西洋占星術
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西洋占星術(せいようせんせいじゅつ)は、占星術の一種。
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[編集] 起源
古代バビロニアの占星術が、ヘレニズム時代にギリシャに伝えられたのが始まりとされる。
太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星の10天体を主に使う。
生まれた瞬間、その場所からの空の星の配置を基本として占う。(しかし実際は「デリニエーション」(解読)といい、俗に言う占いではなく、ホロスコープに示された星や星座の象徴体系を解釈していく)生年月日・生まれた時間・場所のデータが必要。
[編集] 西洋占星術の技法
- 出生図(ネイタルチャート)
- 占われる者の生まれた瞬間の天体配置を出して、どのような運勢を持っているかを占う。(より正確には「バースチャート」といい、占星学の基本とされる)
- 進行図(プログレス)
- そのときの占われる者の内的動機を占う。自分の中でこういう時期が来たということや今の気分などを示す。(未来予知法の一つだが、様々なプログレスのさせ方があり、根拠はトランジットと比較してやや曖昧である)
- 経過図(トランジット)
- そのときの占われる者の外的動機を占う。外部からの影響で起こる変化を示す。時期を見るのに便利である。(未来予知法の一つ、天文学的に計算された実際の星の配置を根拠にするので、プログレスより根拠が科学的。特に占星学的にはサターンリターン(土星回帰、29歳と60歳の危機)、天王星のサイクル(中年の危機)が有名。
- 相性(シナストリー)
- 自分と占う相手(人や組織や物など)との相性を見る。実際には2重円を作り細かく相性を見ていく。(2重円に限らず、複数のチャートを重ね合わせる。また相性とは一言で良し悪しが言えるものではないので、正統派占星術では「その人たちがより世界の全体性を知るため、自らの心の中にある潜在的無意識から沸き起こる象徴体系を、他者を通じて再認識し、それによってお互いの人格を高めていく為の臨床的な技法」のことを呼ぶ)
- 合成図(コンポジット)
- グループ(2人以上)を占うことができる。Aという人とBという人を合わせると、化学反応を起こしたようにCというまったく違った人格が出来上がる。
- ソーラーリターン
- 占われる者の誕生日から次の誕生日までの1年間を占う。
- ハーモニクス アストロジー
- 使おうと思えば使える能力はたくさん潜んでいる。それを発見し活用する。
- ホラリー
- 「彼と結婚したほうがよいか」など、答えをはっきりと出す。相手の気持ちなどもはっきりと出る。また、探し物、探し人を探し出す。(クライアントが質問を発した瞬間のチャートを基本とする為、ネイタルより即効性があるが、占星術師にある程度の経験が要求される。)
- エレクショナルチャート
- 物事の始まりの日時、良い日、良い時間、方角を探す。開店、結婚、試合、出発などに活かす。
- リロケーション
- 占われる者がどこへ行けば幸福を手に入れることができるのか、また、行ってはいけない場所を教える。さらに、何県(国)の人と縁がありそれは良縁か悪縁かを見抜く。
- サビアン アスロトジー
- 各星座でも細かく分かれる。例えば牡羊座(白羊宮)だけでも0度~29度までの意味がある。前半と後半とではそのサインも違うものになってくる。合計360の意味があり、かなり細かいところまで落とし込んで占う。(ソルボンヌ大学出身のルディア・ディーンによる技法。現在日本でも主流になりつつあるが、ザビアンシンボルの定義がやや曖昧)
- イベントチャート
- 何かのイベントが起こった瞬間の天体配置図でその事件の本質を見抜く。
[編集] 関連項目
- 西洋占星術の用語一覧
- 太陽系
- ルーラー(守護星)
- サイン (占星術)、サン・サイン、アセンダント・サイン、ルナー・サイン
- デーク
- ハウス (占星術)
- 惑星 (占星術)
- アスペクト (占星術)
[編集] 外部リンク
[編集] 関連書
- 中山茂『占星術』 紀伊国屋書店 ISBN 4314009853
- バートン,タムシン 豊田彰 訳『古代占星術―その歴史と社会的機能』法政大学出版局 ISBN 458835602X
- H.J.アイゼンク、D.K.B.ナイアス 岩脇三良 訳『占星術―科学か迷信か』誠信書房 ISBN 4414304083