中島らも
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
文学 |
![]() |
ポータル |
各国の文学 記事総覧 |
出版社・文芸雑誌 文学賞 |
作家 |
詩人・小説家 その他作家 |
中島 らも(なかじま らも、1952年4月3日 - 2004年7月26日)は、兵庫県尼崎市出身の小説家、戯曲家、随筆家、俳優、コピーライター、広告プランナー。本名は中島裕之(なかじま ゆうし)。血液型はA型、星座は牡羊座、好きな食べ物はメロン。 ペンネームである「らも」の由来は映画俳優の羅門光三郎から。当初は「中島らもん」であった。
目次 |
[編集] 経歴
父は歯科医院を開業。尼崎市の同じ町内には勝谷誠彦がいた。全国的に超名門として有名な私立灘中学校に、上から8位の成績で合格。灘高等学校在学中、酒やドラッグやロックや深夜ラジオに熱中して成績が急降下。神戸大学と関西学院大学の受験に失敗し、1年間の浪人生活を経て大阪芸術大学芸術学部放送学科に入学。大学在学中に図書館で司書として働いていた妻美代子と結婚、2児を出産、「食べることに困ることが無いように」との願いを込め息子に「晶穂」娘に「早苗」と名づける。 卒業後、印刷会社に5年間勤務。その後、雑誌『宣伝会議』主催のコピーライター講座で指導を受けたのがきっかけで、藤島克彦(大日本除虫菊の殺虫剤「キンチョール」のキャッチコピー「トンデレラ・シンデレラ」などで知られる電通大阪支社所属のコピーライター。1985年の日本航空123便墜落事故で死去)に1年間師事。1981年、藤島の紹介で広告代理店「日広エージェンシー」入社(同社社長の宮前賢一は、藤島の関西学院大学時代の1年先輩に当たる)。のちに企画課長を務めた。
灘高校時代の同級生・村上健がかねてつ食品(現・カネテツデリカフーズ)の常務に就いていた(現在は代表取締役社長)のが縁で、1982年、雑誌『宝島』に同社の広告として『啓蒙かまぼこ新聞』を企画。翌1983年の『微笑家族』(『プレイガイドジャーナル』掲載)と合わせて、広告に不信感を持つ層を敢えてターゲットとし、スポンサーと読者=消費者が一緒になって広告上で遊ぶ事を通じてスポンサーに関心を持ってもらうという独特の方法論で注目を浴びる。鉄骨住宅の宣伝のコピーに「家は焼けても柱は残る」というキャッチコピーを作ったことがあり、このコピーは当然没となったものの、後に中島がテレビ出演するようになった際に時々語られていた隠れた名(迷)作であった。
コピーライターや小説、エッセイなど本格的な執筆活動に入る以前に、マンガ家や音楽の道を目指そうとしたこともあり、月刊漫画ガロに原稿を持ち込むも「作品が長すぎる」という理由で掲載を見送られてしまい、そこで根気が折れて挫折している。音楽についてはレコーディング寸前までいっていたが、レコーディングの費用を女に騙し取られて頓挫。
1984年から朝日新聞で連載が始まった、氏独特のユーモアを交えた人生相談コーナー『明るい悩み相談室』で人気が全国区となり、1987年、フリーとなってから作家活動を本格化。戯曲、エッセイ、小説、落語、バラエティ番組の脚本などを執筆。
1992年、自身のアルコール依存症体験を綴った『今夜、すべてのバーで』で、第13回吉川英治文学新人賞を受賞した。1994年、『ガダラの豚』で第47回日本推理作家協会賞長編賞を受賞。『人体模型の夜』『ガダラの豚』『永遠(とわ)も半ばを過ぎて』の3作で直木賞の候補になった。
作家活動を行うかたわら、1986年に大阪で劇団「笑殺軍団リリパットアーミー」(2001年11月より、リリパットアーミーII)を、当時のマネージャー、わかぎゑふ(現、座長)らと結成、脚本執筆のほか、役者としての出演もこなした。また、1996年夏にロックバンド「PISS」を結成し、ボーカルとギターを担当、「PISS」解散後の新バンド「らも&MOTHER'S BOYS」ではボーカルとサイドギター担当するなど、音楽のジャンルでもその才能を発揮していた。
以前から大麻解放を主張していたが、2003年2月に大麻取締法違反などで逮捕、保釈後に「躁鬱病」の治療のため一時、入院していた。同年5月に懲役10ヶ月、執行猶予3年の判決を受けた。その年の夏から自らの獄中体験記をつづったエッセイ『牢屋でやせるダイエット』を出版、手錠姿でサイン会を開くなど精力的に活動を再開したが、死の直前は酒量が増え、常に酩酊状態だったという話もある。
2004年7月15日深夜に飲食店を出る際に階段から転落して全身を強く打ち、神戸市内の病院に入院。転落時に頭部も強打しており、脳挫傷による外傷性脳内血腫のため、同月26日午前8時16分に死去した。享年52。中島美代子氏(らも夫人)の話では、生前から「俺は階段から落ちて死ぬ。」と、自身の最期を予言していたらしい。小説『酒気帯び車椅子』『ロカ』と対談集『なれずもの』が遺作として死後刊行された。
