阪急98形電車
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98形電車(98がたでんしゃ)は、51形を鋼体化した車両を改番した、半鋼製車体の電車である。
[編集] 概要
51形は、戦時中の酷使等によって車体の老朽化が著しく、何らかの処置が必要になったが、一気に新車と置き換える余裕はない事から車体更新する方針となり、試作車として、C#51とC#78が半鋼製車体に更新された。
屋根は種車のものを流用したため二重屋根のままとなったが、C#51の前面は標準的な3枚窓に変更された。さらにC#51とC#78との間に貫通路を設け、1形のC#5を中間に組み込んだ3両固定編成として使用される様になった。ただし、半鋼化による更新はこの2両だけで打ち止めとなり、他は610系への更新が行われた。
1955年(昭和30年)には、610系に電気機器を流用された為に一時的に制御車化されたが、1形の電気機器を使用して電動車に復旧した。また同時に、当時既に他の51形が全車改造されていた事から、残ったC#51とC#78は、90番台で空番となっていた98~99に改番される事となり、98形が誕生した。
98形になってからは、2連で伊丹線と甲陽線で使用されていたが、1959年(昭和34年)に踏切事故に遭い、損傷程度は軽かったものの復旧される事なく、1960年(昭和35年)に廃車された。
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