関東バス青梅街道営業所
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関東バス青梅街道営業所(かんとうバスおうめかいどうえいぎょうしょ)は、東京都練馬区関町南にあり、主に同区西南部および杉並区北部の路線を担当している営業所である。1957年5月21日に宿町(現在の上荻4丁目)にあった荻窪営業所の移転により開設された。営業所敷地内と上石神井南町の立野橋停留所近くの2箇所に車庫を有する。
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[編集] 沿革
[編集] 現行路線
[編集] 中瀬町線
中瀬町線は、荻窪駅より環八通りを北上し、中瀬地区を経由して下井草駅へ至る路線である。線名となっている中瀬町は、下井草四丁目周辺の旧町名である。
[編集] 井荻線
[編集] 荻窪線
- 荻30:荻窪駅北口~八丁~善福寺~青梅街道営業所(平日は深夜バスを運行)
- 荻32:荻窪駅北口~八丁~善福寺~青梅街道営業所~武蔵関駅
- 荻34:荻窪駅北口~八丁~善福寺~青梅街道営業所~北裏
- 荻35:荻窪駅北口~八丁~善福寺~青梅街道営業所~北裏~武蔵野大学
- 荻36:荻窪駅北口~八丁~善福寺公園~南善福寺
- 荻32(出入庫):青梅街道営業所~武蔵関駅
- 荻34(出入庫):青梅街道営業所~北裏
- 荻35(出入庫):青梅街道営業所~北裏~武蔵野大学
- 荻36(出入庫):青梅街道営業所~善福寺公園~南善福寺
荻窪線は、荻窪駅から青梅街道を西進する路線であり、本営業所管内の主力路線である。朝ラッシュ時には、桃井4丁目~荻窪駅間は各路線あわせて1時間に約40本と、高頻度で運転される。また、午前7時~9時の間、荻窪駅方向の便はバス専用レーンを走行する。沿線は公共交通に対する需要が高い地域で、かつては丸ノ内線が青梅街道下を田無駅まで延長されるという計画もあった。
荻窪線の基幹系統は、荻32・34である。1978年まで、荻窪駅~北裏間には荻33系統という善福寺まで通過する急行路線もあった。荻36は、八幡宮裏から青梅街道を離れ、南善福寺に至る系統で、終点付近は杉並区と練馬区・武蔵野市の境界にあたる。スペースが狭いため、南善福寺の折返場にはターンテーブルがある。荻35は、西東京市の武蔵野大学に至る系統であるが、運行は平日の朝に数回のみである。武蔵野女子学院が共学に変わったことから、2005年12月15日より停留所名が武蔵野大学に変更になった。しかし、方向幕は「武蔵野女子学院」のまま。荻30は、基本的には出入庫の系統であるが、深夜バスが数本運行されている。
これら荻窪線の歴史はさかのぼると、1945年に関東乗合に合併した昭和自動車商会の路線に行き当たる。同社は1927年5月5日より、荻窪駅~関(現・関町二丁目付近)において営業していた。戦後、この付近の青梅街道上では、各事業者が戦前の事業エリアを越え、都心~郊外を結ぶ長距離路線をはじめとする新路線を開設していくこととなり、関東バスもこれに応じて荻窪線を関から北裏まで延長、最盛期には東伏見や田無橋場、武蔵小金井に達する系統を運行した。
[編集] 立教線
- 荻40:荻窪駅~八丁~西荻窪駅~立教女学院(循環)
- 西20:西荻窪駅~立教女学院(循環)
- 荻41:荻窪駅→八丁→西荻窪駅
- 荻31:荻窪駅~八丁~プロムナード荻窪
- 荻43:西荻窪駅→プロムナード荻窪→八丁→荻窪駅
立教線は、荻窪駅と三鷹台駅近くにある立教女学院とを結ぶ系統、およびプロムナード荻窪とを結ぶ系統からなる路線である。プロムナード荻窪は、閉鎖された日産自動車荻窪工場の跡地(併設されていた日産プリンスのショウルームは存続)に建てられた、14階立て×4棟から成る、総世帯数331戸の団地である。
立教女学院への路線は、戦前五日市街道周辺で営業していた進運乗合自動車によって開設された古い路線である。立教女学校は都心にあった校舎を関東大震災で失い、1924年に仮校舎を現校地に建設、移転した。これを受け、1928年6月1日に西荻窪駅~立教高女前循環線として開通したものである。この区間の循環ルートは、開通から今に至るまでほとんど変わっていない。
