当時の資料がないので分かりかねるとしている。(フジテレビ「トリビアの泉」より)
[編集] 水野ファミリー
水野の弟子として、元漫才師の西田和昭(西田和晃)がいる。水野の片腕を務めるほか、現在もタレント、喜劇役者として活動している。 そのほか占野しげる、中野ダンキチらが水野ファミリーとして知られている。
[編集] 関連事項
- 浜村淳
- 西田和昭
- ナンシー関
- パンテオンシネマズAKiTA
- 水野晴郎シネマ館
- HANDSHAKING(第5回対談)
- ケータイ刑事
[編集] 外部リンク
- 水野晴郎ドットコム(公式サイト)
- 水野晴郎研究室(倉敷芸術科学大学)
- 早稲田大学人物研究会・水野晴郎講演録