海王星
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海王星![]() Neptune |
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ボイジャー2号による撮影 (1989年8月16日から8月17日にかけて) |
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発見 | |||||||
発見年 | 1846年9月23日 | ||||||
発見者 | ユルバン・ルヴェリエ |
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軌道の性質 | |||||||
太陽からの平均距離 | 30.068964 AU | ||||||
平均公転半径 | 4,498,252,900 km | ||||||
離心率 (e) | 0.00858587 | ||||||
公転周期 (P) | 164年 288日 13時間 | ||||||
会合周期 | 367.5 日 | ||||||
平均軌道速度 | 5.4778 km/s | ||||||
軌道傾斜角 (i) | 1.76917° | ||||||
太陽の惑星 | |||||||
衛星の数 | 13 | ||||||
物理的性質 | |||||||
赤道面での直径 | 49,572 km | ||||||
表面積 | 7.65 × 109 km2 | ||||||
質量 | 1.024 × 1026 kg | ||||||
平均密度 | 1.64 g/cm3 | ||||||
表面重力 | 11.0 m/s2 | ||||||
脱出速度 | 23.71 km/s | ||||||
自転周期 | 16時間 6.5分 | ||||||
アルベド(反射能) | 0.41 | ||||||
表面温度 |
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大気の性質 | |||||||
大気圧 | 深さによって異なる | ||||||
水素 | >84% | ||||||
ヘリウム | >12% | ||||||
メタン | 2% | ||||||
アンモニア | 0.01% | ||||||
エタン | 0.00025% | ||||||
アセチレン | 0.00001% | ||||||
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海王星(かいおうせい、Neptune)は、太陽系の太陽に近い方から8番目の惑星。太陽系惑星の中では最も太陽から遠い位置を公転する惑星である。名称のNeptuneは、ローマ神話における海神ネプトゥヌスにちなむ。
目次 |
[編集] 物理的性質
海王星は巨大な氷惑星で、太陽から非常に離れているためわずかな熱しか受けていない。表面の温度は-218℃である。 内部の構造は天王星と似ていると考えられている。氷に覆われた岩石の核を持ち厚い大気が存在している。また、ボイジャー2号の接近時に表面に大暗斑(だいあんはん)と呼ばれる台風の渦巻きの様な模様が発見されたが、その数年後に地球からの観測が行われた時には既に消滅していた。
木星や土星同様、内部に熱源を有しており、太陽から受けている約2倍ほどの熱を、自ら供給していると考えられている。
[編集] 海王星の観測と探査
海王星はガリレオ・ガリレイやジェローム・ラランドによっても観測されていたが、当時は恒星と思われていた。
天王星の発見後、その摂動から未知の惑星が存在すると考えられるようになった。アダムスとルヴェリエがそれぞれに予想軌道を算出し、ガレが発見した(ただし彼らが計算した軌道と海王星の軌道は大きく異なっており、たまたま予想位置の近くにあったために発見できたとも言える)。
海王星の公転周期は約165年であり、2011年には最初に発見されたときの位置に戻る。海王星は美しい青色であり、それは天王星と同じく大気に含まれるメタンの影響である。天王星に比べより青みが深い理由は未知の化合物によるものと考えられている[1]。
海王星を訪れた探査機はボイジャー2号だけである。1989年8月24日に最接近した。なお、NASAでは2016~17年頃に打ち上げ、8~12年後に海王星へ到達するネプチューン・オービターの構想がある。
[編集] 海王星の衛星と環
海王星の衛星と環を参照。
2007年2月現在、海王星の衛星は13個発見され、すべて名前が付けられている。また、離心率の大きな軌道や逆行する軌道を描いている衛星も多く、海王星に捕獲されたエッジワース・カイパーベルト天体ではないかと考えられている。
他の大惑星同様、海王星にも環があると考えられていたが、地球からの観測では周回軌道の一部だけを覆う不完全な環しか見つからず、「リング・アーク」または「アーク」と呼ばれていた。ボイジャー2号の探査によって4本の完全な環が見つかり、リング・アークは環の中の特に明るい部分であった事も判明した。
衛星はギリシア神話における海や水の精霊、環は海王星と関係の深い天文学者、リング・アークはフランス語の抽象名詞から取った名が付けられている。
[編集] 人類と海王星
[編集] 歴史と神話
ネプチューン=海王星は古代人の命名ではなく、近世以降に発見された惑星に他の惑星に倣い「未使用の神話上の大物」の名が付けられたもので、天体の外見や運行上の特徴と付けられた神名の関わりは希薄である。命名当時は最外周の惑星だったため「深淵」のイメージを付与された命名である。ネプチューンはローマ神話の海の神で、ギリシャ神話のポセイドンに当たる。 西洋占星術ではうお座(双魚宮)を守護する星とされている。
[編集] 惑星記号
ネプチューンの得物である三叉矛を図案化したものが、占星術・天文学を通して用いられる。
[編集] 註
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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