鶴瓶のスジナシ!
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鶴瓶のスジナシ!(つるべ - )は、中部日本放送で放送しているバラエティ番組である。通称「スジナシ」。
番組開始当初は毎週30分の放送であったが、現在は毎月最終日曜日の深夜に55分間放送している。ローカル番組としては珍しいハイビジョン放送である。(他のCBCの番組「ノブナガ」・「イエヤスMAX」は非対応)
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[編集] 番組概要
番組進行役の笑福亭鶴瓶と1人のゲスト俳優が1つのセット内でエチュード(即興ドラマ)を10数分間演じ、その後観客のいる隣のスタジオに移って収録したドラマを見ながら反省会(プレビュートーク)を行う。収録当日までゲストが誰なのかは伏せられる。放送は毎月1回だが収録は2か月に一度原則2本撮りで行っている。
[編集] 出演者
[編集] 番組の変遷
[編集] 過去
- 1998年開始。毎週水曜・深夜0時40分からの30分
- 番組開始当初は観覧制度はなかったがその後しばらくして立見で数人のみ観客を入れるようになった。このころはドラマスタジオとトークスタジオは同じだった。
- 金曜・深夜0時35分からの1時間
- 放送時間拡大に伴い観客の人数は大幅に増えたが、直接観覧できるのはトーク部分のみでドラマ部分は別スタジオでモニターを通して見ることになった。
- このころから新作が月1回のみで他の週は再放送になることが多かった。しばらくして正式に月1放送となった。
- 毎月第一土曜・午後4時からの1時間
- このころ、一時期ドラマスタジオとトークスタジオを同じにして観客が直接ドラマを観られるようにしたこともあったが数回で元に戻った。
- また、一度だけ生放送が行われたことがある。
- 毎月最終月曜・深夜11時55分からの1時間
- 毎週最終木曜・深夜0時55分からの1時間
[編集] 現在
- 原則最終日曜日・深夜1時5分から1時間(CBCエンターテインメントスペシャルとして放送中)
[編集] 即興ドラマ
即興ドラマは、台本も打ち合わせもなしで、全編アドリブでドラマを作っていくこと。アドリブなので妙な間が空いたり辻褄が合わなかったりする事もある。思いがけない事が起きることもあるので演技中の2人は笑いそうになることもあるがもちろん堪えなければならない。
撮り直しは基本的に行わないが別作品や続編という形式でならある。
- 近藤芳正が出演した際、鶴瓶がドラマの出来に納得できず、撮り直しを要望。近藤も応じたため、Take2が行われた。
- 萩原流行が2度目に出演した際、鶴瓶が「せっかくなので客に別の設定を決めてもらって、もう1回やったらどうか」と提案。客から「オカマ(の設定で)」と意見が出たので、2人ともオカマという設定で即興ドラマが行われた。なお、オカマという意見が出たのは、萩原が1度目に出演した際にオカマを演じ、強烈なインパクトがあったためである。
- 渡辺えり子がホテルのロビーという場所設定で出演した際、鶴瓶と2人でホテルの部屋に入っていくところで終わったが、プレビュートーク終了後にディレクターから「ホテルの部屋から戻ってきたところからもう少しドラマを撮りたい」と要望があり、2人が同意したため「続編」が行われた。なお、この出演時、収録前にセットを見た渡辺が「衣装を変更したい」と言い出し、カメラを連れて名古屋市内の百貨店へ衣装を買いに行ってしまうという大ハプニングがあった。
[編集] 東京進出
2004年12月23日(鶴瓶の誕生日)放送分はゲストに妻夫木聡、設定立案に宮藤官九郎が担当し初めてTBSでも放送された。 その日のはなまるマーケットの「はなまるカフェ」には鶴瓶がゲストとして登場した。
