阪堺電気軌道161形電車
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モ161形電車(も161がたでんしゃ)は、阪堺電気軌道の電車。阪堺で現役最古の車両で現役唯一の半鋼製車。1928年に10両、1931年に6両の総数16両が製造された。2005年に名古屋鉄道モ510形が退役し、2007年に豊橋鉄道モ3700形が退役したため、日本では現役最古の車両となった。全車単行で、2006年1月の時点で10両が在籍している。
戦後に戦災車を含む3両(モ173(初)⇒モ301、モ164(初)⇒モ303、モ176(初)⇒モ304)がモ301形になり、2両(モ155⇒モ174(2)とモ160⇒モ175(2))をモ151形から改造・編入して計15両になった。合わせてモ301形に改造され空番となった車号を詰めるための改番も行われモ170(初)⇒モ164(2)、モ174(初)⇒モ170(2)、モ175(初)⇒モ173(2)となった。(ここで車号(初)はその車号の初代、車号(2)はその車号の2代目を表す。)なお、モ301形になった車両、モ151形より編入した車両はともに廃車となった。
阪堺電気軌道に引き継がれた時点において、モ161~モ169が1928年川崎車輌(現川崎重工)、モ170とモ173は1931年大阪鉄工所(現日立造船)、モ171と172は1931年田中車両(現近畿車輛)、モ151形より編入した車両は1927年に川崎造船所(現川崎重工)で製造されている。
昭和一桁の大ベテランだが、過去に冷房化が検討されたこともある。しかし車体が古く屋根の強度が足りなかったため、冷房装置を取り付けることが出来ずに断念した。
2006年12月に堺市が、阪堺電軌と親会社の南海電気鉄道のグループとのLRTに関する非公式事前協議で、2010年度の開業を目標としてグループ側から提案された相互乗り入れを受け入れる意向を示した。このため、まもなく車齢80年を迎えようとしている同車種においてはLRTの開業とともに相互乗り入れ車両との置き換えが行われることも考えられ、今後の去就が注目されるところである。
[編集] 運用
同車は依然として現役の車輌として活躍しつづけているものの、非冷房のため夏季は殆ど運用されることがない。
2006年夏季(概ね6月後半~9月の間)においては、平日朝の一部の便での運用が確認されているが、朝9時半頃までには全ての便が我孫子道車庫への入庫車となり、車庫での待機に移る。夕方ラッシュ時の運用実績は不明であり、日中及び土・休日は全く運用されない。
なお、夏季以外(10月~6月前半)の期間は日中や土日においても運用に就いているが、他の形式の車両よりも目にすることは比較的少ない。
[編集] 旧南海時代の特別塗装
モ162・モ163の2両は広告塗装の名目で、南海電気鉄道時代の塗装となっている。 また、廃車されたモ171もこの塗装となって保存されている(近畿車輛で保存されているモ171号の紹介:http://ns.kinkisharyo.co.jp/171/ )。
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