瀬戸内海式気候
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瀬戸内海式気候(せとないかいしききこう)は日本の気候区分の一つ。瀬戸内式気候(せとうちしききこう)や瀬戸内海型気候とも呼ばれることがある。
北は瀬戸内海を挟んで中国山地、南は四国山脈で遮られた地方の気候に見られる。
[編集] 特徴
年間を通じて温暖・少雨であるというのが最大の特徴で、日照時間は日本一である。降水量は年間1000~1400mm前後で、梅雨期と台風時に集中し、その他の期間は少ない。このため、夏に雨が少ない時には、旱害が起こる事もある。その対策として、農地に隣接した土地にため池を作ることが古くから行われた。宅地化や、利水の改善の結果でため池は減少傾向にあるが、現在(2006年)も、大阪府の泉州地域には大小様々なため池が(その本来の用途を失っているものも含めて)存在している。
特に岡山県では、1989年以降、岡山市では降水量1ミリ未満の日数が全国の県庁所在地では最多であるため、「晴れの国」を標語している。対岸の香川県も岡山市同様に年間降水量は少なく、冬でも温暖で晴天となる日が多い。九州の有明海沿岸部も温暖で降水量も少なく、瀬戸内海式気候に近い気候である。
福岡県北九州地方、大分県北部、山口県南部、愛媛県では関門海峡や周防灘からの北西の季節風の影響で曇天となりやすく、雨・雪の降る日もあるため、日本海側気候の特徴も見せる。
[編集] 瀬戸内海式気候の地方
- 畿内(大阪府、兵庫県南東部(阪神)、和歌山市付近)
- 山陽地方(兵庫県南西部(播州地方)、岡山県南部、広島県南部、山口県南部)
- 四国(香川県、愛媛県東予地方・中予地方、徳島県鳴門付近)
- 九州(福岡県北九州地方(豊前地方)、大分県北中部)