ATI Technologies
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ATI Technologies(エーティアイ テクノロジーズ)はアメリカの半導体製造企業であるAMDの連結決算の子会社。旧ATI Technologiesの財務清算を行う存続会社である。
旧ATI Technologiesの製品部門はAMDに吸収され一部門として、画像関連の半導体設計と応用製品の製造をおこなっている。かつてはカナダのハードウェアメーカーであった。
ここでは現在のATI Technologiesではなく、AMDのATI部門について記述を行う。
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[編集] 概要
1985年に中国出身のKwok Yuen Hoらによって設立し[1]、ビデオカードのRADEONシリーズを開発していることで知られる。設立当時は経営状態を左右してしまうような高性能な製品の開発には消極的で、低価格ではあるものの堅実な製品Machシリーズを開発、販売していた。1990年代中期まではビデオチップメーカーが多く、ATIも規模を大きくする事ができなかったが、90年代後半からシーラス・ロジックや3dfxなどが撤退し競合ベンダーが減っていく中、RAGEシリーズなどのヒットにより着実に地位を固めていった。現在はNVIDIAと並び、ビデオチップメーカーの2大巨頭である。
ニンテンドーゲームキューブのビデオチップを開発したArtXを買収している。
ノートパソコン向けのグラフィックチップに関しては、グラフィック内蔵チップセットのものは、デスクトップの場合と同じく、インテルの製品がほぼ独占している状態ではあるが、高機能なノートパソコンに搭載されるグラフィックのチップに関してはATIの製品が大きなシェアを占め、ライバルのNVIDIA社を大きく引き離している。
米国時間の2006年7月24日に、Advanced Micro Devices(AMD)が、総額54億ドルで買収することを明らかにし、2006年10月25日に買収の完了を発表した。 これにより、Advanced Micro Devices(AMD)は、ATIとインテルの間で交わされたクロスライセンス契約を取得した [2]。
[編集] ビデオカードについて
ライバルのNVIDIA社とは、3D機能で熾烈な性能争いを繰り広げており、得意不得意な使用シーンにより一概にどちらが優れていると評価できないほど実力は拮抗している。開発サポート体制はNVIDIAと比べるとあまり良いとはいえず、トラブル対応も一歩譲る。一方で画質や発色がNVIDIA製よりも良いといわれる事も多く、安定性より実用性などを重視した作りになっており(例:最新メモリ規格「GDDR4 SDRAM」を初めて「RADEON X1950XTX/CrossFire」で採用など)HTPC(ホームシアターPC)などを構築する自作パソコンユーザーに支持されている。
伝統的に大手PCベンダーへの大量供給に強く、NEC製などのPCにも搭載されている機種も出ている。Macintoshではすべての機種にATIのビデオチップが搭載されていたが、2001年以降はNVIDIA製品も採用している。
マイクロソフトはXbox 360のGPUにATIの製品を採用した。また、任天堂もWiiにATI開発のシステムLSIを使用している。
販売中のビデオカードのシリーズ
- RADEON シリーズ
- FireGL シリーズ
[編集] チップセットについて
グラフィック機能内蔵のチップセットの開発も行っており、主力製品のRADEON IGP/XPRESSシリーズは、大きなシェアを持っている。しかし、純正サウスブリッジに問題を抱えている事が多く、VIAやULi(現・NVIDIA)のサウスブリッジを代用するマザーボードベンダーも多い。現在ではULi製のサウスブリッジ、M1573/M1575が数多く採用されているが、ULiがNVIDIAに買収されてしまったため、今後このチップの供給が出来なくなる可能性が高く、純正サウスブリッジの不具合の修正が急務とされている。
また、過去には買収した旧ArtXがALiと共同開発した、ALADDiN7というグラフィック統合チップセットがあった。これが現在のATIのチップセット技術の礎となったものと思われる。
[編集] 脚注
- ^ http://ati.amd.com/designpartners/media/bios/kyho.html
- ^ AMD、ATIの買収を完了、プロセッサ分野における強力なチームが誕生 2006年10月25日, AMDのプレスリリース
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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