荻窪駅から立教女学院への直通運転が始まったのは戦後になってからのことである。かつては荻窪駅南口から中央線の南側(1960年時点では荻窪小~神明通りを経由、1969年では神明中学口経由)を通って運行していたが、道路が狭隘なため、1970年代に荻窪駅北口~八丁~西荻窪駅の系統と統合のうえ、青梅街道を経由するルートに変更された。西荻窪駅で乗降する客が多いため、西荻窪駅~立教女学院間の折り返し便が運行されている。また、西荻窪駅付近の道路状況により、折り返しをせずそのまま青梅街道営業所に入庫する運用もある。
また過去には荻窪駅~松庵二丁目間は荻40と同一経路を辿り、井の頭通りを西進し吉祥寺駅南口経由三鷹駅行という荻70系統も存在していた。
荻31は、プロムナード荻窪の入居開始により、2005年3月16日に誕生した新しい系統である。プロムナード荻窪から300mほど南下すると日産自動車前のバス停があり、そこには荻窪線の各系統が頻繁に運行しているため、歩く手間を惜しんでこの系統を利用する人がどれくらい居るのか、どれくらい意義のある路線なのかは今のところ未知数である。なお、1970年代には、同じ系統番号の「荻31 荻窪駅~上石神井駅」という路線があった。同時に開設された荻43は、出庫便のバリエーションという性格が強く、今のところ西荻窪発の始発1便のみの運行で逆方向はない。荻窪駅発最終便の入庫運用は従来通りの荻41で、プロムナード荻窪を経由しない。
[編集] 上石神井線
- 西02:西荻窪駅北口~善福寺~上石神井駅
- 西01(出入庫):西荻窪駅北口~善福寺~青梅街道営業所
上石神井線は、中央線西荻窪駅から西武新宿線上石神井駅までを結ぶ路線である。 西荻窪駅を発車した後、一番街を通り地蔵坂上からは真っ直ぐ道である。青梅街道に一瞬入り営業所の横を通るともう終点上石神井駅に到着する。 西荻窪駅方面に行く時、荻窪中学から西荻北三の間は逆方向がないため「西荻窪駅経由上石神井駅行」としている。方向幕も、荻窪中学の車内放送と共に変わる。
西01は青梅街道営業所折り返し便であり、出入庫便である。西02(上石神井線)・西03(大泉線)の他に、吉10(女子大線)の出入庫便でもある。 荻窪中学で方向幕が変わる際、青梅街道営業所行として戻ることはまずない。
[編集] 大泉線
- 西03:西荻窪駅北口~善福寺~上石神井駅~大泉学園駅南口(西武バスと共同運行)
大泉線は、中央線西荻窪駅から西武新宿線上石神井駅を通り西武池袋線大泉学園駅までを結ぶ路線である。
西荻窪駅を発車した後、上石神井駅までは上石神井線と同じ路線を走り、その先は富士街道を横切り大泉学園駅まで至る。
昔は大泉学園駅北口まで乗り入れていたが、駅南側再開発・アンダーパス完成などで平成13年10月頃から南口折り返しとなっている。その際、西武バスのLED車では「大泉学園駅南口」に変更になったが関東バスでは、LED・幕車共に変更がない。
西荻窪駅方面に行く時、荻窪中学から西荻北三の間は逆方向がないため「西荻窪駅経由大泉学園駅南口行」としている。方向幕も、荻窪中学の車内放送と共に変わる。西武バスも同じである。
[編集] 西荻線
- 西50:西荻窪駅北口~桃井四~井荻駅
- 西50(出入庫):西荻窪駅北口~桃井四~青梅街道営業所
- 西50(出入庫):青梅街道営業所~八幡宮裏~井荻駅
[編集] 女子大線
- 西10:西荻窪駅北口~東京女子大~吉祥寺駅北口
- 吉80:青梅街道営業所~東京女子大~吉祥寺駅北口(出入庫)
西荻窪駅と隣の吉祥寺駅の間を主に女子大通りを経由して結ぶ路線である。路線のほぼ中間に位置する東京女子大学周辺地区と両駅の間の通勤通学客や、繁華街である吉祥寺への買い物客の利用が目立つ。
西荻窪駅付近の経路は、上石神井線や大泉線と同様に、往路と復路が大きく離れた時計回りの一方循環経路である。このため、乗客の利便性を考慮し、西荻窪駅を跨いでの循環乗車扱いを行っている。このため、西荻窪駅行は荻窪中学を境に、復路の行先である吉祥寺駅行、あるいは入庫便である西01青梅街道営業所行に変わる。出庫便はこの逆の形態をとる。 吉祥寺駅への出入庫は吉80として運行されている。
[編集] 空港連絡路線
- 吉祥寺駅~成田空港 (小田急バス・京成バス・東京空港交通と共同運行)
- 吉祥寺駅~羽田空港 (小田急バス・京浜急行バス・東京空港交通と共同運行)
[編集] 参考文献
- 関東バス 『かんとう 創業五十年記念特集号』 関東バス、1981年。
- 高谷義重 『交通詳解大東京案内』 平凡社、1932年。
- 内山模型製図社地図部 『大東京市域全図』 内山模型製図社地図部、1936年。
- 『バス路線表』 友交社、1969年
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