逆エビ固め
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
逆エビ固め(ぎゃくえびがため,reverse boston crab)はプロレス技のひとつ。
アメリカ人プロレスラー、ジム・ロンドスによって開発されたと言われている。フォール技であるボストンクラブ(エビ固め)を裏返したような形になるためリバース・ボストンクラブと呼ばれる。
エビ固めは港町であるボストン名物の大型甲殻類を模してボストンクラブというネーミングがなされたという。
仰向けになっている相手の両足をそれぞれのわきの下にはさみこみ、そのまま相手の身体をまたぐようにステップオーバーして、相手の背中を反らせて背中・腰を極める。プロレスの基本技のひとつ。片足だけを極める場合は逆片エビ固め(リバースシングルボストンクラブ/リバースハーフボストンクラブ)と呼ばれる。逆片エビ固めでは足首や膝をも極める場合が多い(後述)。
かつて小中学校でプロレスごっこが流行っていた頃、この技による窒息死で死者が出るほど非常に危険な技である。そのため、まだ体力の付いていない若手レスラーのフィニッシュ・ホールドとなる場合も多く、素人が遊び半分でこの技の真似をするのは避けるべきである。
新日本プロレスでは、坂口征二や藤波辰爾等がよく使っていた。藤原喜明はマットに頭を付け倒立し、身体を反転させて抱えられた脚をクロスした状態から相手を投げ飛ばすという返し技を開発して使っていた。平成以降では佐々木健介が2000年夏のG1クライマックス決勝においてフィニッシュとして使用、中西学を下して注目を集めた。
[編集] 派生技
- 逆片エビ固め(リバース・ハーフ・ボストンクラブ)
- 相手の片足を抱えて極める逆エビ固め。原型の逆エビ固め同様、数多くのレスラーによってフィニッシュ・繋ぎ技双方で現在に至るまで幅広く使用される。ランス・ストームは「カナディアンメイプルリーフ」の名称でフィニッシュとして使用していた。また旧UWF勢は「ジャパニーズ・レッグクラッチ」と呼称していた。相手の足首・膝を両手のクラッチを用いて極めることを主目的とした技であることから、通常の足首をホールドする本来の逆片エビと区別していた。一般的には同一の技として認識される。
- 抱え込み式逆エビ固め
- 新日本に登場していた頃のスティーブ・ウィリアムスが使用していた。後に天山広吉が本名の山本広吉時代に使用。相手の両足を、自らの胸の前で抱え込むように固めてかける。ヤングライオンがある程度成長してからこの技を使うことも多い(山本尚史、裕次郎ら)。
- 長州力の必殺技。相手の両足をクロスし、自分の足を差し込んで固定。そのまま跨ぐようにステップオーバーする。背中、腰に加え、両足の関節も決めていく。英名はスコーピオン・デスロック。
- 両足をクロスし、自分の腕で固定して決める変形のサソリ固め。元祖はテリー・ファンク。
- シャチホコ固め
- ハース・オブ・ペイン:
- ラッソ・フロム・エルパソ:
- 腕取り逆片エビ固め
- 川田利明がフットルース時代の短期間使用。相手の片腕を、自らの足で巻き込んでハンマーロックに極めておき、同時に足を取って逆片エビ固めとの複合技に極める。後に格闘探偵団バトラーツの石川雄規が「情念固め」として復活させる。