赤いけしの花
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《赤いけしの花(露語:Красный мак )》作品70は、ミハイル・クルィコの台本によるレインゴリト・グリエールのバレエ音楽。ソ連邦初のバレエであり、また近代の革命を題材とした最初のバレエでもあった。
目次 |
[編集] 音楽
1927年に3幕8場のバレエとして作曲され、初演の主役を務めたバレリーナのエカテリーナ・ゲリツェルに献呈された。後に1949年と1955年の2度にわたって改訂が施され、1949年版では新たな登場人物が追加され、さらに1955年版では題名が《赤い花(露語: Красный цветок)》に改められた。
偶然とはいえプッチーニの《トゥーランドット》と同時期の作品であり、中国風の五音音階を用いた旋律がしばしば登場する。その一方で、半音階技法や変化和音、全音音階が活用され、また同時代性を出すためにチャールストンが模倣されるなど、近代的な要素も見受けられる。だが作風としては全般的に、後期ロマン派音楽の伝統に留まっており、題材や筋書きにおいてロシア5人組以来の伝統というべきオリエンタリズムの傾向も顕著である。
[編集] 楽章構成
全曲中で『ソヴィエト水夫の踊り』が特に名高い。この曲は、グリンカが幻想曲《カマリンスカヤ》に用いたのと同じロシア民謡「小さなリンゴ "Яблочика" 」の旋律に基づいている。
- 第1幕
- 導入部
- 苦力(クーリー)の踊り
- 情景(タオ・ホアの登場)
- レストラン
- マリクの踊り
- ボストン・ワルツ
- 西洋人の踊りの情景(船長の登場と水夫の踊り)
- タオ・ホアの情景
- 金の指のヴァリアシオン
- 苦力の勝利の踊り
- ソヴィエト水夫の踊り
- 第2幕
- 導入部~喫煙室の情景
- 情景
- 中国の女性の踊り
- 4人の女神のアダージュ
- アダージュ
- 前奏曲
- タオ・ホアの幻覚
- 情景:入場
- 剣の舞
- 不死鳥
- アダージュ
- ばら色の船
- 第3幕
- チャールストン
- レストランでの踊り
- 中国の劇場の用意日
- 傘の踊り
- あやつり人形の踊り
- 中国の雑技と舞踊
- 謀議の情景
- 混乱の情景
- 船長の情景
- タオ・ホアの情景:船出
- 反乱の情景
- タオ・ホアの死
- 大団円
(上記の訳名は、おおむねナクソスの日本語リーフレットに従った。)
[編集] 初演と振付け
- 初版-1927年6月14日:第1幕と第3幕=レフ・ラシチリン、第2幕=ワシーリー・ティホミロフ。ボリショイ劇場にて
- 改訂版-1949年12月30日:レオニード・ラヴロフスキー。ボリショイ劇場にて。
- 「赤い花」版-1957年11月24日:ワシーリー・ティホミロフ(台本は引き続きクルイコ)。旧版より曲数が増やされた。
[編集] 組曲版
出典に同じく、70という作品番号が付けられている。
- 英雄的な苦力の踊り
- 情景と舞曲
- 中国の踊り
- 不死鳥
- ワルツ
- ソヴィエト水夫の踊り
[編集] 劇構成
[編集] 登場人物
- タオ・ホア Tao Khoa (ヒロインの踊り子。中国人)
- リ・シャンフー Li Shanfu (タオ・ホアのマネージャーで外国人の暗殺を目論んでいる)
- ロシア人船長(タオ・ホアと恋に落ちる)
- 中国人奇術師
- 港長
- マ・リチェン Ma Lichen (1949年改訂版から導入された配役)
[編集] すじがき
[編集] 受容史
- 1929年 レニングラード劇場
- 1943年 モンテカルロ・ロシア・バレエ団
- 1928年および1930年 スヴェルドロシク
- 1928年および1949年、1958年 サラトフ
- 1941年および1950年 ゴーリキー
- 1949年 ペルミ
- 1949年および1958年 キーロフ劇場
- 1950年 ノヴォシビルスク
- 1950年および1961年 クィブィシェフ
- 1962年 ヴォルゴグラード