焼結
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焼結(しょうけつ、Sintering)は、固体粉末の集合体を融点よりも低い温度で加熱すると固まって焼結体と呼ばれる緻密な物体になる現象。焼成は、一般に焼結を目的とした加熱処理のことを指す。
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[編集] 現象
焼結は温度によって加速される。焼結によって物体の外形寸法は小さくなり、物体全体として見た密度、強度、及び弾性率は大きくなる。焼結の過程において物体は完全な液体にはならないため、焼結体の形状は加熱前の形状がおおむね維持される。但し、粉末組成や温度などの不均一性、あるいは重力などの影響を受けて変形することもある。焼結によって形成される物体は多結晶体であることが多いが、アモルファスが形成されることもある。焼結の程度は物質の理想的な密度に対する比率、あるいは気孔率で表される。
[編集] 機構
互いに接触している粉末粒子は熱力学的に非平衡な状態にあり、表面の面積を減少する方向に物質の移動が起こり、粉末粒子間に結合が生じて緻密な物体となる。つまり焼結の駆動力は物質の表面が持つエネルギーを最小にしようとする力、すなわち表面張力である。形状が凸形となっている部分から凹形となっている部分へ物質が移動することによって粒子間の接触面積が拡大し、粉末粒子間の接触面中心部付近から接触面周辺部へ物質が移動することによって粒子間の距離が短くなる。焼結は物質が移動する機構によって以下のように分類される。
- 物質が固体内部の拡散現象によって移動するものが固相焼結である。
- 物質が粉末表面に生成した微量の液体に溶解し移動した後に析出するものが液相焼結である。
- 物質が気化し気体となって移動した後に凝固するものが気相焼結である。
[編集] 制御
焼結はセラミックスの製造や粉末冶金などにおいて広く利用されており、安定して製造するために様々な手法で制御される。
- 加熱は熱力学温度で融点の90パーセント以上の温度が目安となるが、最適な温度は物質の種類、粉末の形状、粉末の充填状態などによって変動する。
- 一般に加熱は空気中で行われることが多いが、様々な種類のガスを用いることもある。また、真空中あるいは高圧力ガス中で加熱することもある。
- 機械的な圧力を加えて焼結を促進することもある。
- 焼結の促進や安定化のために焼結助剤と呼ばれる添加物を用いることも多い。