中村獅童 (2代目)
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二代目 中村 獅童(にだいめ なかむら しどう、昭和47年(1972年)9月14日 - )は、歌舞伎役者、日本の俳優。本名、小川 幹弘(おがわ みきひろ)。日本大学芸術学部卒業。「獅童」は父・小川三喜雄の俳優時代の芸名で、祖父三代目中村時蔵の俳号に由来する。
目次 |
[編集] 家系
歌舞伎の名門・小川家(旧播磨屋、現・萬屋)に生まれる。同業者の親族が多いことが一般的な歌舞伎役者の中でも特に、豊富な人脈・背景も含めて恵まれている。
- 曽祖父 中村歌六(3代目)
- 従伯父 中村吉右衛門(初代)(播磨屋)立役 六代目菊五郎と「菊吉」と並び称せられた名優 中村吉右衛門劇団創始者
- 祖父 中村時蔵(3代目)(播磨屋)女方
- 従叔父 中村勘三郎(17代目)(中村屋) 文化勲章
- 伯父 中村歌六(4代目)(播磨屋)立役
- 伯父 中村時蔵(4代目)(播磨屋)女方
- 父 初代中村獅童(播磨屋) - 本名の小川三喜雄でも活動。ある俳優に羽二重を投げつけて歌舞伎を辞める。
- 叔父 萬屋錦之介(萬屋)
- 叔父 中村嘉葎雄(萬屋)
- 従兄弟 中村歌六(5代目)(萬屋)立役
- 従兄弟 中村歌昇(3代目)(萬屋)立役
- 従兄弟 中村時蔵(5代目)(萬屋)女方
- 従兄弟 中村錦之助 (2代目)(萬屋)立役 信二郎
- 従兄弟違 中村勘三郎(18代目)(中村屋) 勘九郎
- はとこ 中村七之助(中村屋)
- はとこ 松本幸四郎(9代目)(高麗屋)立役
- はとこ 中村勘太郎(中村屋)
- はとこ 中村吉右衛門(2代目)(播磨屋)立役 日本芸術院会員
- はとこの子 松たか子 女優
- はとこの子 市川染五郎(7代目)(高麗屋)立役
- 妻 竹内結子 女優
[編集] 歌舞伎
1981年、8歳で歌舞伎座にて初舞台を踏む(萬屋3人(歌六・時蔵・歌昇)の襲名興行。『妹背山婦女庭訓』)。当初から二代目中村獅童を名乗る。1983年『春日局』竹千代役で松竹社長賞を受賞し脚光を浴び、1996年『狐狸狐狸ばなし』おそめ役で歌舞伎座賞を、翌年には「歌舞伎の見方」解説にて国立劇場特別賞を受賞、2003年に『義経千本桜』『毛抜』にて初の主演を務める。
[編集] 映画
映画では、オーディションで採用された『ピンポン』(2002年)のドラゴン役で、ブルーリボン賞、ゴールデン・アロー賞、日本アカデミー賞、日本映画批評家協会賞、毎日映画コンクールの各新人賞計5冠を受賞。さらに、『阿修羅のごとく』(2003年)の興信所所員役(日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞)、『アイデン&ティティ』(2003年)でのロックバンドのヴォーカル、『赤線』(2004年)では色街のならず者、『いま、会いにゆきます』(2004年)では妻を亡くし息子と静かに暮す男と、一作ごとに異なる役柄を演じ分け、そのイメージを刷新し続けている。『いま、会いにゆきます』で竹内結子と夫婦役で共演し、そのまま本物の夫婦になった。(2006年10月、妻・竹内結子からの離婚協議を求める書面が送付され、竹内結子とは既に別居状態である。)
[編集] 音楽
一曲だけ参加したものも含め、現在4枚のCDを出している。また、日大芸術学部在籍時にはアマチュアバンドを結成しており、前述の映画『アイデン&ティティ』もバンド活動をしていた頃の経験が生きている。
1990年代に、お姐ちゃんトリオ・団令子の息子である団優太と「UNIT33」を結成。
