発泡酒
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発泡酒(はっぽうしゅ)とは、日本において、麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するものをいう。
酒税法第3条によると、酒類は「雑酒」のほか、「ビール」「リキュール」など17種類に分類され、それぞれ以下の定義が与えられている。
- ビール
- 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの。
- 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの。ただし、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の50を超えないものに限る。
- 発泡酒
- 麦芽又は麦を原料の一部とした酒類(同法第3条第7号から第17号までに掲げる酒類及び麦芽又は麦を原料の一部としたアルコール含有物を蒸留したものを原料の一部としたものを除く。)で発泡性を有するもの(アルコール分が20度未満のものに限る。)をいう。
- リキュール
- 酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が2度以上のもの(酒税法第3条第7号から第19号までに掲げる酒類、同法第2条第1項に規定する溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)をいう。
- その他の醸造酒
- 穀類、糖類その他の物品を原料として発酵させた酒類(同法第3条第7号から第18号までに掲げる酒類その他政令で定めるものを除く。)でアルコール分が20度未満のもの(エキス分が2度以上のものに限る。)をいう。
- 雑酒
発泡酒は、ビールに比べ酒税の税率が低いので、アルコール飲料の売れ筋商品でもあったが、二度の酒税改正により、チューハイなどに比べ、割安感があまり感じられなくなってきたのが実情である。
最近ではビールでも発泡酒でもない『第三のビール』と呼ばれる「ビール風味アルコール飲料」がサッポロビール(ドラフトワン)やサントリー(スーパーブルー)から発売されており、発泡酒よりも350ml缶で10円以上も安い。アサヒビールも「新生(しんなま)」(のちに「新生3(しんなまスリー)」に改名)という新商品を2005年4月20日に発売、キリンビールも同年4月6日に「のどごし<生>」を発売することになり、「第三のビール」と呼ばれるアルコール飲料は大手メーカー4社全てが出すことになる。さらに、「第三のビール」の最後発としてサントリーが2005年7月26日に「キレ味<生>」を発売した。
なお、サントリー「スーパーブルー」は発泡酒とスピリッツを原料としているため「リキュール」に分類。サッポロ「ドラフトワン」は麦も麦芽も一切使用せず、麦芽の代わりに「エンドウたんぱく」を使用。アサヒ「新生(しんなま)」(現・「新生3(しんなまスリー)」)は麦と麦芽の代わりに「大豆ペプチド」を使用している。キリン「のどごし<生>」は「大豆たんぱく」を使用。サントリー「キレ味<生>」は「とうもろこし」を使用している。麦や麦芽を使用しない発泡酒は「その他の醸造酒(1)」に分類する。
日本独自のジャンルではあるが、海外メディアでは low malt beer や happoshu と紹介されることもある。
[編集] 歴史
- 1940年代 第二次世界大戦中、麦芽の量を減らしたビールを開発したが、商品化はされなかった。
- 1994年 輸入ビールに対抗して、サントリーが「ホップス」を発売、麦芽比率は65%だった。
- 1995年 サッポロビールが「ドラフティー」を発売(麦芽比率25%未満)
- 1996年 発泡酒税率改正に伴い、サントリーも麦芽比率を25%未満に減らした「スーパーホップス」を発売
- 1997年 オリオンビールが「アロマトーン」を沖縄県などで発売
- 1998年 キリンビールが「麒麟淡麗〈生〉」を発売、発泡酒売り上げNo.1になる大ヒット商品となった。
- 2001年 アサヒビールが「本生」(現本生ドラフト)を発売
- 2003年 酒税法が改正され、350ミリリットル缶で約10円値上がりした。
[編集] 各ビール会社の現在発売中の発泡酒
- キリンビール
- 麒麟淡麗〈生〉
- 淡麗グリーンラベル
- 淡麗アルファ
- 円熟
- 円熟 黒
- 極生
- 白麒麟(冬季限定)
- アサヒビール
- アサヒ本生ドラフト
- アサヒ本生アクアブルー
- 贅沢日和
- スタイルフリー
- サッポロビール
- 北海道生搾り
- 雫<生>
- サントリー
- MDゴールデンドライ
- ダイエット<生>
- 炭濾過 純生
- オリオンビール
- 麦職人
- 鮮快生
- オリオンスペシャル