湯村温泉 (山梨県)
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湯村温泉(ゆむらおんせん)は、山梨県甲府市(旧国甲斐国)にある温泉。
同名の温泉が兵庫県美方郡新温泉町に存在する。また島根県雲南市には出雲湯村温泉が存在する。
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[編集] アクセス
- 鉄道 : 中央本線・身延線甲府駅よりバスで約15分。(甲府駅南口3番乗り場より)、竜王駅からタクシーで約10分。
- 車 : 中央自動車道甲府昭和インターチェンジから車で約15分、双葉サービスエリアスマートインターチェンジから車で約15分、韮崎インターチェンジから車で約25分。
- 高速バス : 新宿駅から湯村温泉への直行便が1日3往復ある。
[編集] 泉質
- ナトリウム・カルシウム - 塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
- ナトリウム・カルシウム - 塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
- ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
[編集] 温泉街
甲府駅の北西部に15軒の旅館、ホテルが存在する。各宿泊施設では、宿泊者専用の湯巡手形を発行している。
共同浴場は一軒存在する。
温泉街の里山である「湯村山」には武田信虎の時代から使われた、湯村山城(湯ノ島山城)の跡があり遊歩道が整備されている。山頂には当時の烽火台(狼煙台)が再現されている。
弘法大師開山の厄除け地蔵尊として知られる福田山塩澤寺、北山三十三観音巡りの一番札所である松元寺、湯の守り神を祭る湯谷神社、武田家縁の千塚八幡神社、芸妓稲荷、弘法水と弘法石芋伝説の残る龍元寺など多くの神社仏閣がある。
[編集] 温泉地周辺
- 景勝地昇仙峡までは車で約20分
- 千代田湖までは車で約10分
- 武田神社までは車で約10分
- 甲州善光寺までは車で約15分
- 山梨県立美術館・文学館までは車で約15分
[編集] 歴史
開湯伝説は2つ存在する。弘法大師による発見説(大同3年(808年)発見)、鷲が傷を癒している所を当時湯村に住んでいた農民が発見したとする説である。共同浴場に「鷲の湯」の名前が残る。
6世紀の古墳である加牟那塚と万寿森古墳があり、湯村山には地蔵古墳とか蝙蝠塚と呼ばれる積石塚古墳が5つあることから、古くから人が住んでいた場所であることが推定される(但し、その頃から温泉が湧出していたかは不明)。
『甲陽軍鑑』に拠れば、村上義清との上田原の戦い後、武田信玄が30日間湯治をしたと記述され、戦国時代には信玄の隠し湯で志磨の湯と呼ばれていた。
武田24将の一人である多田三八による天狗退治の伝説があり、「鬼の湯伝説」と呼ばれている。
江戸時代には、都を追放された良純親王が住んだ場所であった。江戸後期には葛飾北斎の団扇絵に、「勝景奇覧 甲州湯村」という題名で描かれている。
明治以降は、井伏鱒二、太宰治、松本清張、山口瞳、田山花袋、飯田蛇笏、竹中英太郎、中村宗久、赤池東山などの文人・俳人・画家・書家も逗留したり、住んだりしていた。