他にも、元LUNA SEAのベーシスト・J、元JUDY AND MARYのギタリスト・TAKUYA、元Oblivion DustのFURUTONらと共に、伝説の飲み屋RED SHOESで初めて組まれたバンド、西麻布アウトサイダーズのボーカリストとしても活動をしている(ちなみにCDなどは出しておらず、これからその活動が広がっていくのかは不明)。
[編集] その他
テレビ出演も、『木更津キャッツアイ』(2002年、TBS)、『HR』(2002年 - 2003年、フジテレビ)、『赤い月』(2003年、テレビ東京)、『新選組!』(2004年、NHK)、『丹下左膳』(2004年、日本テレビ)など、時代劇からシットコムやコメディまで多岐に渡る。また、舞台『浪人街』(2004年)や初座長公演の『丹下左膳』も成功のうちに幕を収めた。
ドキュメント系番組にも出演しており、2004年には当時彼がイメージキャラクターを担当していた、スバル・インプレッサが登場するWRC(世界ラリー選手権)の特別番組(テレビ東京)や、2006年には『今世紀最大の謎 真・聖杯伝説 キリストの暗号』(テレビ東京)などにも出演した。
2006年7月には、高岡早紀との深夜の密会スキャンダルなど、女性問題が多く報じられ、更に11月に入って中村側は現・中村獅童の後継者を前提としていた長男の親権を巡っての離婚問題なども浮上している。
しかし竹内は、マスコミ各社から中村の重要なスケジュールを無視し自分のスケジュールを優先させることも多いと報じられている。梨園の妻としての自覚が無いと、嫁姑問題もあるようで、離婚問題は嗣子を絡めて複雑な様相を呈している。
この件に関して、和田アキ子はマスコミを通じて中村に「(下記飲酒運転騒動に際して)一般女性と嘘をついたのがダメだった」「高岡と2人で仕事の打ち合わせをしたと言うが、マネージャー不在での打ち合わせは有り得ない」と苦言を呈した。
[編集] 人物
- マーケティング会社ブライト・ウェイ(東京)が2006年9月7日にまとめた有名人の子育てイメージに関するアンケートで、子育てに不熱心な父親の一位に中村獅童が選ばれた。(子育てに不熱心な母親には広末涼子。)
- 愛煙家である。
[編集] 年譜
- 1972年9月14日 東京都に生まれる。初代中村獅童の長男。祖父は三代目中村時蔵、叔父は時代劇俳優の故萬屋錦之介、中村嘉葎雄。
- 1981年6月 歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』御殿の豆腐買の娘おひろで二代目中村獅童を名のり初舞台。
- 1995年3月 団優太(お姐ちゃんトリオ・団令子の息子)とのコンビ、「UNIT33」としてCDデビュー。
- 1998年 名題試験合格。ただし披露をしていないので名題ではない
- 2001年11月 平成中村座試演会にて『狐忠信』を初主演。
- 2002年6月 国立劇場 鑑賞教室 『俊寛』の成経、解説『歌舞伎のみかた』
- 2003年1月 浅草公会堂にて『義経千本桜』の狐忠信、『菅原伝授手習鑑・車引』の松王丸をダブルキャストによる初の主演。
- 2003年6月 文化村シアターコクーンにてコクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』の玉島磯之丞。
- 2003年8月 歌舞伎座にて『どんつく』の門礼者、『野田版 鼠小僧』の辺見勢左衛門。
- 2003年11月 錦秋花形歌舞伎全国巡業にて『三人吉三』の和尚吉三、『棒しばり』の曽根松兵衛。
- 2004年1月 浅草公会堂の新春浅草歌舞伎にて、ついに歌舞伎十八番に挑戦。『毛抜』の粂寺弾正、『三人吉三』のお坊吉三など。
