韓国の地域対立
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韓国は、社会の分裂の主要因[1]としての、激しい地域対立の存在で知られる。
- 地域対立は、大統領選挙における地域別得票率の極端な違いを見れば明らかである。[2]
- 中でも特に有名なのは、後三国時代にまでさかのぼるといわれる全羅道と慶尚道の対立である。[3]
- 慶尚道出身の朴正煕・全斗煥・盧泰愚・金泳三政権の下、政府の要職も長らく慶尚道出身者に占められ、全羅道出身者は不遇をかこってきたが、[4]全羅道出身の金大中が大統領になると逆転現象が起きた。
- 全羅道と慶尚道の対立により、忠清道がキャスティングボートを握ることが多い。
- 韓国の人口の半分が、「首都圏」といわれるソウル・仁川・京畿道に住むという極端な一極集中のおかげで、地域対立の影響は下がっている。
- 李朝時代には「西北」と呼ばれた北部地域(現在の北朝鮮)に対する差別も盛んだったが、南北分断によって目立たなくなっている。
- 済州島差別も盛ん[5]。特に結婚についての済州島差別が激しい。済州道は朝鮮半島本土とは異なる独自の文化があり、純粋な韓国文化を重んじる人にとっては差別の対象となる。流刑地でもあったため、済州島を「海の向こう」と表現し、純粋な朝鮮民族ではない蛮族であるかのような扱いをする。[1][6]
- 在日の中では、済州出身者の比率が故国よりも高いが、在日社会にも済州島差別が受け継がれている。
- 三金の時代の名残といわれるものもあり、これも深刻なところがある。[7]
- 2002年の大統領選挙においては、嶺南と湖南の地域対立が重要な克服命題とされた(立候補者であった盧武鉉はその一方の嶺南出身)[8]。また盧は地域対立の解消を名目に敢えて地盤でない地域から立候補したこともある[9]。
[編集] 文献資料
- ^ 『Ministry of Foreign Affairs and Trade』 - 盧武鉉
- ^ 『韓国における政治改革立法と政党の動向』 P.17 - 山本健太郎(国立国会図書館)
- ^ 『第 2 章 内 政』 P.2 - 日本自治体国際化協会
- ^ 『財閥解体で日本を超えたい韓国』 - 田中宇
- ^ 『TOOL-BOX: KOREAN PLACE NAMES』 - camp.ff.tku.ac.jp(東京経済大学)
- ^ 済州島ではむかし人糞をえさにして豚を飼っていたから、僕らは『くそブタ』と呼ばれていたんですよ-----『コリアン世界の旅』(講談社)
- ^ 『現代韓国朝鮮学会――設立の経緯と第5回全国研究大会の紹介――』 P.6 - アジア経済研究所
- ^ 『韓国における政党の大統領候補者選出過程』 P.15 - 山本健太郎(国立国会図書館)
- ^ 『韓国・盧武鉉大統領 本音で直接対話』 - TBS
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