この番組は一時期、BS-iでも放送されていた(その時期、BS-iからも「共同制作」ということで番組予算が出た。これにより番組打ち切りの危機を切り抜けたとされる)。2005年9月からはCS放送・TBSチャンネルで放送されている(一部の回はレターボックスの状態で放送)。また、地上波の放送でも東京以外の地域では信越放送で過去に不定期で放送されいた経緯があり、北海道放送では2005年12月31日、2006年12月29日に放送されるなど、BS・CS・一部地域の地上波で事実上全国規模での放送となった。
[編集] DVD
全4種類のDVDが発売中である。
- 第1巻 「スジナシ」
- 第2巻 「スジナシ2」
- 第3巻 「スジナシの箱」(3枚組)(箱は上記1巻、2巻を一緒に収納できるようになっている)
- 第4巻 「スジナシ笑福亭鶴瓶×妻夫木聡×宮藤官九郎」
- 妻夫木聡・宮藤官九郎(東京上陸SP&未公開)
[編集] 劇場スジナシ
舞台版の「劇場スジナシ」も名古屋で3度行われている。 勝村政信・牧瀬里穂・八嶋智人の3名が登場している。(なお過去のスタジオによるスジナシ経験者) これについてはスタジオ観覧のように無料招待という形をとっている。 現在では即興ドラマを観客がモニターを介さずに直接観ることができる数少ない機会である、もちろんドラマ中は観客は音を立ててはならないが、たまに笑い声が入ってしまうこともある。
また、関東地区の要望に応えて2006年3月29日から31日まで、糸井重里(ほぼ日刊イトイ新聞)の協力により東京・新宿「紀伊國屋ホール」で初の関東の「スジナシ」が行われた。ただしこちらは入場料を要した。なおゲストはいつもどおり当日まで分からない。チケットの一般発売後「ほぼ日刊イトイ新聞」にてスジナシ応援団が募集され、ほぼ日読者の中から各日10名が招待されたがドイツ、ベルギーから観覧に来た客もいた。
劇場スジナシの模様は2006年6月2日と7月5日に広末涼子の回がWOWOWにて放送された(イッセー尾形、生瀬勝久の回はダイジェストで放送)。また8月にDVDも発売されている。
[編集] エピソード
[編集] 番組自体と関連
- かつて、笑福亭鶴瓶は名古屋で人気ラジオ番組『ミッドナイト東海』を担当していたが、その当時のスタッフに『笑っていいとも!』などを引き合いに出し、「最近好きなことやってないでしょ」と言われたのがきっかけで作られた企画が「スジナシ!」である。
- 当初は東海テレビに売り込んだそうだが断られ、CBCでの放送になったようである。
- 番組制作費が深夜番組としては高額のため、打ち切りの危機に瀕したことがある。しかし視聴者や業界内を含め、CBC内外でのこの番組への評価が高いことから、打ち切ることができず、かろうじて予算を回せる範囲の月1回放送で持ちこたえているとされる。
- 現在は月1回の「単発」扱いであるため、系列地方局への番組販売もままならないことから、予算的に厳しい状態が続いていると言われている。
[編集] 即興ドラマ及び出演者関連
- 峰岸徹が出演した際、高い所に登ったためセットの端が見切れてしまった。また、雛形あきこが出演した際、雛形がはさみを持って鶴瓶に襲いかかる展開となり、鶴瓶が逃げ回ったためセットの端が見切れてしまった。
- 名古屋章は古い民家を解体する役になりきり無断でつるはしでセットを破壊してしまった。
- 生瀬勝久が出演した回では観客の1人をエキストラとして出演させた。
- 渡辺えり子が出演した際、用意された衣装に納得が行かずデパートへ買いに走った。
- 2005年に宮藤官九郎がゲスト出演した際、スタッフが即興ドラマを止めるタイミングを逃してしまい、普段は15分ほどで終わるはずの即興ドラマを30分以上もやるはめになってしまった。
- 普段は方言を使わない俳優が即興ドラマで名古屋弁を使い愛知県出身であることをうかがわせることがある。奥田瑛二や斉藤洋介などがそうである。
[編集] 関連項
- ざこば・鶴瓶らくごのご(即興落語番組)
- 鶴の間(即興漫才番組)
- イッセー尾形の「たった二人の人生ドラマ」(NHK福岡放送局制作で2006年8月13日放送の即興ドラマ番組)