- 2004年5月 - 6月 青山劇場にて『浪人街』(赤牛弥五右衛門役)に出演。
- 2004年10月 三越劇場の三越歌舞伎にて『双蝶々曲輪日記・引窓』の濡髪長五郎、『白浪五人男』の南郷力丸。
- 2005年5月 中村屋の披露目で野田の『研辰の討たれ』再演。
- 2005年5月10日 オフィシャルサイトで、『いま、会いにゆきます』で共演した竹内結子と結婚を前提にした交際をしていたことを発表し、6月に婚姻届を提出。その後の会見で、竹内が妊娠3ヶ月であることも公表。
- 2005年6月 京都南座 『船弁慶』の弁慶。
- 2005年11月21日、第一子となる長男が誕生。
- 2006年1月 浅草公会堂の新春浅草歌舞伎 歌舞伎十八番のうち『鳴神』の上人。
- 2006年10月 妻・竹内結子からの離婚協議を求める書面が送付される(一時「離婚届」が送付されたとのマスコミ報道があったが、通常、弁護士を立てた離婚協議の場合、条件面で合意していない段階で離婚届に署名することはない)。これに対し、中村獅童は離婚そのものを拒否しているが、竹内結子とは既に別居状態であることなどが報じられた。
[編集] 受賞歴
- 1983年10月 『春日局』竹千代にて松竹社長賞
- 1996年8月 『狐狸狐狸ばなし』牛娘おそめにて歌舞伎座社長賞
- 1997年6月 『歌舞伎の見方』解説にて国立劇場特別賞受賞
- 2000年 関西・歌舞伎を愛する会奨励賞、十三夜会賞
- 2003年3月 オーディションにより映画初出演した『ピンポン』(ドラゴン役)にて日本アカデミー賞、ゴールデン・アロー賞(映画新人賞)、ブルーリボン賞、日本映画批評家協会賞、毎日映画コンクールの各新人賞5冠を受賞
- 2004年3月 映画『阿修羅のごとく』(勝又静雄役)にて日本アカデミー賞優秀助演男優賞、浅草芸能大賞新人賞受賞
- 2005年3月 舞台『浪人街』『丹下左膳』にてゴールデン・アロー賞演劇賞受賞
[編集] 飲酒運転騒動
- 2006年7月12日 酒気帯び運転と信号無視で警視庁に検挙された。当初の会見では、同乗者は妻・竹内とも知り合いである一般女性と発表していたが、実は女優岡本綾だった事が発覚し、誠意を見せるための謝罪会見で嘘をついたこととなった(同年7月13日付の新聞等各種)。なお、仕事であると妻に伝え行っていたニューヨークから、予定より1日早い帰国であった(実際この旅行はプライベートであり、仕事は一切なかったといわれている)。さらに会見で帰国の際の機内で酒を飲んで、1度帰宅したのち加えてバーで飲み、車で帰宅する途中だったと説明。苦しい説明と虚偽の日程、ここで女性関係の乱れの端緒が発覚した形となった。
- 2006年7月13日 記者会見をし警察から家に帰り家族の顔を見て、人を轢いていたらと思うと反省するしかないと思い来ていた仕事の殆どを辞退し「一からやりなおす」と話した(既に撮影の終了していた11月公開の映画『DEATH NOTE the last name』の声の出演は、差し替えせず使用される)。
- 2006年7月14日 イメージキャラクターを務めるマンダム、森永製菓、UCカードは、CM、HPなどの露出を自粛することを決定。契約については検討中。
- 2006年9月5日 検挙直後に行った会見以来の公の場で、主演舞台「獅童流 森の石松」のキャーンペーンに出席したが、スキャンダルが清算しきれていない時期の事実上の復帰に、世間の風当たりは強かった。
- 2006年9月8日 警視庁世田谷署により、7月12日に起こした道路交通法違反(酒気帯び、信号無視)の疑いで東京区検に書類送検される(なお、同乗者は"嫌疑なし"とされた)。
