阿久悠
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阿久 悠(あく ゆう、1937年2月7日 - )は、兵庫県津名郡鮎原村(現在の洲本市五色町鮎原)生まれの作詞家、作家。本名 深田 公之(ふかだ ひろゆき)。ペンネームの由来は「悪友」から。また、多夢星人のペンネームも持つ。
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[編集] 来歴
幼少期は、兵庫県警巡査であった父の仕事の都合で、いずれも津名郡内であるが、数年おきに転居を繰り返す。兵庫県立洲本高等学校卒業、明治大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。
広告代理店宣弘社でCM制作を手がけながら、1964年から放送作家としても活動。1966年に同社を退職し、放送作家、作詞家としての活動を本格化させる。処女作はザ・スパイダースのGSデビュー曲「フリフリ」のB面である「モンキーダンス」。現在は、オフィス・トゥー・ワン所属。
作詞家として数々のヒットをとばす。ジャンルは演歌、アイドル歌謡曲、フォーク、コミックソング、アニメソングと幅広い。日本テレビのオーディション番組「スター誕生!」に番組企画・審査員としてかかわる。 1977年、子供の歌を作りたい、と、「ぱくぱくポケット」というシリーズを手がけ、おはよう!こどもショーのコーナーでも歌われていた。
作品の総売上は6,000万枚を超える。
直木賞候補となり映画化もされた『瀬戸内少年野球団』など小説も手がける。
1982年には『殺人狂時代ユリエ』で第2回横溝正史ミステリ大賞を受賞。
[編集] 作詞した楽曲
[編集] 阿久悠名義
- あさみちゆき
- 青春のたまり場
- 梓みちよ
- 二日酔い
- トマトジュースで追いかえすのかい(大塚博堂と同曲)
- あべ静江
- コーヒーショップで
- みずいろの手紙
- 新井満
- ワインカラーのときめき
- 石川さゆり
- 津軽海峡冬景色
- 能登半島
- 石野真子
- 狼なんか怖くない
- わたしの首領
- 失恋記念日
- 日曜日はストレンジャー
- プリティー・プリティー
- ワンダー・ブギ
- 五木ひろし
- 傘ん中
- 契り
- 絆
- 五木ひろし&木の実ナナ
- 居酒屋
- 伊藤咲子
- ひまわり娘
- 乙女のワルツ
- 井上順
- 昨日・今日・明日
- 岩崎宏美
- 二重唱(デュエット)
- ロマンス
- センチメンタル
- 思秋期
- 二十才前
- シンデレラ・ハネムーン
- 大竹しのぶ
- みかん
- 大塚博堂
- 自由に生きてほしい(大塚たけし時代)
- センチメンタルな私小説
- 春は横顔
- トマトジュースで追いかえすのかい
- 大橋純子
- たそがれマイ・ラブ
- 燃えつきて
- 大橋純子&もんたよしのり
- 夏女ソニア
- 尾崎紀世彦
- また逢う日まで
- 柏原芳恵
- No.1
- 毎日がバレンタイン
- 第二章・くちづけ
- めらんこりい白書
- A・r・i・e・s
- 冬の孔雀
- 河島英五
- 時代おくれ
- ろまんちすと
- 香田晋
- 酒場の金魚
- 郷ひろみ
- 素敵にシンデレラ・コンプレックス
- 郷ひろみ&樹木希林
- 林檎殺人事件
- 小林旭
- 熱き心に
- 夢ん中
- 西城秀樹
- 君よ抱かれて熱くなれ
- ジャガー
- 若き獅子たち
- ラストシーン
- ブーメランストリート
- セクシーロックンローラー
- ボタンを外せ
- ブーツをぬいで朝食を
- 炎
- ブルースカイブルー
- 堺正章
- 街の灯り
- 桜田淳子
- 私の青い鳥
- はじめての出来事
- 十七の夏
- 気まぐれヴィーナス
- サンタモニカの風
- 沢田研二
- 時の過ぎゆくままに
- さよならをいう気もない
- 勝手にしやがれ
- 憎みきれないろくでなし
- あなたに今夜はワインをふりかけ
- サムライ
- ダーリング
- ヤマトより愛をこめて
- LOVE(抱きしめたい)
- カサブランカ・ダンディ
- OH!ギャル
- 酒場でDABADA
- 麗人
- ズー・ニー・ヴー
- 白いサンゴ礁
- すがはらやすのり
- D・51(でごいち)
- 杉田かおる
- 鳥の詩
- みかん(鳥の詩のB面であり大竹しのぶのカバー)
- ザ・スパイダース
- モンキー・ダンス
- リトル・ロビー
- ロビー・ロビー
- ザ・タイガース
- 色つきの女でいてくれよ
- チェリッシュ
- 若草の髪かざり
- Toshi & Naoko(田原俊彦と研ナオコのユニット)
- 夏ざかり、ほの字組
- Char
- 気絶するほど悩ましい
- 闘牛士
- 逆光線
- 伝書鳩
- 目覚めた時には晴れていた
- 中村雅俊
- 日付変更線
- 夏木マリ
- 絹の靴下
- 新沼謙治
- 嫁に来ないか
- 西田敏行
- いい夢見ろよ
- もしもピアノが弾けたなら
- 西田敏行&桃井かおり
- ルネッサンス
- 日吉ミミ
- 世迷い言
- ピンクレディー
- ペッパー警部
- S.O.S
- カルメン'77
- 渚のシンドバッド
- ウォンテッド(指名手配)
- UFO
- サウスポー
- モンスター
- 透明人間
- カメレオンアーミー
- ジパング
- 波乗りパイレーツ
- マンデー・モナリザ・クラブ
- OH!