ギャグからホラー、落語に至るまで作風の幅が広い。また、小説や随筆には、前述した『永遠も半ばを過ぎて』『今夜、すべてのバーで』『牢屋でやせるダイエット』などをはじめ、自身の実体験に題材を取った作品も多数ある。自伝に『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』と『異人伝-中島らものやり口』がある。
本人も大酒飲みであることを公言していて一般的にアルコール依存の印象が強いが、鎮咳薬「ブロン」の長年の中毒者でもあった。
[編集] 作品
[編集] 小説
- 『頭の中がカユいんだ』(双葉文庫 ISBN 4575710679)
- 『人体模型の夜』 (集英社文庫 ISBN 4087484033)
- 『白いメリーさん』 (講談社文庫 ISBN 4062635771)
- 『永遠(とわ)も半ばを過ぎて』 (文春文庫 ISBN 4167585014)
- 『空のオルゴール』 (新潮社 ISBN 4104531014)
- 『エキゾティカ』 (双葉文庫 ISBN 4575508128)
- 『超老伝-カポエラをする人』 (角川文庫 ISBN 4041863015)
- 『今夜、すべてのバーで』 (講談社文庫 ISBN 4061856278)
- 『ガダラの豚』 (集英社文庫 ISBN 4087484807)
- 『こどもの一生』 (集英社 ISBN 408774678X)
- 『お父さんのバックドロップ』 (集英社文庫 ISBN 4087480356)
- 『バンド・オブ・ザ・ナイト』 (講談社文庫 ISBN 4062739860)
- 『水に似た感情』 (集英社文庫 ISBN 4087471926)
- 『酒気帯び車椅子』 (集英社 ISBN 4087747352)
- 『ロカ』 (実業之日本社 ISBN 4408534706)
- 『寝ずの番』 (講談社文庫 ISBN 4062732793)
[編集] エッセイ・随筆
- 『中島らもの明るい悩み相談室』シリーズ
- 『とほほのほ』 (双葉文庫 ISBN 4575710644)
- 『しりとりえっせい』 (講談社文庫 ISBN 4061855581)
- 『愛をひっかけるための釘』 (集英社文庫 ISBN 4087483576)
- 『恋は底ぢから』 (集英社文庫 ISBN 4087498298)
- 『砂をつかんで立ち上がれ』 (集英社 ISBN 4087744299)
- 『獏の食べのこし』 (集英社文庫 ISBN 4087498883)
- 『空からぎろちん』 (双葉文庫 ISBN 4575711349)
- 『僕にはわからない』 (双葉文庫 ISBN 4575710660)
- 『中島らものたまらん人々』 (双葉文庫 ISBN 4575710652)
- 『ビジネス・ナンセンス事典』 (集英社文庫 ISBN 4087487555)
- 『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』 (集英社文庫 ISBN 4087486397)
- 『世界で一番美しい病気』 (角川春樹事務所 ISBN 4894561239)
- 『こらっ』 (集英社文庫 ISBN 408748128X)
- 『変!!』 (双葉文庫 ISBN 4575710636)
- 『ロバに耳打ち』 (双葉文庫 ISBN 4575712981)
- 『休みの国』 (講談社 ISBN 4062117398)
- 『牢屋でやせるダイエット』 (青春文庫 ISBN 4413093194)
- 『アマニタ・パンセリナ』 (集英社文庫 ISBN 4087470253)
- 『固いおとうふ』 (双葉文庫 ISBN 4575711470)
- 『あの娘は石ころ』 (双葉文庫 ISBN 4575712086)
- 『さかだち日記』 (講談社文庫 ISBN 4062734338)
- 『西方冗土-カンサイ帝国の栄光と衰退 』 (集英社文庫 ISBN 4087481816)
- 『心が雨漏りする日には』 (青春文庫 ISBN 4413093186)
- 『とらちゃん的日常』 (文春文庫 ISBN 4167585022)
- 『異人伝-中島らものやり口』 (ベストセラーズ ISBN 4584187932)
- 『ネリモノ広告大全 ちくわ編・ごぼてん編』 (双葉文庫 ISBN 4575710741)
[編集] 創作落語・芝居脚本・コント集
- 『らも咄』 (角川文庫 ISBN 4041863023)
- 『らも咄②』(角川書店 ISBN 4048727427)(『牛乳時代-らも咄』は文庫版のタイトルである。角川文庫 ISBN 4041863031)
- 『ぷるぷる・ぴぃぷる』 (白水社 ISBN 4560049084)
[編集] 対談集
- 『舌先の格闘技』 (双葉文庫 ISBN 4575710830)
- 『クマと闘ったヒト』 (メディアファクトリー ISBN 4840100934)
