隣人13号
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『隣人13号』(りんじん13ごう)は、井上三太作の、日本の漫画作品。
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[編集] 概要
いじめと解離性同一性障害(二重人格)を題材にしたサイコ・スリラーである。ただし、山本英夫『殺し屋1』のようにリアリスティックに描いてある訳では無く、カリカチュア化された描き方がなされている。井上作品の特徴ともいえる個性的な脇役も数多く登場する。
舞台は神奈川県藤沢市とその周辺。ただし、主人公がいじめられていた小学校は東京都内にあると見られる。
1993年より漫画雑誌『コミック・スコラ』に連載されたが、1999年には同誌が廃刊となり一時期中断された。その後、インターネット上で続編が掲載され、ソニー・マガジンズより単行本(全3巻)が発刊された。その後、単行本はソニー・マガジンズよりコミック事業を継承した幻冬舎コミックスより発行されている。
[編集] ストーリー
建設作業員村崎十三(じゅうぞう)は、小学生時代にいじめられ、同級生赤井トールに硫酸で顔を焼かれた。顔を焼かれた瞬間、臆病な十三の心の中に13号という凶暴な別人格が宿る事となった。13号は、硫酸をかけた赤井に復讐すべく、十三を恫喝しつつ今は平穏な家庭を築いている赤井に接近していく。建設現場のリーダーになっていた赤井は相変わらずであり、十三の事などほとんど忘れ去っていた赤井は新入りである十三をいじめる。
十三は赤井の住むアパートに引っ越していた。復讐の実行段階に至っても消極的な十三に対して、13号は恫喝してしまう。そして、些細なトラブルから隣居の中年男性を惨殺する。警察はすぐさま動き、中年男性が金銭面でトラブルを抱えていた事を中心に捜査するが、孤高の老刑事ビデさんは長年の勘から十三に目を付ける。
そんなある日、いじめに耐えかねた13号は、赤井に閉じ込められた簡易便所のドアを壊す。この暴挙は赤井を驚かせると同時に、十三同様にいじめの標的となっていた気弱な作業員関肇を歓心させてしまう。親しくなった十三は、関に己の過去と13号が計画する恐るべき復讐を話してしまう。
順調に思われた復讐計画は次第に狂いだしていく……
[編集] 登場人物
- 13号
- 十三の心に巣食う別人格。臆病な十三とは対照的に凶暴かつ狡猾で、赤井に復讐を誓う。復讐達成のためならどのような行動をも取る。十三の過剰な臆病さにイラ立つ事もある。
- 村崎十三
- 本編の主人公。小学生時代に様々ないじめに遭遇。理科室で赤井から硫酸をかけられ大怪我を負う。事件後は転校。爛れた顔を隠すために現在はビニール製の仮面を被っている。オドオドした性格で、オレンジのダウンジャケットを着ている。何事にも消極的。自宅には任侠映画や高倉健のポスターが数多く貼られている。
- 赤井トール
- 赤井のぞみ
- 赤井勇気
- トールとのぞみの息子。
- 関肇
- 十三の建設作業員の同僚。職場では赤井の格好のいじめの標的となっている。十三同様、臆病な性格だが正義心は比較的強い。アニメーターを目指しているが不採用通知が届く日々であり、実家に戻る事を模索しつつある。新興宗教団体「やすらぎの家」の信者でもある。
- トールの暴走族時代の後輩。失神するまで殴られまくるという「犬」入団試験において、最後まで団員を挑発して耐え続け入団。その際、トールにカッターで額を傷つけられ、向こう傷が現在も残っている。トールのカッコよさに惚れ込み、トールに一生ついていく決意をする。トールが引退後は「犬」総長におさまる。背の低さを劣等感としており、馬鹿にした新入りの指を食いちぎる。
- 坊主頭で巨大な体躯の死神の片腕。いつもは鼻水を垂らしてぼけーっとしているが、危機が迫ると怪力を発揮する。
- 映画版には登場しない。
- 二階堂
- ビデさん
- 定年退職間近の老刑事。ニックネームは、本来はヒデさんだったが、ビデを誤用してしまった事からいつのまにか定着してしまった。集団行動を嫌い、あくまでも一匹狼として捜査を進める。同僚からは煙たがれる反面、ある程度の敬意も表されている。
- 映画版には登場しない。
- ヒデ
- ホクロ田
- ビデさんの同僚刑事。
[編集] 映画
2004年に井上靖雄監督で、映画化もされた。13号役には、中村獅童。十三(じゅうぞう)役には、小栗旬。2005年4月2日公開。R-15指定。くまなく実写化したため冗長との声がある。カメラワークは秀逸。
[編集] キャスト
[編集] 主題歌
「はがれた夜」(作詞作曲:林龍之介 編曲:鹿島達也 歌:平川地一丁目)
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