高麗語 (コリョマル)
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高麗語 Корё мар若しくは고려말 |
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話される国 | ロシア、ウズベキスタン、カザフスタンなど |
地域 | 中央アジア |
話者数 | 推定20万人程度 |
順位 | 不明 |
言語系統 | 論争あり 孤立した言語, アルタイ諸語 朝鮮語 |
公的地位 | |
公用語 | なし |
統制機関 | なし |
言語コード | |
ISO 639-1 | なし |
ISO 639-2 | なし |
ISO/DIS 639-3 | なし |
SIL | なし |
高麗語 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 고려말 |
漢字: | 高麗말 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
コリョマル |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
キリル文字表記: | Корё мар |
高麗語(またの名をコリョマル)は、現在中央アジアやロシアに居住する朝鮮民族(高麗人)の使用する朝鮮語の変種をいう。
なお、朝鮮の高麗王朝時代の言語も「高麗語」と称することもあって紛らわしいが、韓国ではこちらは前期中世語と呼ぶのが一般的である。
目次 |
[編集] 成立の経緯と言語学的特長
基礎となった方言は以下に述べる歴史的経緯より、現在の北朝鮮の言葉に近いものであり、延辺の朝鮮族の言葉と共通している。ただし、ロシア語やウズベク語、カザフ語などの影響が語彙、文法、統語法などの面で極めて大きく、特に話し言葉では本国人の朝鮮語、及びそれに極めて近い延辺の朝鮮族の話す朝鮮語との意思疎通はかなりの困難を伴う。日本在住の在日コリアンの使用する在日朝鮮語との意思疎通も同様に困難であるが、その理由として両者は基礎語彙以外ほとんどの単語が食い違う(前者はロシア語系、後者は日本語系をそれぞれ借用)ことが挙げられる。
これらの朝鮮民族の多くは元来定住していた民族ではなく、満州や樺太に移住した朝鮮人が第二次世界大戦後に当時のソビエト連邦スターリンの政策で、極東のシベリアそして中央アジアに強制移住させられたことが原因である。(参考文献1 pp. 23-24)
在日朝鮮語と同様、高麗語も既に本国の朝鮮語とは完全に分離した別個の言語であるとの意見があるが、学会での定説ではない。
[編集] 正書法
元来ハングルで記されていたが、現在ではキリル文字での表記も一部で行われている。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 『中央アジアの朝鮮人 父祖の地を遠く離れて』 半谷史郎・岡奈津子 東洋書店 ISBN 4885956331
- 『中央アジア少数民族社会の変貌 カザフスタンの朝鮮人を中心に』 李愛俐娥 昭和堂 ISBN 4812202035
- Рассказы о родном языке.Рассказ 15.Архаизмы и инновации в коре мар.(『母国語の話』、第15話「コリョマルにおける旧語と新語」、ゲルマン・キム)