- 『逢う』 (講談社文庫 ISBN 4062646528)
- 『訊く』 (講談社文庫 ISBN 4062645343)
- 『イッツ・オンリー・ア・トークショー』 (メディアファクトリー ISBN 4840107572)
- 『ひそひそくすくす大爆笑―It’s Only a Talkshow〈2〉』 (メディアファクトリー ISBN 4840110425)
- 『しりとり対談』(ひさうちみちお と) (講談社文庫 ISBN 4062635208)
- 『その辺の問題』(いしいしんじ と) (角川文庫 ISBN 4041863066)
- 『らもチチ-わたしの半生 青春篇』(チチ松村と) (講談社文庫 ISBN 4062749335)
- 『らもチチ-わたしの半生 中年篇』(チチ松村と) (講談社文庫 ISBN 4062749343)
- 『なれずもの』 (イーストプレス ISBN 4-87257-480-X)
[編集] 中島らも編著・その他
- 『なにわのアホぢから』 (講談社文庫 ISBN 406185951X)
- 『毒薬 日本の名随筆』 (作品社 ISBN 4878936584)
- 『輝きの一瞬―短くて心に残る30編』 (講談社文庫 ISBN 4062639688)
- 『名作コミックを読む』 (小学館 ISBN 409179811X)
- 『全ての聖夜の鎖』 (文芸春秋 ISBN 4163198008)
- 『せんべろ探偵が行く』(小堀純との共著) (文芸春秋 ISBN 4163595007)
- 『株式会社日広エージェンシー企画課長中島裕之』(没後刊行 広告企画書集) (双葉社 ISBN 4575298247)
[編集] 共著
- 『じんかくのふいっち』 (双葉文庫 ISBN 4575710849)
- 『じんかくのふいっち2』 (双葉文庫 ISBN 4575711330)
- 『リリパット・アーミー-しこみ篇』(わかぎえふ と) (角川文庫 ISBN 404186304X)
- 『リリパット・アーミー-ばらし篇』(わかぎえふ と) (角川文庫 ISBN 4041863058)
- 『夢見るごもくごはん』(わかぎえふ、チチ松村、ひさうちみちお と) (双葉社 ISBN 4575289752)
- 『流星シャンハイ』(糸川燿史と) (双葉社 ISBN 4575283983)
[編集] 広告
- カネテツデリカフーズ
- 「啓蒙かまぼこ新聞」(雑誌広告)
- 「微笑家族」(雑誌広告)
- 1983-84年おせち料理(テレビCM)
- 尼崎市
- 市制70周年記念(コピー)
- 東宝東和
- 映画『死霊のはらわた3 キャプテン・スーパーマーケット』(コピー)
- 樋屋製薬
- 樋屋奇應丸(テレビCM-スタッフ参加)
[編集] テレビ構成
[編集] テレビ出演
- どんぶり5656
- なげやり倶楽部
- 最後の晩餐(他の出演者は、笑福亭鶴瓶、浜村淳、キダタロー、石野敦士(Over Drive)(→その後アメリカザリガニ・平井善之と交代))
- タモリ倶楽部
- 浪花少年探偵団
- ジパング通信 (ゴンチチ チチ松村と競演)
- 探偵!ナイトスクープ(ゲストとして出演)
[編集] ラジオ出演
- 中島らもの月光通信
- ラジウム光線
- らもチチ 魔界ツアーズ
[編集] ライブ活動
- 2004
- 10月14日(木):中島らも追悼ライブ
- 「うたっておどってさわいでくれ ~RAMO REAL PARTY~」
- 8月27日(水):大槻ケンヂLIVE『プライベート・アンプラグド』
- 10月14日(木):中島らも追悼ライブ
- 2003
- 10月04日(土):BONE IDOL発売記念『空が落ちる日』 ~おまえらをすすってやる~
- 8月27日(水):大槻ケンヂLIVE『プライベート・アンプラグド』
- 8月3日(日):「らも&MOTHER'S BOYS」
- 2002
- 10月16日(水):「伝説とピック」怒濤のギターライブ
- 5月5日(祝):「春一番2002」
- 5月18日(金) 電車
- 5月4日(金):「春一番2001」
- 2000
- 11月6日(月)
- 11月10日(金)
- CD「PISS FACTORY」発売記念ライブ
- 6月3日(土) サナエProdused「Flying Tackle!!」PISS出演
- 5月4日(木) 「春一番2000」
- 1999
- 12月31日カウントダウン
- 5月5日「春一番1999」
- 1997
- 10月9日「PISS」&「JIZZ MONKS」
- 05月03日「春一番」
- 04月25日「春一番」
- 04月06日筋肉少女帯のオープニングアクト
- PISS(山内圭哉、前田一知、吉村久一、コング桑田、樋野展子)
- MOTHER'S BOYS(元木正実、福井敏、岡部亘、岩井実利)
- FATHER'S GIRLS(中島さなえ、藤谷文子、行岡久恵、天辰葉菜絵)