LiveCD
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LiveCD(ライブCD:またはLive CD)とは、CDまたはDVDドライブにあるディレクトリから起動できるオペレーティングシステム(通常他のアプリケーションソフトも含まれる)のこと。オペレーティングシステムはCDやDVD上に記憶されており、オペレーティングシステムを固定記憶装置(ハードディスクドライブなど)にインストールする事なしに、ハードディスクドライブにインストールされているOSと同様に使用できるといった特徴をもつ。通常のLiveCDでは、ユーザーの行為無しにハードディスク内にインストールされているオペレーティングシステムやファイルを変更することはできないので、ユーザーが明示的にハードディスク内に存在するファイルを変更・削除しない限り、ハードディスク内のファイルに影響を与えること無く使用することができる。
LiveCDでは、コンピュータの電源投入前にCDドライブにLiveCDをセットしてからコンピュータを起動するか、CDドライブにセットしてからオペレーティングシステムを再起動することでLiveCDから起動したオペレーティングシステムを使用することが出来るようになる。また、CDが排出されコンピューターが再起動したときに、システムが前回のオペレーティングシステム状態(ハードディスク内にあるオペレーティングシステムから起動した状態)に復旧する。ハードディスクにインストールされたOSではハードディスクドライブ上にファイルが保存されるが、LiveCDではそれらのファイルをRAMと同様の一時記憶メモリ内に認識するため、動作においてハードディスクドライブを全く必要としない。この方法は、いくらかのパフォーマンス向上の代わりに、アプリケーションソフトに使用できるメモリ量が減少する。LiveCDでは通常、256MBから512MBのメモリが推奨される。
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[編集] 主なLiveCD
[編集] Apple Macintosh OSベースのLiveCD
- フロッピーディスク上またはCD上にあるMac OSのシステムフォルダ
- BootCD from Charlessoft for Mac OS X
- Clone X from Tri-Edre for Mac OS X - Commercial Product
[編集] BSDベースのLiveCD
- DragonFly BSD
- FreeSBIE - FreeBSDベース。
- NeWBIE - NetBSDベース。
- Frenzy mini-CD - FreeBSDベース。
- NetBSD - NetBSD公式のimageファイル(参考書類(英語))。
- Anonym.OS - 安全な匿名Webブラウズ用LiveCD。OpenBSDベース。
- Olive BSD - 軽量WindowマネージャーのIceWMとROX-Filerを利用する。OpenBSDベース。
- 河豚板 (FuguIta) - 日本での使用に特化。少メモリ・ロースペックマシンでも動作。OpenBSDベース。
[編集] LinuxベースのLiveCD(1CD Linux)
- Debian Live - Debian Etch / Sid ベースのLiveCD。Debian Live Project によるリリース。
- KNOPPIX - DebianベースのオリジナルLiveCD。
- Damn Small Linux - ビジネスカードサイズのCDやUSB pendrive向けの軽量なKnoppix。
- dyne:bolic - マルチメディアの製作・配給向け。
- MEPIS - Debian (APT compatible) 導入者向け。
- Morphix - GNOMEやWindowマネージャーのfluxboxを使用。Debianベース。
- Puppy Linux - 60MBの軽量LiveCD。CDやDVD自身にデータを書き戻すことができる。
- PCLinuxOS - MandrakeによるLiveCDプロジェクト。
- Sidux - Debian Sid ベースの、Sidux プロジェクトによる LiveCD。
- SLAX - Slackwareの派生ソフト。 モジュールと非常に簡単なリマスターを持つ。
- Ubuntu - 非常にポピュラーなDebian派生ディストリビューション。
[編集] マイクロソフトWindowsベースのLiveCD
- BartPE - Windows XP/Windows 2003ベース。インストールCDからLiveCDを作成する。
- XP Live CD (Windows XP) - Commercial Product
- Avast Bart CD - Commercial Product
- Microsoft Windows Preinstallation Environment - WindowsPE
- n-Lite - WindowsのインストールCD作成ソフト。
- Mini PE
- ERD Commander - 商用のリカバリー環境。
なお、マイクロソフトはLiveCD化製品に対するサードパーティの成果について、Windowsを使った不正なライセンスとして記述している。
[編集] OpenSolarisベースのLiveCD
- SchilliX - OpenSolarisによる初めてのLiveCD。
- BeleniX
- Nexenta
- marTux
[編集] その他のOSをベースとしたLiveCD
- Plan 9 from Bell Labs - Plan 9のCDをPCで動くようにしたLiveCD。
- BeOS - BeOSのCDは全てLiveCDモードでも動作する。ただし、PowerPCバージョンにおいては Mac OS 8による起動が必要となる。
- OpenVMS - OpenVMSのインストールCDはブート可能なLiveCDとなっている。ブート方法の詳細はインストールCDの /plan9dist/download.htmlを参照。
- Hurd - GNU HurdのLiveCD。http://www.superunprivileged.org/hurd/live-cd/
- SkyOS
- Ging - Debian GNU/kFreeBSDをベースとした初めてのLiveCD。
- Minix
- OS/2 Ecomstation Demo
[編集] 救出・修理用のLiveCD
- SystemRescueCd - WindowsとLinux修理用のツールをまとめたLinuxベースのLiveCD。2.6 kernelがベース。
- 911 Rescue CD - Windows修理用のツールをまとめたDOSベースのCD。 (※技術的にはLiveCDではないが修復用ツールのため記述。)
- UBCD - ultimate boot cd
- treehel's FreeSTAR - UBCDベース。Windows向けのオープンソフトをまとめたブートCD。ロシア語と英語のWindowsインターフェイス向け。