腰パン
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腰パン(こしパン)とは、ズボン・パンツを通常より低い位置で履くファッション。日本ではヒップホップ系ファッション以外では1990年代後半に男子高校生の間で制服の着方として流行り、またサーファーやスケーターのファッションでもあったが一度廃れ、再び2000年ごろから私服のファッションとして流行り始めた。オーバーサイズのパンツを臍より3cm~4cm下げて履くのが一般的。
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[編集] 概要
英語ではsagger(sagは垂れ下がったという意味)と呼ばれ、元々は、ニュースクールのヒップホップファッションだった。その始まりには諸説有るが、その一つにサイズの少ない囚人服は、たいてい大きめの物が用意されており、ベルトの着用が許されていなかったため、自然とずり落ちてきたとされる。ヒップホップは抑圧されたアフリカ系やヒスパニック系の文化であり、社会への反骨と受刑者への羨望、あるいは実体験から腰履きを始めたと言われる。ズボンからはみ出すトランクスやボクサーパンツは見えることを前提に着用するが、シャツを長めにしたり、ズボンの中に入れたりして下着を見せない人もいる。ズボンのシルエットは、初期では太くルーズのものを履く傾向があったが、最近では細身なども用いられる。後ろのポケットが大きいズボンは、普通にはいても下がって見えるように作られており、2005年後半あたりから、ウエストが2重になっているダブルウエストパンツも登場している。日本では、グッドシャーロット、BUSTED、Mcfly、RIZEなどパンク系のバンドやそれらのファンも好む。また、スノーボードのウェアの着方にも見られる。
1990年代後半腰パンブームは、関東から全国へ広がり、茶髪・ミニスカート・ルーズソックスと並び一時学校を悩ませる社会問題となった。また、腰パン全盛期世代は、社会人になってもスーツで腰パンをするものもいる。2000年以降の腰パンは、私服でのものが主流であるが、一部の都道府県の中学・高校ではいまだに制服で、ボンタンやスケーターなど、校則で違反しているズボンを履き腰パンをしているものもいる。ここ最近腰パンブームは終わったといわれているが実際は都会や田舎と関係なく、北海道~沖縄までのほとんどの小・中・高・大学生(男子を中心に)も腰パンをしている生徒が多く見られることから茶髪などと同じように、制服を腰パン=不良というイメージではすでになくなっていることが伺える。さらにはファッションにも腰パンは定着していることから一時期腰パンについては賛否両論分かれたが、「腰で履く」ということにおいてひとつのパンツの履き方として認知されている。また、若者の間だけでなくそれはお洒落に関心のある中高年の層にも広がっている。腰パンをする理由としては「モテたい」「かっこつけたい」など女子に対してのメッセージであるとともに、「みんなやってるからやってる」など時代遅れにならないようにするための対策でもあるらしい。しかし、短足に見えて格好悪いという意見もある(モンゴロイドはアーリア人やコーカソイドに比べて胴が長く脚が短い)。また、近年では女子の間(主に中学生)でも学校指定ジャージ、スウェットなどで腰パンしている生徒も多く見受けられるようになり、男子に限ったものではなくなってきている。
[編集] 腰パンファッションの有名人
- V6の森田剛は腰パンをしている。お腹をくださないためらしい。
- お笑い芸人のロバート (お笑い)、オリエンタルラジオなどお笑い芸人の一部も腰パンをしている。
- サッカー選手柳沢敦、ロナウジーニョ、ベッカムなどサッカー選手のほぼ全員が腰パンをしている。
- その他スポーツ選手では北島康介、亀田三兄弟も腰パンをしている。
[編集] トリビア
- ダイバスターというテレビ番組で、腰パンの男は小川を跳び越すことができるかという問いに対し、飛び越すことができなかったように、腰パンは下げすぎると走りづらく階段も上りづらい。
- 一時期腰パンは時代遅れ、または懐かしいと言われたりするが、実際のところ現在は若者の腰パン率は高く、北アメリカ・ヨーロッパ・日本だけでなく、中国・韓国・台湾などアジア各国でも定着している。