祭囃子

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祭囃子（まつりばやし）は祭りの際に演奏される音楽で、邦楽のジャンルのひとつ。単に「はやし」と呼ばれることも多いが、この場合歌舞伎や能、神楽などの舞台芸術に付随する音楽的要素としての「囃子」は含まれず、祭りに付随した音楽をさす。

[編集] 概要

祭囃子は地域ごとに違いのある祭りに密着して発展したためか、日本全国でおなじ曲や楽器構成を指すのではない。また、その目的や性格も祭りに由来し、一般的に童謡「村祭り」に登場するようなにぎやかと思われる雰囲気も一概にはいえず、したがって、「祭囃子」といっても多種多様である。太鼓の奏法である複式複打法を用いる演奏形態（組太鼓形式）を祭囃子と呼ぶ地域もあり、祭囃子という言葉が意味する部分は非常に多様化しているのが現状である。

[編集] 奏者

他の邦楽との違いとして祭囃子の奏者は祭りを主催する神社や寺社の氏子や檀家である場合が多い。他の邦楽はプロ奏者が存在し、その奏者が祭囃子を行うこともあるが祭囃子のプロ奏者というのは数がすくない。兼任する奏者としては、太神楽師や神楽師、邦楽家、神職など。神輿の担ぎ手や山車の引き手にプロがいないのと同じように、氏子や檀家が祭りのために練習をし、祭りのときのみ演奏してきた経緯があり、ここでも地域に根付いている特徴が垣間見える。又、地域によっては奏者が少年少女となる場合がある。

[編集] 楽器

使用する楽器は、和楽器である。その中でも笛（篠笛・能管・龍笛など）、太鼓（締太鼓、中音の打楽器を担当する）、大太鼓（大胴、低音の打楽器を担当する）、鉦（摺鉦・当たり鉦、高音の打楽器を担当する）の5種が多いが、地域によっては大拍子や団扇太鼓、担ぎ太鼓、弦楽器などを取り入れるところもある。また、神輿に太鼓を結びつけ、その太鼓のみを打つ場合などもある。また謡が入る囃子や木遣り(手古舞)と合わさる場合、また掛け声が入る場合もある。

[編集] 演奏形態・服装

多くの場合、神社にある能舞台、神楽殿、もしくは祭りの開催される地域に舞台を作り演奏をする。同様に行列をなして山車、屋台などに乗り演奏することも多い。演奏するときには半天(半纏、袢纏、法被)や派手な和服を着衣することが多く、又、地域によっては、厚化粧をする場合もある。これらも根付いた地域により違いがあり、先述の奏法の違いや奏者の兼任する職業などが大きく影響している。