- フィンガー5
- 個人授業
- 恋のダイヤル6700(シックスセブンオーオー)
- 学園天国
- フォー・クローバース
- 冬物語
- フォーリーブス
- 踊り子
- 藤圭子
- 京都から博多まで
- ペドロ&カプリシャス
- ジョニーへの伝言
- 五番街のマリー
- 都はるみ
- 北の宿から
- 南高節とかぐや姫
- 酔いどれかぐや姫
- 宮前ユキ
- GIVE UP
- ザ・モップス
- 朝まで待てない(阿久悠A面でのデビュー作品)
- 森進一
- 北の蛍
- 森田健作
- さらば涙と言おう
- 森田公一とトップギャラン
- 青春時代
- 下宿屋
- 森山加代子
- 白い蝶のサンバ
- 八代亜紀
- 雨の慕情
- 舟唄
- 山本リンダ
- どうにもとまらない
- じんじんさせて
- 狂わせたいの
- 狙い撃ち
- 和田アキ子
- 笑って許して
- あの鐘を鳴らすのはあなた
- もう一度ふたりで歌いたい
- アニメソング、特撮など
- ピンポンパン体操
- デビルマンのうた
- 今日もどこかでデビルマン
- 宇宙戦艦ヤマト
- 真っ赤なスカーフ(「宇宙戦艦ヤマト」エンディング)
- ヤマトより愛をこめて(「さらば宇宙戦艦ヤマト」エンディング)
- 銀河伝説(「ヤマトよ永遠に」)
- ファイヤーマン
- ウルトラマンタロウ
- ウルトラマンレオ
- ウルトラマンメビウス
- ぱくぱくポケットシリーズ
- バースディの唄
- イッチとエッチ
- スポーツの応援歌
- 地平を駆ける獅子を見た(西武ライオンズ球団歌)
- ダイヤモンドの鷹(福岡ダイエーホークス球団歌)
- 今ありて(選抜高等学校野球大会大会歌)
- ああ甲子園、君よ八月に熱くなれ(朝日放送・全国高校野球選手権大会中継テーマソング、熱闘甲子園テーマソング・挿入歌)
- ふり向くな君は美しい(日本テレビ放送網・全国高等学校サッカー選手権大会中継テーマソング)
[編集] 多夢星人名義
[編集] 阿久悠のチャート独占
1977年12月3日付けのオリコンシングルチャートでは、阿久悠作詞の楽曲が100位までに17曲チャートインした。1位がピンク・レディーの『ウォンテッド』、4位が沢田研二の『憎みきれないろくでなし』、6位が岩崎宏美の『思秋期』、10位が桜田淳子の『もう戻れない』、11位が新井満の『ワインカラーのときめき』、12位が石川さゆりの『暖流』、13位がピンク・レディーの『渚のシンドバッド』、14位が西城秀樹の『ボタンを外せ』、20位がささきいさおの『宇宙戦艦ヤマト』(アニメソング)、24位が石川さゆりの『能登半島』、26位が沢田研二の『勝手にしやがれ』、36位がCHARの『気絶するほど悩ましい』、47位が石川さゆりの『津軽海峡冬景色』、48位が岩崎宏美の『熱帯魚』、49位が新沼謙治の『ちぎれたペンダント』、54位が森田公一の『過ぎてしまえば』、79位がピンク・レディーの『カルメン'77』。
[編集] その他
「瀬戸内少年野球団」でもわかる通り野球ファンであるが、プロ野球では阪神タイガースのファンで阪神を題材にした小説「球臣蔵」を執筆しているほど。しかしながら西武ライオンズ・福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の球団歌は手がけているが、阪神の応援歌は書いていない。その上皮肉なことに阿久が作詞家になってから阪神はこの2球団のどちらとも日本シリーズで対戦している。また、ヒット曲では「ピンポンパン体操」「サウスポー」となぜか王貞治に縁がある作品を手がけている。
[編集] 著書
[編集] 小説
- 瀬戸内少年野球団 ISBN 4167321017
- 瀬戸内少年野球団 (続) ISBN 4167321025
- 家族の神話 ISBN 4061833235
- 家族元年 ISBN 4163130004
- 球心蔵 ISBN 4309011918
- 詩小説 ISBN 4120029727 (文庫)ISBN 4122043778
- 恋文 ISBN 4579303717
- ラヂオ ISBN 4140053461
[編集] エッセイ
- 文楽(ぶんがく)~歌謡曲春夏秋冬 ISBN 4309013546
- 夢を食った男たち―「スター誕生」と黄金の70年代 ISBN 4883157628
- 生きっぱなしの記 ISBN 4532164648