鬼押出し園
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鬼押出し園(おにおしだしえん)は、群馬県吾妻郡嬬恋村にある公園であり、一帯は1783年(天明3年)におきた浅間山の噴火の際に流れ出た溶岩である。園内には東京上野の寛永寺の別院である浅間山観音堂が設置されている。
[編集] 鬼押出しの溶岩
鬼押出しの溶岩は、普通の溶岩と考えられてきたが、火砕物が火口周囲につもったものが、とけてくっついて固まりながら流れ出した特殊な溶岩であった(安井真也(日本大学)『1783天明浅間山噴火』2006、中央防災会議)。天明浅間山噴火も普通の噴火のように、軽石の噴出、火砕流、最後に静かに溶岩が流出したと考えられてきた。しかし鬼押出しの溶岩には、普通の溶岩に少ない、鉱物の結晶が破砕されたもの、山を構成する岩石の断片、酸化した火砕物を多く含むことは、金沢大学や日本大学のグループが独立に指摘してきた。これらの特徴は、爆発的に噴き上げられた火砕物が積もり、急傾斜のために流れたとすると説明がつくという。