- 2006年9月11日 『デスノート(アニメ)』リューク役で活動再開が報道される。その後新作出演が続々発表され、事実上の復帰となる。
- 2006年9月29日 東京簡裁が、道交法違反(酒気帯び運転)で罰金20万円の略式命令を出した。
[編集] 出演
[編集] 映画
- ピンポン(2002年) - ドラゴン 役
- 阿修羅のごとく(2003年) - 勝又静雄 役
- アイデン&ティティ(2003年) - ジョニー 役
- 恋人はスナイパー 劇場版(2004年) - 范火清 役
- 赤線(2004年) - イゾウ 役(主演)
- ONE PIECE 呪われた聖剣(2004年) - サガ 役(声)
- いま、会いにゆきます(2004年) - 秋穂巧 役(W主演)
- 隣人13号(2005年) - 13号 役(W主演)
- いぬのえいが(2005年) - 山田賢太郎 役
- 男たちの大和(2005年) - 内田守二等兵曹 役
- あらしのよるに(2005年) - ガブ 役(声)
- SPIRIT(2006年) - 田中安野 役
- デスノート(2006年6月17日公開、金子修介監督) - リューク(声) 役
- デスノート the Last name(2006年11月3日公開、金子修介監督) - リューク(声) 役
- 硫黄島からの手紙(2006年) - 伊藤海軍大尉 役
[編集] テレビ
- 毛利元就(1997年、NHK) - 尼子義久 役
- 金曜時代劇 スキッと一心太助(1999年9月 - 2000年3月、NHK) - 伊代吉 役
- 次郎長三国志(2000年、テレビ東京) - 追分三五郎 役
- 木更津キャッツアイ(2002年、TBS) - 犬島 役
- 恋人はスナイパー EPISODE2(2002年、テレビ朝日) - 范火清 役
- HR(2002年 - 2003年、フジテレビ) - 鷲尾幹弘 役
- 武蔵 MUSASHI(2003年、NHK) - 徳川秀忠 役
- 世にも奇妙な物語 秋の特別編 遠すぎた男(2003年、フジテレビ) - 村上 役
- てれび絵本 あらしのよるに(2003年、NHK教育) - ナレーション、全キャラクター
- 赤い月(2004年、テレビ東京) - 氷室啓介 役
- 新選組!(2004年、NHK) - 滝本捨助 役
- 丹下左膳(2004年、日本テレビ) - 丹下左膳 役(主演)
- 天切り松 闇語り(2004年、関西テレビ) - 逆井重美 役
- 実録・小野田少尉 遅すぎた帰還(2005年、フジテレビ) - 小野田寛郎 役
- 河井継之助~駆け抜けた蒼龍~(2005年、日本テレビ) - 岩村精一郎 役 制作著作・松竹
- 天下騒乱~徳川三代の陰謀(2006年、テレビ東京) - 柳生十兵衛 役
- DEATH NOTE (アニメ)(2006年、日本テレビ) - リューク 役(声)
- 李香蘭(2007年、テレビ東京) - 甘粕正彦 役
[編集] CM
[編集] 作品
[編集] CD
- UNIT33『香水工場』(B面:永遠の少年)(1995年) 光栄 KEDH-1003 -『ウイニングポスト2』イメージソング
- 「FUNKASTIC」(2003年) Rip Slyme『Rip Slyme Orchestra - Plus』 ワーナーミュージック・ジャパン WPC7-10170
- 中村獅童・歌「悪魔とドライブ」(2003年) オリジナル・サウンドトラック『アイデン&ティティ』 UKプロジェクト UKCD1109
- 中村獅童・歌「赤線のテーマ」(2004年) オリジナル・サウンドトラック『赤線』 ミディレコード / ユニバーサル・ミュージック MDCL-1463